2010-12-06

『次代を担うエネルギー・資源』火力発電の可能性2~日本の火力発電・火力発電ってどんなもの4~  

みなさん、こんにちは~
前回の記事で、発電の仕組みを紹介しました
今日は、発電の後の電気の流れ、送電についてです
発電された電気が発電所から、どうやって送電されているのか:roll:
その送配電でどのようなロスがあるのか :roll:
・・・を調べてみました
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■送電の仕組み
火力発電所は水をたくさん使用するため海の近くに多いので、そこから都市部へ送電線、変電所、配電線などを通り、送られています。変電を繰り返して徐々に電圧を下げるのは、発熱による送電ロスを少なくするためですが、それでも5%程度の電気が送電・変電により失われています
各発電所でつくられた電気は27万5000V~50万Vという超高電圧に変電されて送電線に送り出されます。これを、各地に設けられた超高圧変電所で15万4000Vまで変電します。その後、1次変電所で6万6000Vにまで下げられます。
6万6000V~15万4000Vに変電された電気は、一部が鉄道会社や大規模工場に送られて各企業内の変電設備で必要な電圧に落とされます。残りは中間変電所に送られ、さらに低い2万2000Vに変電されます。この段階でも、大規模工場やコンビナートに電気が供給されます。
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画像の確認
2万2000Vに変電された電気は次に配電変電所へ送られ、6600Vに変電されて大規模なビルや中規模工場へ配電されます。また、この電圧(6600V)で街中の電線にも配電されます。6600Vになった電気は電柱の上にある柱状変圧器(トランス)で100Vまたは200Vに変圧され、引込線から各家庭へと送られます。
電気の速度は光の速さと同等と言われ、一秒間に地球を7周半(毎秒約30万km弱)回るほどの速度があり、発電所で生まれた電気は一瞬にして皆さんのご家庭へと届けられます

■変電の仕組み
変電所では、電圧の変更が行われています。今回は、配電用変電所から送られてくる6,600ボルトの電気を各家庭で使用する100ボルト・200ボルトに変える装置【柱上変圧器】を例にとって、変電の仕組みをみてみましょう。
・柱上変圧器の仕組み
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画像の確認
柱上変圧器の中には2つのコイルがあって、1つは導線がたくさん巻いてある高圧コイルと、それより少ない巻き数の低圧コイルがあります。この2つのコイルの電磁誘導を利用して電圧を変えます。
電力(電気の働く力:電圧×電流)は変えられませんが、電圧や電流は、自由に変えることができます。つまり、電力は一定なので電圧を高くすると電流は小さくなり、電圧を低くすると電流は大きくなります

■どこでロスが起こるの?
電力損失(ロス)とは、発電所で発生した電力が供給されるまでに発電所・変電所および送配電線においてその一部が失われることをいいます。この失われる電力を合計したものが「総合損失電力」、総合損失電力量の発受電電力量に対する比率を「総合損失率」といいます。平成20年度の10電力平均でみると総合損失率は8.5%です。
総合損失電力は、2種類のロスがあります

送配電損失
・・・送配電線の抵抗損、発変電所の調相機損、変圧器の鉄損、銅損、送電線の漏れ損など
所内用電力
・・・発変電所において給水ポンプ、圧油装置など補機類の運転および、変圧器、遮断器などの制御装置(配電盤、圧縮空気発生装置など)で消費されるもの

「所内用電力」は発変電所において消費される必要電力なので、「送配電損失率」が、純粋に送電・変電の際に生じるロスです。このロスは、H20全国平均で5.1%、最も低い沖縄県では4.6%、最も高い北海道では6.3%です。
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画像の確認

・送電ロス
発電所で発生した電気は、数10万~50万Vの高い電圧で送電されます。これは、電圧を高くすると送電できる電気の量が増加するので、経済的な送電設備の形成が可能となるからです。また、送電線に電気が流れると、電気抵抗のため一部が熱となり、エネルギー損失(送電ロス)が生じます。同じ量の電気を送電する場合、電圧と電流は反比例するので、送電電圧を高くすれば電流を小さくすることができ、結果、送電ロスを少なくすることができます。つまり、送電ロスは距離に比例し、送電電圧を高くするほど小さくなります。

・変電ロス
変圧する際に、変圧器の鉄心や銅心部分で、電力が熱となって消費され、エネルギーが損失しますが、それらはアウトプットの1%弱程度です。
ちなみに、このロスは電磁誘導の際に発生するので、発電機でも同様のロスが起こります。

このように、4~5回ほどの変電と送電で合計5.1%のロスが生じています。
これは、2000年度、資源エネルギー庁の概算によれば、全国で1年間約458.07億kWhの損失になるそうで、この数字は、「100万kW級の原子力発電所6基分」の発電量に相当します。(※日本の総発電量は1兆1003億kwh。『UN, Energy Statistics Yearbook 2006』より)
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東京電力の各発電所の距離
原子力発電所  約550~100km ※約300~200km辺りがほとんど。
水力発電所   約150~100km
火力発電所   約100~ 50km
送電距離が最も長い発電は、燃料の危険性の高い原子力発電です。東電の場合、火力発電所は横浜から千葉にかけての東京湾沿いに立地しているのに対して、原発は図のように、直線距離にして福島第一・第二、柏崎刈羽原発で東京都心から約200km、東通原発に至っては550kmもの距離があります。また、都心部から比較的遠い100~150km圏内にある水力発電も、そのうち77%が原子力発電所の余剰の夜間電力を”捨てる”場所として作られている揚水式発電所なので、このロスも原子力によるものと見てもよいと思われます。(詳しくは、電力を捨てる「発電所」 揚水式発電

ばかにならない送電線と変電所の建設・保守・管理費用
また、日本で開発された超高圧の送電線は、鉄塔の大きさがどれも高さ100m以上に達します。そのような鉄塔を何百も建てて、発電所から都会へ電力を送っています。送電線の末端には、送られてきた電力を実際に使えるようにするために、大規模な変電所が設置されています。当然送電線と変電所の建設・保守・管理費用は巨額なものとなります。
東京電力の場合、公開されている2002年度の損益計算書によると、送電費として4001.76億円、変電費用として2118.17億円かかったことになっています。この年の電力販売量は2819億kWhですから、単純に計算して送変電費用として1kWhあたり約 2.17円かかっていることになります。
(※電気料金は、15kWh超過120kWhまで 1kWhあたり、19円05銭です。リンク

これまでの追求を踏まえて、みると以下のことが考えられます。

■現在の送配電の問題点

①発電所が都心から離れたところに作られる
②送電距離・変電回数が増える      →送配電ロス
③送配電に大規模な施設・費用かかる  →お金のロス
④超高圧配電による危険性を常時抱える

そして、中でも原子力は最も危険なため、都心部からものすごく離れたところに発電所があります。
これは 様々なロスを生み出す根本原因である①になる原因とも言え、送配電における問題の大部分は原子力発電にある 原子力は不要 と言えるのではないでしょうか。
また、現在海沿いに建設されている火力発電も、海水を使わなくてよい復水システムがあれば、内陸部でも建設可能となりますね
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また、単純に考えれば、送電の距離も変電回数も減らす(上の図のように、送電の前半部分をカットして、中間変電所あたりに私たちの生活圏に建設できるような安全な発電施設を地域分散型で設け、送電距離も変電回数も減らす)方が、より安全で、かつ電力やお金の無駄もなくなるのではないかという仮説が立てられます
(この辺りの可能性が、現実に実現可能かどうかは、このシリーズの後半で扱う予定

これで、「火力発電ってどんなもの?」シリーズは終了です
4回シリーズ、お付き合いありがとうございました
次回からは、火力発電の歴史を扱います引き続き、お楽しみに・・★+゜

火力発電って、どんなもの?シリーズ
1.ものが燃えると力が発生するのは、なんで?
2.熱機関の種類と燃料の種類
3.力から電気にどう変わるの?
4.送電ロスを減らすには?

参考文献&サイト
電気事業連合会「発電から販売まで」
電気が伝わる経路
原子力教育を考える会
中部電力「変電所の役割」
架空配電
鉄損とは
Power Academy「電気工学用語集」

List    投稿者 yamazun | 2010-12-06 | Posted in E08.火力発電の可能性No Comments » 

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