2010-12-04

『次代を担うエネルギー・資源』火力発電の可能性2~日本の火力発電・火力発電ってどんなもの3~  

みなさん、こんにちは
前回までの記事で、「大まかな火力発電の仕組み」や「燃えることでものを動かす“力”が発生する」ことはわかりましたが、その力がどのように電気に変わっているのでしょうか??
今日は、一緒にみていきましょう
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■力から電気にどう変わるの?
電気のできる仕組みはいくつかあります
+-イオンによって化学的に電気を発生させる「静電気 リンク)」や「太陽電池 リンク)」等もありますが、火力発電で作られている電気は、力学的に電気を発生させる「電磁誘導」の原理を利用しています
みなさん、 電磁誘導 って覚えていらっしゃいますか ??
その仕組みから、見ていきましょう 😀
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■電磁誘導とは?
電磁誘導の発見
電磁誘導が発見されたのは、1831年のことです
電磁誘導は、理論や数式から導き出されたものではなく、自然の摂理に則った仮説を実験で解明してゆく過程で発見されました

電気と磁気の関係を数式化しようとする動きに対して,ほとんど数学を使わずに数々の発見をなしとげた人がいた。それは,“真理のかぎだす特別の鼻をもつ男”とよばれたファラデー(1791~1867)である。彼の発見の秘訣は,自然界のさまざまな現象や作用の間には密接な関連があり,それらは相互に変換されて統一されるべきだという自然観にたって,豊かな想像力や鋭い直観力を最大限に働かせた点にあるといえよう。
%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%87%E3%83%BC.bmp 彼の最大の発見は,何といっても電磁誘導の発見である。彼は「電流から磁気が生じたのだから,磁気から電流が生じるはずだ」とか「静電気の誘導作用のように,電流からでも電流を発生できるはずだ」と考えて,電流の発生に取り組んでいた。そして1831年,鉄の輪に巻いた2組のコイルの一方を電池と接触・切断する際に,他方につないだ検流計の針が瞬間的に動くことに気づいたのである。引き続いて電池を使わずに,棒磁石を用いた装置で電流の発生に成功した。この時も検流計の針は,棒磁石を鉄心から離したり,接触したりする際に動いたのであった。
 ファラデーは,この電磁誘導の現象を,“磁気線”という概念を導入して,「導線が磁気線を切れば電流を生じる」と解釈した。“磁気線“とは,今でいう磁力線のことであるが,彼はこの線が媒体や空間に存在していると考え,視覚的・直観的に電磁気現象を把握しようと試みたのである。

■電磁誘導の仕組み

電磁誘導…コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れる現象
誘導電流…電磁誘導によって流れる電流

では、実際にどういう仕組みであるか?を、今から一緒にみてみましょう!
コイルと検流計をつないで、 コイルに棒磁石を近づけたり遠ざけたりし、検流計の針のふれを調べてみます。
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コイルはコイルの中の磁界の状態をそのまま維持しようとしているだけです。
磁石が近づくと反発するように、遠ざかると引きもどすようにコイル内部に磁界をつくろうと誘導電流を発生させます。
■発生した電気を取り出すには?
コイルの側で磁石を動かす(磁界を変化させる)と、誘導電流が流れます。
これをうまく取り出すことができれば、電気を作って、使うことができるようになります
そのために必要なのが、下のようなしくみ。コイルの近くに磁石を置き、磁石をグルグルと回します。すると、誘導電流が発生し、電気を取り出すことができるようになるわけです。(コイルと磁石の位置を変えて、コイルをグルグル回すようにしてもOKです
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磁石をグルグル回すのにハンドルをつけて手で回していたのでは、電気は少ししかできません。そこで、ハンドルの代わりに羽根車をつけ、高いところから水が落ちる力で羽根車(=水車)が回るようにしたのが水力発電です。石油や天然ガスで火をおこし、お湯をわかしてできた蒸気の力で羽根車(タービンといいます)を回すのが火力発電、ウランやプルトニウムが核分裂するときにできる熱を利用してお湯をわかし、その蒸気で羽根車を回すのが原子力発電です。

実際に使っている発電機って??
たとえば、身近なものでは自転車のライトのダイナモ これも発電機のひとつです
「自転車をこぐ」という運動エネルギー を、磁石を用いて電気 に変えているのです
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これを大型化したのが火力発電の発電機です
実際、多くの発電所では、コイルの間で磁石を回す仕組みを利用しています

なぜ、電磁誘導を使うの?
冒頭で述べた化学的な発電方式は、イオン化した状態(原子にとって不安定な状態)から、安定へむかって電子をやりとりするときに生まれる電気です。そのため、発電を維持し続けるには常にイオン化した状態を保つ必要がありますが、物質は常に安定しようと働くので不安定な状態であるイオン化を維持するのは、とても難しいことなのです。たとえば、乾電池も化学的な発電ですが、それも「使いきり」で持続的にエネルギーを作り出すことはできません。
一方、電磁誘導では、磁石とコイルと動力(を起こすための燃料)さえあれば、持続的に発電することができます。よって、私たちは電気を24時間途絶えることなくいつでも使うことができるのです。
ただし、現在、太陽光発電などの化学的方法も今後の新しいエネルギーとして注目されており、発電方式も研究が進められています。

次回は、このように作られた電気がどのように、私たちの生活する場所まで送られているのか 送電のしくみを調べていきます
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました
次回もお楽しみに~

参考文献&サイト
科学の歩みところどころ
りかちゃんのサブノート
四国電力 発電の原理
世界偉人伝

List    投稿者 yamazun | 2010-12-04 | Posted in E08.火力発電の可能性2 Comments » 

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コメント2件

 tonbi | 2011.10.10 12:43

動物ってなぜ地震を予知する必要があるのでしょうか?
人間だと、建物が崩壊するとか津波が在るということで被害が大きいから予知が必要ですが、特に海の中にいる動物など地震が起きてもどうという事もないように思いますが・・・。
何か地震と動物の危機意識との間に関係があるのでしょうか?

 kayama | 2011.10.13 22:07

tonbiさん、コメントありがとうございます!
>何か地震と動物の危機意識との間に関係があるのでしょうか?
のとおりで、動物は「地震が来る!」と感知しているのか、それとも地震の予兆現象そのものが動物にとって危険なのかはすごく気になりますね。
まずは地震の予兆として動物は何を感知するのかを明らかにして、その点も答えを出していきたいと思います☆

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