2011-03-11

次代を照らす太陽エネルギー3~太陽の中心から生まれるエネルギー~

これまでのシリーズ記事はこちら↓


次代を照らす太陽エネルギー1~プロローグ~
次代を照らす太陽エネルギー2~太陽の誕生と、宇宙の秩序のはなし


太陽シリーズ第3回
今回はいよいよ、広~い宇宙から、太陽にクローズアップしていきます
私たちが地上で受けている、太陽の光。
このエネルギーは、どのようにして生まれ、宇宙へと放たれているのでしょうか


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太陽中心部では、何が起きているの


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画像はこちらからお借りしました。


太陽は、いわば「巨大なガスのかたまり」です。
その内部組成については、多くの未解明な部分がありますが、
可視光により認識できる部分(「光球」と呼ばれます)の組成は、以下のようなものであると分析されています。

  光球の組成 (参照:wikipedia「太陽」)
  水素    73.46%
  ヘリウム   24.85%

  酸素      0.77%
  炭素      0.29%
  鉄       0.15%
  ネオン     0.12%
  窒素      0.09%
  ケイ素     0.07%
  マグネシウム    0.05% 
  硫黄      0.04%
  その他     0.11%



見てお分かりのように、光球の大部分は、水素ヘリウムからなります。
水素は原子番号1、ヘリウムは原子番号2ですから、ともに原子核内の陽子の数がもっとも小さい元素です。


太陽中心部では、
2,500億気圧、1,600万度Kという超高温 ・超高圧 状態の中で、
水素からヘリウムへの核融合反応が起きています。


この反応に伴って、ガンマ線、つまり波長が非常に短い(およそ0.01nm以下の)電磁波が放出されています。
これが、太陽から、私たちのいる地球に届く太陽エネルギーの最初の姿と考えられています。


「光」は、電磁波のひとつ


「電波」・「光」・「X線」・「ガンマ線」などの、波の性質をもつエネルギーを、「電磁波」と呼びます。
「電磁波」は、波長域に応じてさまざまな性質をもっています


私たちの浴びている太陽光の中にも、さまざまな波長の電磁波が存在します
私たちが目で捉えることのできる「可視光線」も、
目には見えませんが「あたたかい」と感じることの出来る「赤外線」も、電磁波のひとつです。





画像はこちら
からお借りしました。


上の図を見ながら、いくつか電磁波の例を挙げてみましょう。
たとえばX線。これは、可視光線よりも波長の短い電磁波です。
X線は、皮膚や空気(肺)、筋肉などに対する透過度が高く、相対的に、骨や腫瘍に対しては透過度が低いため、
その性質を生かした、X線写真技術が、医療や空港の手荷物検査などの場面に用いられています。


また、私たちは、「太陽の光はあたたかい」と感じますが、
これは、光=電磁波そのものが熱を持っているわけではなく、
光=電磁波が「物質を運動させ熱を発生させる能力」を持っているためです。
たとえば、電子レンジは、英語でmicrowave ovenと書く通り、
マイクロ波「水分子を効率よく運動させる(→水が温まる)性質」を生かした機器なのです。
電磁波そのものがあたたかいのではなく、
「電磁波が食品の中の水分などの物質(分子)に働きかけて、食品があたたまっている」のです。


電磁波が、その波長域に応じてさまざまな性質をもつことをイメージしていただけましたか?


太陽表面から、どのような電磁波が放出されているの?


太陽中心部で放出されたガンマ線は、そのかたちのまま地球の表面に届くわけではありません。
ここで、太陽表面から宇宙空間にどんな電磁波が放出されているのか を見てみましょう。

   太陽表面から宇宙空間に放出される光の組成
  ガンマ線・・・ごく微量
  エックス線・・・ごく微量
  紫外線・・・約7%
  可視光線・・・約47%
  赤外線・・・約46%
  電波・・・ごく微量
  ニュートリノ
  その他に、α線、β線、電子、ヘリウム原子核、
  陽子などが、太陽フレアなどの現象により発生します。



このように、核融合によって放出された短波長の電磁波が、
最終的にさまざまな波長の長さに変化して、太陽表面から放出されているのです。


電磁波は、物質に吸収・放出・散乱されながら、次第に波長の長い電磁波へと変化していく

短波長だった電磁波が、だんだん長波長の電磁波へと変化するのは、なぜなのでしょうか?


太陽中心部で核融合により放出されたエネルギーが、太陽表面にたどり着くまでに、およそ数十万~数百万年の時間がかかると言われています
太陽中心部では、原子は超高圧 ・超高温 状態によりそのかたちをとどめることが出来ず
電子と陽子がばらばらにはなれ、はげしくぶつかり合っている状態=プラズマ(電離)状態
にあります。
ガンマ線は、周囲のプラズマと衝突・吸収・屈折・再放射などの相互作用を起こしながら、
次第に周囲にエネルギーを吸収され、波長の長い電磁波へと変化
していきます。
その様子を詳しく見ていきましょう。


下の図をご覧下さい。
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画像は こちらからお借りしました。


電磁波のもつエネルギーが、周囲の原子に吸収されると、
吸収した原子のまわりを回る電子の軌道が、一段あるいは数段外側に広がります
これを電子の「励起状態」といいます。
(*これよりさらに大きなエネルギーを受けると、電子は原子からはぎとられ、ばらばらの状態=プラズマ状態になります。)
電磁波のエネルギーを吸収して電子が励起状態となった原子は、
再びそのエネルギーを電磁波(光)として放出します。
このときに、原子にいくらかのエネルギーを吸収されることで、
放出される電磁波の波長は長くなっていきます

ここで、もしやってきた電磁波が、原子の周りをまわる電子を励起させるだけのエネルギーを持たないと、電磁波は原子に吸収されることなく、波長も変わりません。


他にも、散乱(電磁波と電子との衝突により、電磁波のエネルギーの一部を電子に与えて、波長が変化する)などの現象により、
電磁波は少しずつエネルギーを失っていきますが、
やがて周囲の原子のもつエネルギーと、
電磁波のもつエネルギーとが平衡してくると、
電磁波の波長は安定していきます



ここで改めて、 太陽から宇宙空間に放出される電磁波の組成を見てみましょう。
その組成の大部分を可視光線赤外線が占めています。
これは、可視光線や赤外線まで波長が変化すると
原子の周りの電子を励起状態にさせたりすることが可能なだけのエネルギーをもたなくなるため、
より長波長の「マイクロ波」「電波」などには変化することなく、
その大部分が、赤外線や可視光線として宇宙空間に放出される
のだと考えられます。


いかがでしたか?
私たちの目には捉えられない現象を、
「電子の励起」や、「波長の変化」といった概念でイメージするのは、
ちょっと難しいように感じますが、
大きく、
『エネルギーにはさまざまな状態があり、
そのエネルギー状態が相互に釣り合うところで、秩序が保たれるのだ』
という風に捉えると、
イメージしやすいのではないか?と思います。


*  *  *  *  *  *
さて、太陽から生まれ、さまざまな波長に変化した電磁波は、
ここからどのようにして宇宙空間を伝わり、地球まで届くのでしょうか?
また、その過程で、姿を変えることはあるのでしょうか?



次回の投稿も、ご期待ください

List    投稿者 kanae | 2011-03-11 | Posted in E09.太陽エネルギーNo Comments » 

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