2011-02-13

『次代を担う、エネルギー・水資源』水生圏の可能性、水力エネルギーの活用<番外・予告編>.火山列島・火の国日本の可能性~高温岩体発電・マグマ発電が国産エネルギー資源の切り札!~

今回は水力エネルギー・シリーズの<番外・予告編>として、火山列島日本のエネルギー資源の可能性について、その一部をご紹介します。
 
日本はこれまでの水力シリーズでも扱ってきたように、四季に恵まれた水資源豊富な島国です :D しかしその一方で、日本は太古の昔より、台風や地震、そして火山の噴火などの自然外圧に晒されてきた島国でもあります。しかし見方を変えれば、これらの自然外圧とは地球の巨大な運動エネルギーそのものでもあるのです。
 
c0196254_8383392.jpg
水といえば、その反対は火ですよね
 
その自然外圧=自然エネルギーを資源として有効利用することできれば、日本のエネルギー資源の可能性は大きく開かれます。
 
「でも、そんな巨大な自然エネルギーを取り出すことってできるの?」
 
大丈夫です!その最もポピュラーな方法が、世界中で行われている火山活動の膨大なエネルギーの一部を利用する地熱発電という方法なのです。しかも、日本は火山列島であり、且つこの地熱発電では世界でも先端の技術を有しています。そして、その技術は地熱発電の第二世代といわれる高温岩体発電の実用化直前です。さらに、第三世代の技術(50年内には実現可能といわれる)マグマ発電をもってすれば、その潜在資源量は60億Kw、なんと現在の日本の総発電量の3倍は優に発電可能と見込まれているのです!
 
「え~!!!」
 
続きが気になる方はポちっとね♪ 

 にほんブログ村 環境ブログへ


1904年に世界で最初の地熱発電所が、イタリアのラルデレロにつくられて地熱発電の歴史は始まりました。
今や世界の地熱発電設備容量の合計は8,878MW。国別首位はアメリカ合衆国(全体の0.2%)。次いで発電容量が多いのは火山国フィリピン。フィリピンはなんと国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなう「地熱発電大国」なんです。気になる日本は世界第6位。(2007年)
 

しかし、火山が多く地熱開発の技術水準が世界的に高いにも拘らず、日本の地熱発電はまだまだ総発電量のわずか0.2%を賄っているにすぎません。
 
では、そもそも地熱発電ってどんなもの?を簡単に押えて見たいと思います。
 
 
★地熱エネルギーって?
地熱エネルギーとは、地球の誕生以来、地球の内部で生成され、蓄積されてきた熱エネルギーです。これは、地表近くでは、例えば、火山活動や温泉などで地下から放出されています。
 
★地熱資源って?
地熱資源とは、深さ約3km程度ぐらいまでの、比較的地表に近い場所に蓄えられた地熱エネルギーを資源として利用するものです。これには、地熱発電のほか、温泉(浴用)、暖房・熱水利用(家庭用、農業用、工業用)といった用途があります。
 
★地熱資源にはどんな種類があるの?
 
地熱資源は、地下深部からの熱の輸送メカニズムによって、2種類に大別できます 。
① 地下深部から上昇してくる蒸気や熱水によって熱が運ばれる「対流型地熱資源 」
② 熱水の上昇がないので熱伝導によって熱が運ばれる「高温岩体型地熱資源」

 
現在商業規模で地熱発電が行われているのは、①の「対流型地熱資源」です。資源量的には、②の「高温岩体型地熱資源」の方がはるかに多いので、この利用技術が現在さかんに研究されています。 
 
 
★地熱発電って?
地熱発電とは、火山活動による地熱を用いて行う発電のことです。主に地熱によって生成された天然の水蒸気により蒸気タービンを回して機械的エネルギーに変換し、発電機を駆動して電気を得ます。タービンを回して発電するのは、水力発電や火力発電と同じです。簡単に言うと火山の水蒸気を利用してタービンを回して発電するというのが地熱発電なのです。
 
 
★地熱のメリット・デメリットって?

●地熱発電のメリット
燃料を必要とせず、燃料の枯渇や高騰の心配が無い点で、すぐれたエネルギー源とされます。また再生可能エネルギー(自然エネルギー)の中でも、需要に応じて安定した発電量を得られる地熱発電は、ベースロード電源として利用が可能である点において、出力が不随意に変動する太陽光発電や風力発電・渇水期のある水力発電とは異なった長所を有しています。地球全体でみた資源量も大きく、特に日本のような火山国においては大きなポテンシャルをもっています。

●地熱発電のデメリット
地熱発電は探査・開発に比較的長期間を要し、火山性の自然災害に遭遇しやすいリスクがあります。また資源保有地のほとんどが、国立公園や国定公園として法的に開発規制されている点も大きく、開発可能地であっても、既に温泉街等の観光地となっている場合が多く、近隣住民からの強い反発があります。

また、地熱資源は桁違いの潜在エネルギー量なのです。

 
しかもさらに現在、地熱発電技術は既に第二世代に移行しつつあります。これまで火山蒸気の利用が主であった地熱発電は蒸気や熱水を必要としていいたため、開発調査に時間がかかる上に利用可能な場所が限られていました。その壁を超えた技術が第二世代の地熱発電、高温岩体発電です。と同時に、国もようやく重い腰をあげて法律の規制緩和に向けて動き出しました。
 
★第二世代の地熱発電が実現!
高温岩体発電
天然の熱水や蒸気が乏しくても、地下に高温の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気や熱水を得る高温岩体発電の技術も開発されており、地熱利用の機会を拡大する技術として期待されています。 既存の温水資源を利用せず、温泉などとも競合しにくい技術とされ、少なくとも38GW以上(原子力発電所40基弱に相当)におよぶ資源量が国内で利用可能と見られています。既に多くの技術開発は済んでおり、また現在の技術ならばコストも9.0円/kWhまで低減できると見込まれています。
 
 
★そして第三世代の地熱発電(50年以内には実現可能とされる!!!)
マグマ発電
さらに将来の構想として、マグマだまり近傍の高熱を利用するマグマ発電の検討が行われています。この技術は50年内には実現可能と言われ、その潜在資源量は60億kW(6000GW)におよぶと見積もられ、これを用いると日本の全電力需要の優に3倍近くを賄えるだろうと言われています。
 
 

 
このように私たちの住む火山列島・日本の足元には、途轍もないエネルギー資源が引き出せずに眠っています。地熱利用は水資源が豊富で火山の多い日本の地理的気候風土に合った、最も理にかなったエネルギー資源であると思われます。
 
kawa-30.jpg
私たちがエネルギー問題を考える時、往々にして今までにない画期的な新技術によって、世界的に利用可能な新たなエネルギー資源が生み出される事に大きな期待感や可能性を抱いてしまいます。けれども自然の摂理構造を理解し、その国々や地域の持っている自然エネルギーの特性を生かし、その地の持つポテンシャルを最大限引き出すことが、循環型エネルギー社会への一番の近道なのかもしれませんね。
今後より深く緻密に、地熱発電の可能性を探っていく予定ですので :D 今後のシリーズ展開をお楽しみに!!

List    投稿者 kasahara | 2011-02-13 | Posted in E07.水力エネルギーの活用8 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/02/837.html/trackback


コメント8件

 匿名 | 2012.01.03 1:39

選ばれし者に、卓越した能力を与えられる‥
なんだかSF映画みたいですね。
日本人の感覚からすると、物語の世界でしかあり得ないようなことが実際に信じられていたとは、驚きです。
しかしながら、そういった思想から生まれた近代科学技術には騙されてしまったので、恐ろしいです。
でも、こうして歴史的におさえていくことで
、そのおかしさに気づいていけますね!

 だいち | 2012.01.03 18:03

>18世紀以降は、逆に、科学が技術を基礎づけるだけでなく、科学は技術を先導するようになる。しかもその技術は、まずもって自然を人間に従わせ、自然を人間に役立てる、つまりは自然を収奪することを目的としたものであった。
 この認識は衝撃です。今まで科学は自然の法則を明らかにし、至極ニュートラルなものだと思っていました。
 しかしそれがひとたび技術と交わり、科学技術が生まれると、それは自然を征服し、従わせ、収奪する道具となったということでしょうか。
 現代の科学は、技術とは切っても切れない関係にあることを考えると、やはりその根本には自然征服の思想が根付いていると言うことなのだと思います。

 kaya | 2012.01.05 1:44

なるほど、科学技術が道を踏み誤った起点を見た気がします。
自然の収奪→私権の拡大を目的としている時点で、自我を暴走させるのは科学技術の正体だったということでしょうか。
科学者も誰もが自分の私権のことしか考えないから、金貸しの都合の良いように利用されるものに成り下がってしまったように感じられました。
面白い記事をありがとうございます!

 hikaru | 2012.01.05 11:21

17~18世紀の科学技術思想には大変驚きました。歴史的事実を明らかにしていくことは大変意味があります。
>科学が技術を基礎づけるだけでなく、科学は技術を先導するようになる。しかもその技術は、まずもって自然を人間に従わせ、自然を人間に役立てる、つまりは自然を収奪することを目的

 kota | 2012.01.12 0:38

コメントありがとうございます!
>こうして歴史的におさえていくことで、そのおかしさに気づいていけますね!
今回山本義隆さんの著作を読んでほんとにそうだと実感しました。
フクシマ原発事故を受け、世の中・・・特にネット界では脱原発世論が盛り上がってますが、なぜ事故が起こったかのか?なぜ制御できないのか?なぜこれほどまでの惨状を前にしても原発推進をやめられない人達が存在するのか?・・・こうした疑問に答えを出すためには、歴史を遡った分析を元に本質問題を解明するしかないと思います。
その意味で、こうした歴史分析をもっとネットに発信していきたいですね。

 kota | 2012.01.12 0:53

だいちさん、コメントありがとうございます!
>しかしそれがひとたび技術と交わり、科学技術が生まれると、それは自然を征服し、従わせ、収奪する道具となったということでしょうか。
2段階あると思います。
一つは、科学≒学問先行となったことにより、職人や技術者の経験的判断や本能共認に照らしての直感的判断による抑制が効かなくなってしまったこと。
もう一つは、その学問の中身そのものが市場拡大⇒自然支配に基づく架空観念になってしまったこと。
とすれば、本当に人間の役に立つ、自然の摂理の則を超えない「科学技術」とは何か?が今後のテーマになると思いました。

 kota | 2012.01.12 1:04

kayaさん、コメントありがとうございます!
>科学者も誰もが自分の私権のことしか考えないから、金貸しの都合の良いように利用されるものに成り下がってしまったように感じられました。
もう一つ異常性を感じたのは、例えばあのニュートンら歴史に名を残す科学者達も、科学技術を追求した理由が、神の存在や、その全能性を証明するところにあったという点です。
つまり、キリスト教という倒錯観念に囚われているがために、自然という対象のありのままを直視し、同化することがはじめからできなかったという点です。
私権追求以前に完全に狂った倒錯回路に支配されているという点は、現代の科学者にも多かれ少なかれ引き継がれており、それゆえ誰が見てもありえない技術である原爆や原発を推進するに至ったいるのではないかと思いました。

 kota | 2012.01.12 1:13

hikaruさん、コメントありがとうございます!
>17~18世紀の科学技術思想には大変驚きました。
例えば半減期2.4億年、無害化までに50億年かかるとされるプルトニウムをどうするか?を考えた時、中世~近代ヨーロッパで起こった科学技術革命と逆の変革・・・つまり、架空観念ではなく事実認識に導かれた科学技術に転換することができれば、これまで未着手の=市場拡大や金儲けのために切り捨てられた分野の研究が進み、放射性物質無害化技術が見出されるかもしれませんね。そこに賭けましょう!

Comment



Comment


*