『次代を担う、エネルギー・資源』状況編8 資源(コモンメタル・レアメタル)の自給の可能性② ~資源開発~
みなさん、こんにちは~
前々回の記事では「金属資源の状況」、
前回の記事では「国内自給の可能性」を探索してきました
前々回わかったのは、日本は鉱物資源の世界有数の消費国である一方、そのほとんどを輸入に頼っていること
そして、この状況を脱却するべく、前回・今回と国内での自給の可能性 を追求中です
国内自給の可能性を探る上で、軸は大きく2つあります
使用量を減らす
新しい資源を探す
は大前提として「余計なものは作らない」、そして「長持ちさせる」ことができたら、それが1番!
実際、みんなの意識も「もったいない 」など、使用量の削減へむかっていますね
もう一方で、本当に必要な量の資源をどうやって自国で調達するか という課題があります。
前回の投稿では、 の中でも「リサイクル⇒都市鉱山の可能性」では、法・制度さえ変えていければ、かなりの分量を賄えるのではないかという結論になりました
今回は、資源開発に絞って、どんなものがあるのか を調べてみました
(上の図を参照しながら読んでいただけると、わかりやすいと思います 😉 )
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(いつもありがとうございます )
■資源開発の可能性
1.地上の可能性
まずひとつ目の可能性は、日本は『火山立国』であることです
なぜかというと、金属は火山噴火から出たマグマが冷えた鉱石の中に眠っているからです
★鉱石とはどのようにできるのか?
石には、火山から出たマグマが冷えてできる火成岩と長い年月をかけて堆積し圧力によってできる化石などの堆積岩などがあります。火山の多い日本は火成岩の宝庫です
マグマの近くにある熱水が断層などの亀裂に入り、冷やされて含まれる成分が個体になり形成される鉱脈を熱水鉱脈と言います。マグマ付近の熱水ですから金・銀・銅・水晶や各種の希少金属など、貴重な鉱物を含んでいます。(=温泉 )
この熱水鉱脈が採掘ができるくらい大規模になると熱水鉱床と呼ばれます。(リンク)
★どこにあるのか?
既存の鉱山の活用などもありますが、これまで活用されてきていないものに、下に示す東北地方に広がる黒鉱(くろこう)ベルトがあります。(黒鉱は火成岩の一種です。)
(上の図:リンク、下の図:リンクよりお借りしました。)
黒鉱は、下図に示すように、各種金属の複雑硫化鉱で、レアメタルでも「バリウム」や「アンチモン」、「ビスマス」などを含んでいます。これらを浸出法(リーチング)で取り出せば有効な資源になります。
(リンクよりお借りしました。)
★どのくらいあるのか?
硫化鉱と諸金属からの分離に手間がかかるために、従来はコスト的に引き合わなかったため採掘は行なわれていなかった。これも、21世紀から始まったレアメタルの価格高騰が続けば、今後の開発も現実味を帯びてくる。(リンク)
ということで、あるにはあるが、まだ開発は進んでいない状況で、実際の埋蔵量は未知の領域であると考えられます 🙄
しかし、直接的な採掘でない方法では、可能性があるかもしれません
(これは、都市鉱山リサイクルや後述の水から採る金属資源とも関わってきますが・・)
長野県・諏訪湖の湖畔には、白い建物と卵形のタンクがずらりと並ぶ。諏訪市と周辺5市町村に住む18万8千人の生活排水を処理する豊田終末処理場だ。
「この煙突にこびり付く灰に、金が大量に含まれているんです」。施設内は曲がりくねったパイプで埋め尽くされ、さながら工場。長野県諏訪建設事務所の小松英雄さん(40)が指さしたのは、汚泥を焼却、さらに高温で溶かす際に出る灰を通す直径数十センチの配管だ。
灰には1トン当たり1890グラムの金が含まれ、特に灰を処理する配管にこびり付いた塊には1トン当たり6~22キロもの金が含まれる。長野県は2008年度、回収した金で4千万円もの売却益を手にした。
07年、有効利用ができないかと汚泥を分析した際、金が見つかったことが契機だった。「黒鉱ベルト」と呼ばれる貴金属を多く含む地層から金が下水道に溶け出したり、周辺に多い精密機械工場で基板などに使った金メッキの排水が流れ込んだとみられる。(リンク)
すごいのは、金の含有量の多さ です
一般の金鉱山に含まれる金は鉱石1トンあたりで5グラム程度ですが、諏訪の処理場の焼却灰には、6倍の約30グラムが含まれているのです
温泉地や鉱山付近の水は、もともと金属含有量が多いため、ここから金属を取り出すというのは、効率的ですね
2.海洋の可能性
また、もうひとつの可能性は、日本は四方を海に囲まれた『海洋国家』であることです。
世界の中では国土面積の狭い日本ですが、排他的経済水域はなんと世界第7位なのです
国土面積 : 約38万km2 世界第60位
排他的経済水域(含:接続水域) : 約405万km2 世界第 7位
★日本の排他的経済領域
(リンクよりお借りしました。)
★どこにあるのか?
大きくは、「海底」と「海水」それぞれに可能性あります。
①海底の可能性
(上の2つの図は、リンクよりお借りしました )
◆海底熱水鉱床
海底熱水鉱床は、海底のうち海嶺などマグマ活動のある場所に海水が染み込み、熱せられた海水によってマグマや地殻に含まれていた有用な元素が抽出され、この熱水が海底に噴出して冷却される事によって沈殿して生成する鉱床である。(リンク)
◆マンガンノジュール
世界各地の深海底で見られるマンガンノジュールは、マンガン団塊とも呼ばれ、火山岩片やサメの歯などを芯として、そのまわりにマンガンや鉄の酸化物を主とする層が取り巻いて、長い時間をかけて成長してできたものです。マンガンノジュールには、ニッケルやコバルト、銅などの酸化物を1-3%含んでいます。そのうちニッケル・コバルトはレアメタルとして重要ですが、陸上では産地が限られていて、貴重な資源です。(リンク)
◆コバルトリッチクラフト
深海底に存在する鉱物資源のひとつで、マンガン団塊の一種。コバルトを特に多く含むものをいう。皮殻状に海底を覆い、鉄やマンガンを主成分とする。外見や組成はマンガン団塊に類似するが、コバルトを特徴的に含む(時には1%以上)こと、海山の斜面や頂上などの岩盤の露出する場所に形成されることが特徴です。(リンク)
(※上記3つの図は、リンクからお借りしました )
★どのくらいあるのか?
具体的な数値では、以下のように見積もられています
(日本プロジェクト産業協議会、海洋資源事業化研究会)
採掘技術は当面の課題ですが、
銅やニッケル・プラチナはある程度、銀や鉛や亜鉛・マンガン・コバルトは相当の量があるようです。
開発状況
最も早くから気づかれ、調査が進んでいるのはマンガンノジュールですが、公海域に分布すること、海洋法条約による制約を受けるなどの問題があり、当面開発の見通しが立っていません。
最も開発に近いと考えられているのは海底熱水鉱床で、日本周辺は、鉱量・品位ともに第一級のポテンシャルを持つといわれています。しかし、更なる状況調査と熱水系生物の保護や採鉱、精錬法等の技術開発が課題です。
次いでコバルトリッチ・クラフトですが、これはコバルトなどのレアメタルを多く含んでいること、堆積物が少なく環境問題が少ないと考えられているものの、状況調査、採鉱、精錬法の技術開発は海底熱水鉱床よりも必要です。(リンク)
いずれにしろ、今後、まだまだ調査・技術開発が必要です。
(日本の自給という意味では、どれだけ他国に先がけて着手できるかが鍵になりそう )
②海水の可能性
水には、様々な種類の金属がとけ込んでいる。これらを回収する技術はほぼ確立し、今後はいかに低コストで効率よく回収できるかが課題になってきた。実用化できるかどうかで、資源小国日本のエネルギー戦略にも影響しそうだ。(リンク)
★回収の事例
~その①:リチウム~
ガラス瓶に入った黒く丸い粒。直径は2~3ミリ。マンガン系の吸着剤だ。
もともとは粉末状だが、大きな粒にして海水がスムーズに流れるように工夫した。回収手順は、まず海水に吸着剤を接触させてリチウムイオンを集める。次に吸着剤に酸を加えて、とれた液を煮詰める。ここに炭酸ナトリウムを加えると、炭酸リチウムの白い結晶が沈殿する。
資源回収の成否は、吸着剤の性能によって大きく左右される。
海水からのリチウム回収の研究が日本で本格化したのは80年代。当初は、吸着剤1グラムあたり7ミリグラム程度しかリチウムを回収できなかったという。その後、結晶構造の異なる様々なマンガン系素材を試し、焼成するときの温度条件を工夫するなどした結果、現在は1グラムあたり15~40ミリグラムに向上した。(リンク)
~その②:天然資源の水前寺海苔でレアメタルを回収~
福岡県朝倉市の小石原川ダム建設で絶滅が危ぶまれる黄金(こがね)川固有のラン藻類スイゼンジノリから抽出される成分「サクラン」は、全国の研究者や企業が注目する新物質だ。
水の分子量の約90万倍で自然界で最大となる1600万の分子量を持つ多糖類。インジウムなどの特定のレアメタル(希少金属)やレアアース(希土類元素)を吸着し、ゼリー状に固まる性質がある。(リンク)
★どのくらいあるのか?
(リンクからお借りしました。)
⇒水1リットルあたり、Mgは1.28g入っていることになります。
地球の面積の約70%は海であり、地球上の水の97%、およそ13億5,000万km3が海水です。
そう考えると、無限の資源が海にはあるように感じます。(リンク)
また、海に限らず水からの回収という意味では、黒鉱で扱った鉱山近郊の水から回収すればより効率も高めていけると思います
■まとめ
これからのエネルギーの考え方
>近代以降の人類は、高密度の地下資源エネルギー(石油・石炭)を短時間で掘り起こして大量に使い、低密度化したエネルギー・資源を廃棄物として地表にまき散らかし、地球の環境を汚染してきた。
>自然の摂理に則った次代のエネルギー・資源とは、
大量にある低密度エネルギー・資源を回収し、高密度化して使用することが必要条件である。
>【低密度エネルギー・資源⇒高密度エネルギー・資源化⇒利用した後の低密度エネルギー・資源を宇宙に返すもしくは再回収】(リンク)
これ に今回の「金属」を照らし合わせて考えてみると、
「地上」「海底」の資源(鉱石からの採掘)は高密度であることに対し、「海水」は低密度で、循環型に変えていける可能性が高いです。
また、「地上」「海底」は採掘するのにもたくさんのエネルギーが必要となりますが、「海水」は植物など自然の力を借りる等すれば、採り出すまでの過程でもエネルギー消費が少なくて済みます。
よって、今回は「地上」「海底」「海水」と3方向で調べてみましたが、最も可能性があるのは「海水」ではないかと考えます。
しかし、大きなこれからの方向性として、市場拡大によって起きたエネルギー問題は、冒頭にも触れたように、『いかに無駄遣いをなくすか?』『使用量を減らせるか?』が主軸です。( 使用量とは、本来、廃棄可能な量です )
そして、次に「製品の耐久化」、「レンタル・リース制」(リンク)を実現していくことができれば、資源開発も大して必要なくなる可能性も十分考えらます
最後まで読んで下さり、ありがとうございました♪
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コメント3件
coro | 2011.04.02 20:51
ジャギ様コメントありがとうございます☆
>40年前に、無限環に放射線同位体を殖やす悪魔のサーキットを選択し、数千年単位で高度なモチベーション持続して管理する眩暈のするよな現実と啓示を全国民が理解しなくてはならないでしょう。
今までのように「原発は嫌だけど、生活していくにはしょうがないんだよね…」に戻りたくないですもんね。当ブログでも引き続き発信していきますので、よろしくお願いします♪;+’
atorydidatopy | 2013.08.31 4:58
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ジャギ様 | 2011.04.02 10:24
チェルノブイリ原発の石棺には、3900人の職員が常住して一部電力も賄っているでしょうが、地獄の釜の管理をしています。
原子力がジュール熱を発生することは否定しませんが、利用可能な二次エネルギーを生産する産業なのか
浪費する産業なのかを真剣に議論する必要があります。
東電と原子力委については事態が収束したら本格的にシメるとして。
40年前に、無限環に放射線同位体を殖やす悪魔のサーキットを選択し、数千年単位で高度なモチベーション持続して管理する眩暈のするよな現実と啓示を全国民が理解しなくてはならないでしょう。
いずれ安全確実な航宙間飛行技術が確立され、地球生命圏から放射線廃棄物を隔離できる日まで。