2010-02-06

『次代を担う、エネルギー・資源』状況編2~運輸部門のエネルギー消費はどうなるのか?~

 前回、『次代を担う、エネルギー・資源』2~世界と日本のエネルギー消費の現状~では、世界と日本のエネルギー消費の現状を抑えてみました。これから数回で、日本におけるエネルギー消費の伸びを部門毎に確認してみた
いと思います。
<エネルギー消費における分類>
 A:「産業部門」=「A-1:製造業」+「A-2:非製造業(農業他)」
 B:「運輸部門」=「B-1:貨物(陸運や海運、航空貨物等)」+「B-2:旅客(乗用車やバス等)」
 C:「民生部門」=「C-1:業務(オフィス、店舗、学校、ホテル等)」+「C-2:家庭」


政府公報オンラインよりお借りしました
 これを見ると、2006年時点での消費量比率では産業部門が44.8%を占め、前回述べたように本来縮小すべきところが’73年~’06年の伸び率では1.0倍(横ばい)となっていることも注目されます。しかし、同時にこの30~40年において大きく伸びている運輸部門2.1倍、民生部門2.5倍ものエネルギー消費量の中味が気になります。なお、これは同時期におけるGDP増加率2.3倍ともほぼ相関しています。
 今回は、運輸部門の中味と今後の予測について考えてみたいと思います。
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1.運輸部門全体のエネルギー消費

「運輸部門は、乗用車やバス等の旅客部門と、陸運や海運、航空貨物等の貨物部門に大別されます。運輸部門は、エネルギー消費全体の23.7%(2005年 度)を占めており、このうち、旅客部門のエネルギー消費量が運輸部門全体の約6割、貨物部門が約4割を占めています(第212-3-1)。」

資源エネルギー庁 エネルギー白書 2009年版よりお借りしました
 旅客、貨物のそれぞれの主要因を見てみます。
2.「B-1:貨物部門」のエネルギー消費

資源エネルギー庁 エネルギー白書 2009年版よりお借りしました
 貨物部門においては、営業用トラックの比重が急激に高まってきています。そして、このトラックによる輸送は非常にエネルギー効率が悪いことも消費量増大の要因となっています。反面、鉄道のように省エネルギーの輸送手段は’70年以降、どんどん縮小し、今や0.2%の比率しかありません。
 この背景にはコンビニやスーパー、家電、ホームセンター等の量販店舗数の増大があります。それによる物流量の増加、さらに多頻度かつ多品種化による物流効率の悪化が引き起こされます。
 それ以外では、宅急便(’76年にヤマト運輸がサービス開始)サービスの急速な広がりによって各家庭への小口配送も急増しています。
 それらの結果として、貨物部門のエネルギー消費は増加してきたのです。ただ、それも‘96年をピークに年々下がってきています(年平均▼1.5%で減少)。
3.「B-2:旅客部門」のエネルギー消費
 しかし、’73年~’06年比較で貨物部門の1.6倍に対して、旅客部門は同期比で2.5倍と急増しています。では、その中味を見てみましょう。

資源エネルギー庁 エネルギー白書 2006年版よりお借りしました
要は、自家用車の急増がエネルギー消費増大の最大要因だということですね。
 プリウスなどのハイブリッドカーや軽自動車など燃費の良い車が増えたとしても、それ以上に「保有台数の増加=世帯数の増加×1世帯当たり保有台数の増加」の影響の方が大きく、結局、車が増えればその分、エネルギー消費は増加していくことは避けられません。
4.将来の運輸部門エネルギー予測
 今まで見てきましたように運輸部門は全エネルギー消費量の23.5%を占め、そのうち約4割が貨物、約6割が旅客となっています。
 しかし、貨物輸送は景気と連動して増減するもので、すでに’96年以降は年平均▼1.5%で減少し続けています。今後は、’08年はGDPが▼3.7%もの減少となっていることを考えれば、今後は、最低でも▼1.5%、あるいはその倍くらいのスピードで減少していくことが予想されるのではないでしょうか。
 また、旅客における自家用車によるエネルギー消費もピークとなった’01年からは年平均▼1.2%で減少し続けています。
 さらには’09年の新車販売台数も6年連続で減少し、とうとう1971年以来38年ぶりに300万台を割り込んでいます。今後は、環境への配慮(エコカーといっても乗らない方がはるかに環境対策となる)、価値観の変化(所有から利用へ→カーシェアリング等の出現)、市場縮小→所得減少による家計節約(廃車も増えている)、今後も起きうる原油高(背景はエネルギー資源枯渇)、等を考えても、貨物同様に今まで以上のスピードで減少していく可能性は高いと思われます。

<参考>
 日本自動車販売協会連合会(自販連)が5日発表した2009年の国内新車販売台数(軽自動車除く=登録車)は前年比9.1%減の292万1085台と6年連続で前年実績を下回り、1971年以来38年ぶりに300万台を割り込んだ。ピークだった90年(597万5089台)の半分にも満たない水準で、「08年秋のリーマン・ショックが国内自動車需要に及ぼした悪影響の大きさを示した」(伏見剛理事)形だ。
 また、全国軽自動車協会連合会によると、軽自動車販売台数も9.7%減の168万8170台と3年連続でマイナスを記録。合計では9.3%減の460万9255台と31年ぶりの500万台割れとなった。
時事.comさまよりお借りしました

 
 上記を踏まえ、今後の運輸部門のエネルギー予測をグラフ化してみました。
 貨物=’08年以降は年平均▼1.5%で減少→’30年にはピーク時の6割に
 旅客=’08年以降は年平均▼1.2%で減少→’30年にはピーク時の7割に

 これは、ピーク時以降の平均減少率での予測ですので、これ以上のスピードで市場縮小、および価値観の変化がすすむことも十分予測されます。よって、ピーク時の6~7割に達するのにこの半分くらいの時間となるかもしれません。
 将来的には需要減と合わせて、さらなる省エネルギー技術の開発も予測されますので、現在の約6~7割のエネルギー消費ですむのではないかと予測されます。
 次回は、引き続き、C:「民生部門」=「C-1:業務(オフィス、店舗、学校、ホテル等)」+「C-2:家庭」について現状分析と予測を行ってみたいと思います。
 読んでいただいて、ありがとうございました。

List    投稿者 systema | 2010-02-06 | Posted in E01.状況編3 Comments » 

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コメント3件

 匿名 | 2011.01.12 21:11

玄関入ってすぐの土間にあるお風呂って、かなりびっくり~!!
でも、昔の日本にとっては、裸であることって不自然なことではなかったんでしょうね。
肉体も、心もみんなが“ありのまま”で、そこに挑発や独占といった意識はなかったんでしょうね☆
人々の心の動きや暮らしぶりも、変な力が入っておらず、すべてがあるがままの自然の摂理に則っていたんだなぁと思いました^^

 みわつん | 2011.01.13 16:17

コメントありがとうございます☆
>肉体も、心もみんなが“ありのまま”で、そこに挑発や独占といった意識はなかった
そうなんです!言葉化してくださってありがとうございます♪
今、「もったいない」という意識が再度意識されだしていますが、市場が過剰になりすぎたここ3,40年を除いて、人々はありのままでいたのが事実で、まっとうな姿なんだろうなぁ。と、改めてかんじました。
まだ、続きがありますので、楽しみにしていてくださいね!

 寄生虫の嫁 | 2011.01.13 21:58

そうそう、農村ではこうでしたね。そして地位の低い嫁は、家族が全員入ったあとの汚れた仕舞湯に入らされ、そんな湯のついた母親の乳房から母乳を飲んだ赤ん坊に回虫が感染するという、あるがままの自然の摂理に従った状態でしたよ。そんな時代に返るのが素晴らしいと思っている人がいるとは、ブログって何でも言いたい放題ですね。いやはやおどろきました。

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