江戸のリサイクルから何を学ぶか?
江戸時代が循環型社会のモデルとして注目されれているのはご存知でしょうか?
自然の循環と社会の循環が,資源と廃物によってしっかりと循環し、
廃棄物問題はほとんどなかったようです。
【江戸時代以後の豊かな循環社会】 「地球環境問題を考える」より図引用してます)
しかし、それまでは、水田が到るところで開発され、周辺の山から草が肥料として使用され、
さらに戦国の戦乱によって、日本の山は深山を除き栄養を失い殆どがはげ山の状態だった。
なんと、世界最大都市となった江戸は、滅亡しようとしていた!
以下、るいネット「なぜ、江戸時代の日本は滅亡しなかったのか?」(阪本さん)より引用
>人工の急拡大によって木材が大量に消費され、
山から木が消えると、土壌流出が起こり、肥沃な土が流れてしまう。
>その結果、森林から有機物の供給を受けていた下流の田畑では土が貧しくなり、
収穫量の減少、飢饉が多発するようになった。
>かくして、日本の4分の1の森林は失われ、江戸時代の日本社会は、
他の滅亡した文明と同様に、近いうちに崩壊してもおかしくない状況にあったのである。
ところが、この荒れ果てたはげ山が森林に戻っていきます。
どんな大転換が行なわれていたのか?知りたいっと思った方は、ポチっとお願いします。 🙂
当時の為政者は、鎖国政策と相まって、日本の安定秩序を維持する為に、
森林を管理するなど長期的な視点で、森林などの管理体制を敷いた。
さらに、庶民の協力を仰ぐと共に、庶民の間でも、自分たちの生活の安定を保つ為に、
自発的に知恵を出し合った。
このようにして、循環型の社会が築かれていった、と思われます。
これら江戸時代の循環型社会については、石川英輔(武蔵野美術大学講師)リンク著の
「大江戸リサイクル事情」には、さまざまなリサイクルシステムが紹介されています。
石川氏は、江戸時代の社会を支えたのは太陽エネルギーであり、
太陽が育てる植物を徹底的に利用し、物を生産し、それを循環させるシステムを築いた。
江戸時代はその意味で「植物国家」であった。
と述べています。
その一つとして
■米のリサイクルシステム
【下肥を運ぶ農民】 【大根を持って、現物交換で下肥を集める農民】
米は、江戸時代に日本で取引されているすべての品物(総生産)の36~38%を占めていました。食糧として人間のお腹に入り、体内にエネルギーとして吸収された後は排泄され、この排泄物が江戸時代のもっとも重要な肥料でした。特別な設備もエネルギーも不要、ただ集めるだけでチッソやリンを豊富に含んだ有機肥料を入手できた。
江戸の町の住人は下肥の生産者であり、農家の人は下肥の消費者、そして農家の人は野菜など農作物の生産者となり、町の人はその消費者となる、このようなリサイクルシステムが、江戸では自然に成立していたのです。さらに、ワラも堆肥や日用品、燃料として徹底利用されていた。
■江戸の回収専門業者
灰買いをはじめ、さまざまなリサイクルを支える人たちがいた
【灰買い】 【古着の回収】 【傘の古骨買い】
これら江戸時代のリサイクルから学ぶことは、
現代の工業技術は
非常に合理性は高く、効率的で、短期的には効果がはっきりしているのに対し、
江戸時代に行なわれていた伝統的なリサイクル方法は、
自然条件などの影響を受け易く、個人の上手下手によって左右されやすく、
競合すれば簡単に工業技術に負けてしまう。
ところが、良く考えてみると、工業技術のうち大半は、せいぜい1960年以降に日本に持ち込まれたものであり、その技術を今後何十年間使い続けると、今の地球温暖化問題や、人工物質の問題などを見ても分かるように、何かこのままではヤバい、のではないかという不安ばかりが増大しています。
さらに、それらの問題が、どういうメカニズムで問題が現れるかはまったく解らないばかりか、
知る方法さえ見つけ難いという別の課題も登場してきています。
伝統的な技術は確かに効率は悪く、目先的には欠点は多いが、長い歴史と経験の中で培われてきた技術は、良い面も悪い面も問題点が分かっていて使用できる。
現代のように、合理的で効率的な面だけを追求するのではなく、伝統的な生活様式からも少しづつ学び、長い眼で見て何が良いのか考えていくことが必要ではないかと思う。
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コメント10件
にほん民族解放戦線^o^ | 2007.01.10 2:53
地球温暖化の議論ってよわからん
どうも「地球温暖化」をめぐる話にはわけわからんのが多い。
最近では、こんなニュースが出た。
温暖化説反対派に巨額助成/米科学者らがエクソン批判(四国新…
雅無乱 | 2007.01.10 2:57
う~ん!ひじょーに勉強になりました。
ありがとうございます^^
日本一のみかん農家 | 2007.01.11 21:57
自然のことの研究がもっと進んでほしいです。
自然があって初めて生活も生きることも出来るのですから。
応援ポチ。
路上で世直し なんで屋 | 2007.01.23 23:52
「不都合な真実」地球温暖化の原因は?⇒単純な目標に置き換えるデメリット
ないとう@なんで屋です。今日は大学生から「何の為に、働くのですか?」と聞かれました(笑)最近、ニュースなどで、アル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」が話題…
I | 2007.01.30 6:17
これって、人体は複雑だから、ガンの原因はがん細胞であると特定できない。がんの治療は100%はなおらないので、原因はがん細胞であると特定できない。
治療メーカーや医者が儲かるのはよくない、または、儲けるために原因をがん細胞であると特定している。
原因を特定できないため、治療はしてはいけなく、さらにガンの研究を進めるのが大切であるといってるようなものだと思うんですが
雑草Z | 2007.01.30 20:53
地球温暖化の原因も癌の原因も、専門的で判断は難しいと思いますが、現在の二酸化炭素地球温暖化説とその対策は、Iさんの言うように癌で例えて言うなら・・・
発がん性のあるものは沢山あるけれど、その原因をタバコだけに押し付けて、しかしタバコの生産や喫煙を減らす政策は(1割削減程度の目標しか)とらず、タバコの排出権を売買したり、吸ってしまったあとのタバコにのみ利き目のある薬を開発している・・・ようなものです。・・これが今の政府の対策の現状です。
二酸化炭素は確かに赤外線を吸収するから、温室効果ガスに間違いありませんが、吸収する波長帯は限られています。それだけの対策に躍起になるのは愚かです。
地球が温暖化し続けるとして、その原因が人為的なものだとしても、もっと色々な要因の相乗作用です。
本気で対策を考えるなら、化石燃料使用の大幅削減など経済活動の縮小をしっかりやるべきでしょう。
TOMMY W. | 2007.05.12 14:50
質問なんですが、海に93とけこみがありますよね。その後、90放出しますよね、それって溶け込んだものと放出するものは同じ二酸化炭素という同じ性質の気体なんですか?
どこかのHPに”化石燃料の消費などによって排出された、二酸化炭素は大気中には海の60分の1しか吸収されない”とかいてあり、”なので、いくら二酸化炭素の排出を減らしてもいみがない”とありました。
しかし、上の図をみて、また二酸化炭素が排出されるのなら、海に溶け込む量を減らせば、放出する量も減るから、やっぱり二酸化炭素の排出を減らしたほうがいいのではと思い質問しました(もし、両方同じ二酸化炭素という物質なら)。
学生なので、よくわかりませんがよろしくお願いします。
地球環境 | 2008.03.28 20:39
Hondaさんのコメントで思い出しましたが、先進国人は、未開人の一万年分の資源を、百年で消費しているので、地球白書ではスロー・ライフを提案していることでした。これは大切で、先に述べるべきことです。(^^/
また、二酸化炭素の問題も、西澤潤一博士のグループでは、0.5%をこえると、眠気をもようしたり、ふらふらして、仕事ができなくなる事を明記してます。事実上の破滅の濃度です。(**;;;
排気ガスの指標にもなるので、温暖化ガスを減らす事は、概ね環境対策になります。メタンハイドレートの気化による、温暖化の加速と破滅も、後の状況としてとどめとなります。手遅れですが。_(*o*_
地下水 | 2008.10.21 20:48
森林、サンゴ礁、氷河、地下水、棚氷、生物種、漁獲量、一人当たりの耕地面積などが減少しています。
食料危機、石油枯渇、砂漠の拡大、海浜の大都市圏の水没なども、ほぼ回避不可能の様です。
このような世界を覚悟して、私達は生きてゆく事になるのでしょうね。(^^;;
Honda | 2007.01.09 15:52
まったく同感です。『地球温暖化問題の本質は先進国の過剰消費問題』だと思います。ここから、目をそらすために今の二酸化炭素による地球温暖化という共認がむりやり作られてきたのだと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=141869