2010-01-07
環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流』-2
『環境を考えるには構造認識が不可欠!』シリーズの、今までの流れのまとめの続きです。
第5回 環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流5:失われた40年』
失われた40年、なぜ市場縮小へと方針転換できなかったのか?それは、『市場拡大を絶対命題とする特権階級の利権維持およびその特権の維持と固く結びついた彼らのイデオロギー(「潮流5:失われた40年」より)』によって’70年以降も一貫して市場拡大=自我・私権拡大に資金を注入し続けてきたからです。
この世には、医療だけではなく、農業や介護や新資源・エネルギー開発、あるいは「なんでや露店」のような社会活動etc、市場には乗り難い(ペイしない)が、社会的に絶対必要な仕事(or活動)がいくらでもある。市場に資金を注入するなら、すでに飽和状態に達した物的生産ではなく、あるいは福祉と称して単なる消費者にバラ撒くのではなく、市場ではペイしないこれらの類的生産を刺激or支援する方向に資金を注入することもできた筈である。画像は資源エネルギー庁よりお借りしました
つまり、物的供給を促進するために市場拡大へと資金投入が進み、市場に乗り難いが社会的には必要なエネルギー開発には投資してこなかったのです。その結果、化石燃料と原子力のエネルギー供給量の増加≒自給率の低下を招き(何の政策も打ち出せず)、諸外国に対する依存度を高め、国際競争力を低下させていったのです。
環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流』-1
今回は『環境を考えるには構造認識が不可欠!』シリーズの、今までの流れのまとめからはじめます。
第1回 環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流1:共認原理と私権原理』
今まで、人類社会はどのように統合されてきたのだろうか?
人類500万年を貫く統合原理は、共認原理である。事実、人類は500万年に亘って課題を共認し、役割を共認し、あるいは規範や評価を共認して存続してきた。そして、個体(の意識)や集団や社会は、人々が、それらの共認内容に強く収束することによって、統合されてきた。又、そこでは、集団を破壊する自我や性闘争は、永い間、封印されてきた。
このシリーズは、エネルギーや環境の問題を、“市場”を前提に、“環境”という抽象観念で捉えるため、原因が見えなくなってきているのではないか?という問題提起から出発しました。そして、そこを超えるには、市場の構造も踏まえた環境問題の根本原因の分析が必要になってきます。そうすることで初めて、実現方針を構築できるようになる、というものでした。
そしてこの問題を考えるための、切り口として『共認原理と私権原理』という人類が経験してきた2つの統合様式を取り上げています。なぜならば、環境破壊の最深部には、共認原理が私権原理に侵食されたという事実あるからです。この侵食により、人類は、自然を共認対象から略奪対象へ転換して環境問題を起こしてしまいました。
だから、環境問題を解決するための、次代のエネルギー・資源のパラダイムは、自然や仲間を共認対象としてとらえる、人類500万年を貫く共認原理に委ねる必要があるのです。そこでの、追求対象は、単に自然科学的領域の問題にとどまらず、集団・社会の構造の大転換という問題も含まれてくるのです。
ところが、現在の環境問題は、自然科学的領域の問題に終始し、集団や社会構造は対象化していません。これは、環境問題の本質は市場での自由な私権獲得競争であるという事実を隠蔽するため、科学的装いによって、あたかもこれが環境問題のすべてであるかのように思わされているからです。
これが、みんなが感じる現在マスコミから流される環境問題への違和感の原因だと思います。
環境を考えるには構造認識が不可欠!「潮流8:自民党は、なぜ見限られたか?」~滋賀県知事を生み出した当事者意識の顕在化・共認原理社会の幕開け~
新政権が発足して初めての新年を迎えました。これから日本の政治、すなわち社会を取巻く環境はいったいどのようになっていくのでしょうか? それでは、シリーズ第8回目「自民党は、なぜ見限られたか?」をお送りします。
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潮流8では、失われた40年、95年の私権原理の崩壊、暴走する社会に続いて、
自民党敗北の構造と次代の可能性が示されています
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環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)』
私権原理が崩壊し、社会が統合軸を失うと、歯止めを失って社会は暴走してゆく。無差別殺人やモンスターペアレンツの登場もその一例であるが、最も恐ろしいのは、社会を統合する役割を担っている特権階級の暴走である。
今回は、暴走する社会の一局面について、武田邦彦氏の同名タイトルの本をもとにして、『環境ビジネスの暴走』を扱います。
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環境を考えるには構造認識が不可欠!「潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束」
「潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束」では、意識潮流の変遷が端的に展開されている。
時系列で簡単な年表にしてみよう。
(画像は「黄色のはちみつ」さんよりお借りしました)
1990年 バブル崩壊
1995年 金融機関相次ぎ破綻→私権の崩壊の予感→私権追求欠乏▼→私権圧力の急激な衰弱→私権的「否定」「自由」意識の空中分解→性の活力▼⇒充足志向⇒安定志向の顕在化
2003年 私権収束⇒私権統合の崩壊→(顕在意識の)収束不全⇒(潜在意識の)共認収束
他方、バブル崩壊に伴う経済危機は、人々の間に危機感発の安定欠乏を生起させ、目先の安定志向を強めさせる(注:この危機発の安定志向は、’70年以来の充足発の安定志向とは別物である)。そして、この危機発の安定志向は、「自由」が空中分解したことも相まって、目先の秩序収束の潮流を生み出してゆく。タバコ、セクハラ、食品叩きと続く魔女狩り=マナーファシズムは、この秩序収束の潮流に乗った法曹官僚とマスコミの仕掛けである。
しかも、この目先収束は、秩序収束の段階に留まらず、更に目先の制度収束へと突き進んでゆく。
豊かさの実現以来の充足志向→実現志向の大潮流は、’95年、私権意識の衰弱が顕在化したことによって、一段と強くなっていったが、同時に、危機発の目先の秩序収束の潮流が生起したことによって、実現志向と秩序収束の合流点に目先の制度収束の潮流を生み出していった。既存の制度の枠組みの中での、授業や試験や資格への収束が、それである。
上記の潮流分析から環境問題を眺めてみると、新たな事実がわかってくる。
環境問題とどう関連してくるのかを見てみよう。
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環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流5:失われた40年』
潮流シリーズの5回目、今回は『潮流5:失われた40年』について考えてみたいと思います。
『フリー素材屋』より |
この国債発行→バブル経済、そしてその後のバブル崩壊から経済危機に至る流れの全ては、市場拡大を絶対命題とする特権階級の利権維持およびその特権の維持と固く結びついた彼らのイデオロギーが生み出したものである。
~・中略・~
本当は、’70年、豊かさが実現された時、「市場は拡大を停止するしかなくなった」のだという現実を直視し、素直に『ゼロ成長』戦略を打ち出していれば、現在見るような経済危機に陥ることもなく、また国際競争力を失うこともなかったのである。
問題は、国債投入なしには市場を維持できないという事実、つまり自由市場など絵空事であって、現実には、国家市場(国家によって支えられた市場)しか存在しないのだという事実から目を背らし、「自由競争・自由市場」という幻想を捨てようとしなかった点にある。要するに彼らは、事実に反する(彼らには都合のいい)イデオロギーに固執し続けてきたのである。
では、エネルギー開発・政策という点ではどうであったのでしょうか?
物的豊かさが実現した’70年以降も、相変わらずエネルギーを消費し続けたのでしょうか?
エネルギー消費・自給率の視点からみてみたいと思います。
以下に一次エネルギーの供給実績があったので引用します。
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環境を考えるには構造認識が不可欠!『潮流4:輸血経済(自由市場の終焉)』
あけましておめでとうございます
本年も当ブログをよろしくお願いします。
みなさんはもう初詣されましたか?
何をお願いされたでしょう?
「景気回復」とか?
写真はhttp://kawasaki.itot.jp/405さんからお借りしました。
世の中「不景気」の大合唱です。
でも、これからまた回復したりするんでしょうか?
ではシリーズ四つ目、「輸血経済」です。るいネットhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=213680
生存圧力が衰弱すると、私益追求の欠乏も力強さを失って徐々に衰弱してゆく。そして’70年、三種の神器が行き渡り、ほぼ豊かさが実現されると、物的充足が飽和限界に達したことによって需要が頭打ちとなり、市場は拡大を停止するしか無くなった。
需要の頭打ち(→市場縮小)に危機感を感じた財界、政界および学者、官僚、マスコミの者たち(以下、特権階級と呼ぶ)は、不足する需要を補うために、今日までに900兆もの資金を市場に流し込んできた。そして残されたのが、もはや返済不可能な国の借金である。
つまり、市場の拡大停止は必然であり、今までこの数十年、国の借金で市場に資金をつぎ込み、見せ掛けの成長をさせていただけなんですね。
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