私権原理が崩壊し、社会が統合軸を失うと、歯止めを失って社会は暴走してゆく。無差別殺人やモンスターペアレンツの登場もその一例であるが、最も恐ろしいのは、社会を統合する役割を担っている特権階級の暴走である。
今回は、暴走する社会の一局面について、武田邦彦氏の同名タイトルの本をもとにして、『環境ビジネスの暴走』を扱います。

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特権階級の観念絶対化と暴走構造
経済危機が生み出す危機感は、現体制の上位の者≒特権階級ほど切実であり、強い。従って、目先の制度収束は、上位≒特権階級主導で形成されたと見るべきだろう。
実際、授業や試験に収束しているのは、上位の子供たちである。何よりも、特権を維持するために自分たちに有利な制度を作って格差を拡大し、身分を固定させてきたのは、専ら特権階級の仕業である。
大多数の私権意識が薄れていく陰で、ひとり権力喪失の危機感を募らせた特権階級は、その飼い主たる金貸しや国際企業を含む自分たちの特権を維持するために、優遇税制をはじめ様々な特権制度を強化し、その結果ますます格差を拡大させ、身分を固定化させてきた。
2000年前後に、環境政策は、リサイクル法を広範囲制定していく。
2000年:循環型社会形成推進基本法
日本における循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律である。基本法が整備されたことにより、廃棄物・リサイクル政策の基盤の確立を目的とする。
1998年:特定家庭用機器再商品化法(通称家電リサイクル法)
家庭用電化製品のリサイクルを行い廃棄物を減らし、資源の有効利用を推進するための法律。
2000年完全実施:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(通称容器リサイクル法)
容器包装廃棄物の排出抑制、分別収集、リサイクル等に関する法律。
2000年:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(通称グリーン購入法)
国・自治体が購入する物品に対して、環境対応製品を義務づける法律。例えば、コピー用紙は100%再生紙(R100マーク)を奨励(義務づけ)している。
武田氏の『暴走する「偽」環境ビジネス』から、上記法律への批判です。
家電リサイクル法
旧来、修理再生できる家電類は、廃品回収業者がお金を払って回収していた。お金が払えるのは、修理再生して再利用(主に輸出)したり、家電製品から銅や貴金属を取り出しお金になるからだった。
家電リサイクル法では、消費者がお金を払って引き取ってもらう。破棄家電製品はすべて解体処理する法律である。
しかし、引き取り業者は、修理製品を輸出に回していた。
このような動きになることは、通産省・環境省、大手家電メーカーは事前に予測出来ていたが、リサイクルという観念を絶対化し、法律を強行した。
容器リサイクル法
スーパーからレジ袋が消えた。自治体は、専用のごみ袋を義務づける。
スーパーのレジ袋にごみを入れてごみ出しをするのが浪費であるとの理屈である。専用のごみ袋を有料で配布し、有料なら少しはごみが減るというわけである。
そして、スーパーはレジ袋を1枚5円と有料にした。
結果、スーパーのポリ袋にごみを詰め、それを専用のごみ袋に入れるという、ごみの二重梱包が出来上がるのである。
グリーン購入法(100%再生紙)について
紙は、古紙回収してリサイクルする歴史が長い。例えば、新聞用紙は大半が回収再生紙である。それでも、100%古紙ではない。
それを、コピー用紙については、100%古紙原料を義務づけた。
製紙業界は、国産木材(間伐材等)を利用して、70%程度の古紙利用が妥当とみていたが、通産省・環境省は、100%に固執した。
結果は、100%古紙原料ではないコピー用紙が偽造生産される結果となった。
白いコピー用紙を再生紙で製造するには、より上質の紙を再生原料にする必要がある。この上質な紙は、木材パルプから製造するのである。
コピー用紙の100%再生紙という部分観念の絶対化で、木材パルプから始まる「紙の生産・リサイクル」の仕組みが、大きく歪められている。
(なお、2009年2月、古紙利用率70%、1年後80%へと規制緩和した。)
特権階級(学者)の傲慢さと反対派弾圧
とりわけ、団塊世代以降の特権階級は、貧困を知らず、本当の私権圧力を知らない。従って、彼らは、肉体的欠乏に発する本当の目的意識を持ち合わせていない。彼らは、単に試験制度発の「合格」という無機的な目的意識を植え付けられてひたすら試験勉強に励み、「特権」を手に入れた連中である。しかも彼らの大半は、試験制度という与えられた枠組みの中でひたすら「合格」を目指してきたので、その前提を成す枠組みそのものを疑うという発想が極めて貧弱である。
従って、彼らは社会に出てからも、ひたすら既存の枠組みの中で走り続けることになるが、もはやそこでは、既存制度によって与えられた特権の維持と行使という目的以外の目的意識など生まれようがない。
かくして、団塊世代が幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級はひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。
それだけではない。危機に脅えた特権階級は、アメリカの力に拠り縋り(その結果、アメリカの言い成りになって)中立公正も何もない露骨な偏向・煽動報道によって小泉フィーバー、郵政選挙を演出し、更には検察とマスコミが一体となって、鈴木宗男、佐藤優、植草一秀、小沢秘書etcの政敵を失脚させてきた。
これは、麻薬中毒よりももっと恐ろしい、権力の自家中毒である。
潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走) [1]
<次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。>
事例をあげよう。学者の世界である。
地球温暖化、炭酸ガス犯人説にもとづき、炭酸ガス削減策を進めている学者のトップが小宮山宏元東大総長である。
小宮山氏は、温暖化懐疑論者である槌田敦氏を「学会から追放しろ」と言っているとも伝わっている。
学閥のトップである東大のもと、国費を使って反対派抹殺の書籍を出版した。それに対して、槌田敦氏らが名誉棄損の訴訟を起こした。
<東大IR3S『地球温暖化懐疑論批判』名誉毀損訴訟>である。
文部科学省科学技術振興調整費(戦略的研究拠点育成)プロジェクト”IR3S”サステイナビリティ学連携研究機構から、反・CO2地球温暖化懐疑論をテーマにした書籍、『地球温暖化懐疑論批判』が刊行された。
内容は、東北大学の明日香壽川の個人的レポート『温暖化問題懐疑論へのコメント』を下敷きに、多少手を加えた程度のものである。このIR3Sによる『地球温暖化懐疑論批判』という冊子の内容は、およそ科学の名に値しないものである。
CO2地球温暖化仮説に対して異議を唱える私を含めて12名の研究者らに対して、なんら科学的な理由を説明せぬまま、反論を封殺した上で謂れなき誹謗・中傷によって個人に対する卑劣な人格攻撃を行った。槌田氏は、IR3Sおよび東大に対して、名誉回復措置をとるように再三申し入れを行ったが、彼らはこれを無視し続けている。
IR3Sは、この冊子について「サステイナビリティ学連携研究機構に所属する研究者の研究成果を社会に還元するものであり、研究活動の一環として行っております。これに対し、槌田さんがどのように反論されるのは(ママ)ご自由ですが、我々の機構の研究成果として発表することは出来かねます。・・・」と述べている(甲8-2号証)。
しかし、そもそもこの冊子のたたき台となった明日香壽川らによるレポートの内容は、人為的CO2地球温暖化仮説に対して異議を申し立てる論者に対して、なんら合理的・論理的な説明のない誹謗・中傷を行い、それによって彼らが「懐疑論者」と呼ぶ研究者を貶め社会的に葬り去るという目的のために、都合の良い他者の研究成果を寄せ集めたものに過ぎない。その結果、人為的CO2地球温暖化仮説についての明日香壽川らによるオリジナルの『研究成果』などどこにも含まれてはいない。これは自然科学のレポートではなく、明日香らが「懐疑論者」と呼ぶ研究者を社会的に抹殺することだけを目的とした単なる謀略宣伝である。
さらに今回、文部科学省科学技術振興調整費(戦略的研究拠点育成)プロジェクト”IR3S”サステイナビリティ学連携研究機構という機関の社会的な影響力を最大限に利用し、国家戦略である人為的CO2地球温暖化仮説に異議を唱える研究者を葬り去ることのみを目的としてまとめられたのがこの冊子であることは明らかである。
このような、権力によって自然科学の論争における反対意見を封殺した上で、誹謗・中傷によって研究者の人格攻撃を行い、社会的に葬り去るという異常な事態を看過することは出来ない。そこで、12名を代表する形で、槌田敦氏は東大を被告とする名誉毀損訴訟を起こすことになった。
7.東大IR3S『地球温暖化懐疑論批判』名誉毀損訴訟 [2]
特権階級・学者の世界でも暴走がより激しくなっている。
改めて、我々は、私権時代の遺物である試験制度の恐ろしさを、もっと真剣に考える必要があるだろう。この目先の試験制度収束は、新たな学歴身分と格差の拡大を生み出し、特権階級を暴走させただけではなく、ネットという闇空間での誹謗中傷や無差別殺人etc下層階級をも暴走させてきたからである。
とりあえず、ペーパーテストの比重を半分以下に低減させるetcの応急措置が急がれる。又、ネットから闇住人を締め出す措置も急がれるだろう。
しかし、根本的には、私権原理に代わる新たな統合原理=共認原理が確立されない限り、社会の暴走は続くことになる。
潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走) [1]
政権交代が行われたが、こと環境政策では、小宮山宏氏(温暖化対策の学術顧問に就任)に代表される狂気の特権階級が居座っているのである。