2007-01-10

「ダイオキシンと他の内分泌撹乱物質って違うの?」

>ここ数十年、多くの人工物質が社会問題化してきました。
このうち『ダイオキシン』は問題が表面化して以来、規制は強化されています。
反対に、『内分泌撹乱化学物質』の方は、一時的には盛り上がりましたが、その後、規制は骨抜きになり、沈静化しています

ダイオキシンやPCBは色々と規制が強化されたことを聞きますが、他の人工物質については一時ほど規制についての話が聞こえてきませんね。どうなってるのかなぁ 🙁 ・・・・・と思っていたところに上記のHondaさんの投稿を見つけました。
そこでそもそも『ダイオキシン』『内分泌撹乱化学物質』の分類ってどうなん 🙄 ?って思いから調べてみました。
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イギリス環境局 ◆意見交換のための報告書◆ 環境に広がる内分泌撹乱物質何をなすべきか?   訳:安濃一樹・浦沢毅・別処珠樹    『技術と人間』 98年6月号に掲載。

によると、そもそも『内分泌撹乱物質』とは

96年12月、ウェイブリッジで開かれた 「ヒトの健康と野生生物に及ぼす内分泌撹乱物質の危険性に関する」 欧州ワークショップで合意を見た一般的な定義をあげよう。「内分泌撹乱物質とは、本来の(組織片ではない)生物または子孫の内分泌機能に悪影響を与えるため、健康にとって有害な外因性物質である」。
ある種の物質はレセプターと相互作用できるので、ホルモンの体内活動と合成を妨げ、内分泌系がコントロールしている生理作用を破壊する。破壊が生じる道筋は色々ある。物質が疑似ホルモンとして働き、レセプターと結びついて反応を引き起こすかもしれない(疑似ホルモン効果 agonistic)。あるいはレセプターと結びついて、天然ホルモンが正常に反応するのを妨害するかも知れない(抗ホルモン効果 antagonistic)。その他に考えられる効果としては、天然ホルモンやレセプターの生成過程をその物質が妨げる可能性、体内循環からホルモンやレセプターを取り除く過程を妨げる可能性があげられる。生体外の物質が複数のホルモン系と相互作用し、同時に複数の作用を引き起こす可能性も認められる。このように内分泌撹乱の機構は複雑である。
17β-エストラジオールなどエストロゲンと呼ばれる天然の女性ホルモンには、動物を雌性化する効果がある。物質の中にはこの効果を模倣したり妨害したりするものがある。この種の働きはそれぞれ 疑似エストロゲン作用 (estrogenic)、抗エストロゲン作用 (anti-estrogenic) と呼ばれることが多い。テストステロンなどアンドロゲンと呼ばれる天然の男性ホルモンには、動物を雄性化する効果がある。物質の中にはこの効果を模倣したり妨害したりするものもある。この種の働きはそれぞれ 疑似アンドロゲン作用 (androgenic)、抗アンドロゲン作用 (anti-androgenic) と呼ばれる。今までの研究は性ホルモン系の破壊に注目していたが、科学的な議論は近ごろ広がりをみせ、他の内分泌系、例えば成長と行動に関与する脳下垂体ホルモンや甲状腺ホルモンなどへの影響の可能性にも及んでいる。
(中略)
内分泌撹乱作用があると報告されている物質の種類は多様で、研究が増えるにつれて広がりつつある。内分泌撹乱の可能性がある物質の数は非常に大きなものになりうる。環境に広く散布され、時として長時間にわたり存在し続け、動植物の組織に蓄積される物質もある。今までに指摘されてきた物質の主要なカテゴリーを表1 にあげる。
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☆以上引用
とあり、『内分泌撹乱物質』の中には「ポリ塩化有機化合物」として『ダイオキシン』と『PCB』も含まれています。
同じ有害な『内分泌撹乱物質』でありながら、『ダイオキシン』『PCB』とその他の物質で規制の強化の度合いが大きくことなります。なんで・・・? 🙄
まさに

このように、『ダイオキシンの規制強化』も『内分泌撹乱化学物質の規制骨抜き』も、
『儲かるものが一番』という『市場原理』の、『表と裏』だったのです!

同じ有害な物質でありながら、片や企業や業界の言い逃れや圧力によって規制を回避させている構造、片や対策を講じるとして大きな利権を生む構造。
背景にある市場の構造を明らかにしていく必要がありそうですね。
                                       by taiti

List    投稿者 kaz-tana | 2007-01-10 | Posted in K01.ダイオキシン2 Comments » 

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コメント2件

 雑草Z | 2007.02.11 3:57

 大変ご苦労された素晴らしい論文だと思います。このような数値的な試算は、オーダーに気を使うし、大変ですよね・・・
 今の日本のエネルギー消費レベルを支える有効なエネルギーは石油だけという裏付けをとったような結論でしたが、(危険な原子力は以ての外です・・夢のエネルギーと言われる核融合発電も実はかなり危険なようですし・・・)磯貝氏のこの結論はそれはそれで非常に賛同致します。
 ただ、ちょっと違うのではないかと思ったのは、
 ひとつはエネルギーの消費量が50分の1の時代が、数十万年前と言うことです。数十万前と言えば、人類はほぼさるやゴリラと変わらない生活をしていた頃であると思われます(火を使っていたかどうかはわかりませんが・・・)、エネルギーはほとんど使っていません。だから、この試算は、人体の代謝のエネルギーも考慮しての事ではないでしょうか?つまり、代謝の分は外して、そこをゼロと考えて(自転車発電のエネルギーは、代謝+70Wということでしょうから・・)試算すれば、あながち無理な量ではないと思います。せいぜい数百年前のレベルではないでしょうか?
 それによく、日本などの先進国の人一人は、途上国(の先住民など)の人一人の100倍とかのエネルギーを消費する・・・と、言うではありませんか!
 次に、総量でみると、やはり見えなくなってしまうものがあります。
やはり、一人の人間、一つの家(家庭)で考えればいいと思います。つまり、70Wは、やはり、70Wでしかなく、電球1,2個分の仕事率なのです。これで発熱は無理です・・・。
 餅は餅屋ではありませんが、電気エネルギーは発熱に使っては勿体無いのです。発熱は、バイオマスまたはソーラーでしょう。(太陽光発電ではありません・・パラボラのフライパンとか・発熱だけの為の集光器材・・)
 そして、人力は発動力に威力を発揮いたします。つまり、移動の手段やぜんまいによる発動力。徒歩でも自転車でも、階段でも、・・・。
 例えば、自動車やエレベータが何故非効率であるかと言えば、エネルギー変換効率よりも何よりも、運ばれる人間などに対し、その何十、何百倍の重さの自動車なりエレベーターなりを一緒に運ぶわけですから、非常に非効率なわけです。これを人力でやれば、(代謝の分のエネルギーを引けば)何百分の一のエネルギー効率は達成出来ます。
 あとは、発電は、あくまで使うときにするべきで、発電したものを蓄電するのは非効率だと思います。例えば、パソコンの電源をぜんまい発電にすれば、電気がなくなってくれば、自転車を漕いでぜんまいを巻いて、また仕事を続ければパソコン使用による運動不足になりません(笑)
 大きい発電所の発電や発熱を人力で賄うという試算は、70Wと言う時点で上手くいく筈ありません。
 でもエネルギーの質を考えて、それぞれに最も有効なエネルギーを使えば何とかなるのです。
 今回の試算でがっかりしないで下さい。私は、この記事を読んで、人力の利用が、私が今まで考えていた通り、発熱には使えませんが、(発熱には、体温はかなり有効ですね・・これもれっきとした人力ですね。)移動のためには有効であることを確信致しました。色々な事が整理されました。面白い興味深い記事有難うございます。

 おだ  | 2007.02.19 12:28

 ダイエットしながら、エネルギー供給できれば、これほど、体的にも、精神的にも、女性にとって充足を味わえることは、ないかもしれないですよね。家計的にもとても役立ちます。絶望的な数字が並んでいましたが、移動手段としての自転車も見直すべきだと、感じました。体もやせて、地球も元気になるんだから、もっともっとのるべきですよね。

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