『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電15~原子力発電の推進体制を考える2・・・共認収束の潮流に逆行する原子力推進体制
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電7~原子力発電の推進体制を考える1・・・日本の原子力推進体制
具体的には、官僚機構・電力会社の自己増殖集団は、社会的に要請される理由を超えたところで、原子力開発そのものに価値があるという共認と、世論の圧力をうけず強力に事業推進できる体制を持ち合わせている、ということです。この結果、世論に対して強行に政策実現できる体制が、推進派と反対派の対立を作り出し、とその狭間で地域住民の存在基盤である共同体をことごとく破壊してきたというのが日本の原子力開発の大きな流れです。
トリウムを含めた原子力発電は、
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電11 ~地球の物質循環から切り離された廃棄物の増量→蓄積の危機~
の記事から、
☆☆☆技術的問題
地球の物質循環から切り離された廃棄物の増量→蓄積の危機という根本的な問題があること。
☆☆☆体制的問題
電気料金に含まれる電源開発促進税等により原子力推進組織は自己中心的な自己増殖を行ってきたこと。
のように、原子力発電の問題点は固定されてきました。
そこで今回は、そのような原子力発電所開発が、建設場所の地域社会にどのような影響を与えてきたのか?について意識潮流の変化とあわせて見ていきたいと思います。ここに注目する理由は、みんなが充足する新たなエネルギー開発推進体制の構築していくために、現状の具体的問題点を探るためです。
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『次代を担う、エネルギー・資源』バイオプラスチックの可能性8~実現のための政策ロードマップ
今まで見てきたように、石化原料から作るプラスチックをバイオマス原料に変えてゆくことは市場に任せておけません。バイオマスサイクルを完成させるための林業の再生も、使用済み木材の収集も国家の課題として取り組む必要があります。そのためにはどのような政策が必要なのか?
まず、ちょっと古いですが民主党マニフェストを参考に見てみましょう。一応、まだ政権を運営しているので。
写真はこちらからお借りしました。(やっぱり、この人では期待感が薄れちゃいましたねぇ)
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『マグネシウムエネルギーは次代のエネルギーになり得るか?第7回~薄い自然光をどうやって濃密な光にするか~
地球上のエネルギーの源である太陽エネルギーを利用することは、これからの新エネを考える上では必要不可欠です。これまで科学反応を起こす高温状態を作るには、大量の化石燃料を必要としていたが太陽エネルギーを原資に、マグネシウムをも還元させる2万度という高温を作り出す太陽光励起レーザーが、もし本当に実用化できるなら、化石燃料に代わって太陽をエネルギーとするこれからの社会像は可能性を帯びてきます。
その点で、太陽光励起レーザーの実現性は、マグネシウムの還元に関わらず大きなカギになってくると思うが、薄い拡散した低密度の太陽光を、どうやって高密度のエネルギーに変えているのかを今回調べてみました。
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!8『官僚制の突破口は、「半専任・半事業⇒参勤交代制」』
あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である。政治は政治であって倫理ではない。そうである以上、この事実は政治の実践者に対して特別な倫理的要求をつきつけずにはいない。では政治に身を投ずる者のそなうべき資格と覚悟とは何か。ヴェーバー(1864‐1920)のこの痛烈な問題提起は、時代をこえて今なおあまりに生々しく深刻である。(「BOOK」データベースより)
・・・100年の時を越えて、今同様の問題が蘇る。新しい政治形態はどのようにあればいいのだろうか・・・
『環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠』最終回です。
7回に渡り、官僚制の問題を扱ってきました。そして前回、近代市場社会成立の背後には欧州の都市全体に広がった無制限な自我・私権の追求を是とする人々の意識潮流があり、その成立背景には、自我・私権追求を正当化する近代思想があり、さらにその奥には彼ら近代思想家・芸術家たちを支えた金貸しの力があったことを解明しました。その結果
環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!7 『官僚は骨の髄まで金貸しの手先』
☆市場拡大=過剰消費を絶対化し拡大し続ければ、当然、不必要な生産と消費そしてゴミが果てしなく増大します。自然へ負荷が増大し、やがて環境破壊が始まる事になるのは自明の理です。しかし、金貸しの作り出した近代思想は、近代市場を正当化し、市場拡大・消費拡大を最優先する思想です。したがって、その近代思想に立脚した官僚や学者の思考は、決して本質的解決には向かいません。
このような状況になりました。また、シリーズ第一回では、
環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!1~『自集団の権益に固執する官僚制が、環境問題の障壁』
単一集団として自集団の利益を第一に考える官僚に、巨大な許認可権や補助金の分配権が与えられ、かつそれが特権的な職業として固定化されていること自体に問題の本質がある。官僚をはじめとする特権的利権を手に入れた組織の自己防衛志向、かつ既に獲得した権限をフル活用しての抵抗、これらが重なればエネルギー・資源や環境の問題への改革が遅々として進まないのも当然と言える。であれば、エネルギー・資源や環境問題の改革を進めるには、『既存の組織には可能性はない。自分たちで次代を担う「新しい社会統合機構」をつくる』ことこそが根本的解決への課題である。
という提起をしました。しかし『自分たちで次代を担う「新しい社会統合機構」をつくる』ことは人類史始まって以来のことであり、具体的なイメージがわき難いのも確かです。そこで今回は、エネルギー問題を中心に据えて、新しい社会統合機構はどのように考えていけばいいのか?をテーマにしてみたいと思います。
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!7 『官僚は骨の髄まで金貸しの手先』
これまで官僚制の欠陥とその問題構造を扱ってきました。シリーズ7回目の今回は、背後から彼らを操っている「金貸し」との関係にスポットを当てて行きます。
官僚は本シリーズの3回目で明らかにされたように、古代武力支配国家の登場と共に、その武力支配を支える基盤である強大な軍隊を維持する必要から、各地方の税金を徴収する徴税官として登場しました。国家の統合を担う役割として生まれた官僚。その官僚が、近代市場の中で金貸しの手先となり、国家の存亡を危うくするまでに至ったのは何故なのでしょうか?
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!6『官僚の暴走と無能化』
このシリーズも6まで来ました。
今回は、益々酷くなる『官僚の暴走と無能化』
について考えて行きます。
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!5『特権階級の自家中毒』
☆官僚機構・電力会社を中心とした、強固な意思決定集団の自己増殖
日本の原子力開発推進体制は、官僚機構・電力会社を中心とした、政府からおおむね独立して意思決定を行える集団が、その制度を自ら強化し推進できる、自己増殖体制を確立したからです。アメリカの軍産複合体と酷似した体制的特長をもち、サブガバメントモデルともいわれています。官僚の暴走という現代的問題に重なります。
具体的には、官僚機構・電力会社の自己増殖集団は、社会的に要請される理由を超えたところで、原子力開発そのものに価値があるという共認と、世論の圧力をうけず強力に事業推進できる体制を持ち合わせてる、ということです。
(中略)
このように、国家規模で政策決定していく必要のある事業の推進体制は、エネルギー開発に限らず、官僚を中心とする利益集団の権益実現に収束してしまうという大きな問題を孕みます。ここを組み替えない限り、まっとうなエネルギー開発は実現できないといっても過言ではありません。『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電7~原子力発電の推進体制を考える1・・・日本の原子力推進体制
シリーズ5回目では、特権階級が暴走してしまう原因構造を追求します。
その前に、環境問題における、官僚の暴走事例をいくつか見ていきたいと思います。環境問題といえば、資源の枯渇問題や新エネルギー開発技術の問題に目がいきがちです。しかし、原子力発電ひとつとっても、その官僚による運営体制が孕む問題性が『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電シリーズでも明らかにされてきました。
原子力発電推進事業の財源は私達が支払う電気料金に組み込まれた電源開発促進税であり、これが特別会計に組み込まれて官僚や天下り組織の資金源となっています。まず、この「特別会計」の問題性を見ていきたいと思います。
いつもありがとうございます。
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!4~『国益よりも省益、省益よりも私益』~
官僚集団は、『国益よりは省益』といわれます。つまり、国家全体の利益よりは、各々の省庁の利益を優先するのです。具体的には、その省庁の予算をどれだけ確保するかに血道をあげます。
さらには、官僚個人の利益が優先され、政策は二の次です。
NEDOの入居するミューザ川崎セントラルタワー
今回は、新エネルギー関係の政策で存在感のあるNEDOを例に取り上げて、官僚集団の構造をみてみます。
国益よりは省益、省益よりは私益(特別会計による省益の拡大)
無駄事業の量産(公共事業と天下り構造・官僚個人の私益の追求)
特定の専門家集団の暴走(官僚機構の際限のない肥大化)
国益ではなく、省益を実体化させるのが、特別会計という二つ目の予算です。
そして、特別会計を軸にして、際限もなく外郭団体(天下り先)が作られていきます。
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!3『官僚制の起源~官僚制の弊害』
事業仕分風景 こちらよりお借りしました |
’09年は脱官僚、政権交替、事業仕分けと大衆の特権階級への疑念が顕在化してきた1年でもあったが、他方で、既得権益を死守せんとする、特権階級の暴走、そしてその無能ぶりが明らかになった年でもあった。
’09年は、まさに既得権益を死守しようとする特権階級である官僚の問題が浮き彫りになってきた年でもありました。それは、前投稿にもあったように「国家を牛耳っているのは政治家ではなく官僚である」ことを示しましていました。
国家とは税を集め、その巨大集団を統合するためにお金を使う存在です。
昔は王とそれに仕える臣たちがその執行を決め、今は民衆に選ばれた政治家が決める・・・はずですが、日本ではそうなっていない。
昔も今も官僚達が実質国家を牛耳っている。
民主党の「仕分け」だって、お膳立ては財務省。あれば財務省と他省の対決だったのです。彼らが本当に国家の事を考える無私の優秀な存在ならばそれでも良いのですが、どうもそうでは無い。
結局、狭い自集団の利益のことしか考えることが出来ない存在なのです。
官僚とはいったい何者なのか?明日の記事で明らかにしてゆきます。
では、その特権階級の一翼である官僚・官僚制はどのように誕生してきたのでしょうか?
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環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!2『日本の政治を動かしているのは政治家ではなく官僚』
環境問題を考える時、「エコ」とか「もったいない」だけを考えて何とかなる時代ではありません。
江戸時代なら、自分の属する村落共同体のレベルで考えても、環境に関しては問題にならなかったでしょう。(その意味で、過去には日本人の潜在思念は自然の摂理に対して真っ当な判断ができていたと言えますね。)
しかし、近代以降はもっと大きく観念で環境も考える必要があります。環境に対して暴力的に巨大になった市場は、国家統合レベル以上で制御する必要があります。
そこで、頼りになるのは国家統合機構であるはずなのですが、そうならず、壁にしかなっていないというのが今回の話です。
↑予算委員会です。ここの政治家センセイを動かしているのは官僚という話。
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