2011-04-03
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か20 原発推進への逆流をさせないために その2 首都圏住民の消費削減、脱原発が焦点
前回、福島県民は、中央政府、東京電力、首都圏からの原発再開の要請を断固拒否していくだろうとみてみました。
今回は、この事態に対し、首都圏はどう反応するのかをみていきます。
夏場の停電と電力使用制限を強制され、中期的には電力料金の大幅値上げに見舞われる東京電力区域、首都圏がどのような事態に入っていくかを大胆な予測を含めて扱みていきます。
まずは、巨額な廃炉費用と損害賠償、追加電力を確保する為の火力発電所の復活投資と高騰する燃料費を、果たして民間企業である東京電力が賄えるのかどうかです。
この点は、既に結論が出ており、国の支援(国有化)しか対応策はなさそうです。
次は、上記の巨額費用が電力料金に跳ね返ってきますので、東京電力の電気料金は大幅値上が避けられません。制度ではそうしかなりません。どの程度の値上げになるのか、大胆に試算してみます。
そして、この大幅値上げに対して、首都圏の消費者はどう反応するのでしょうか。『値上げを甘受し、電力過剰使用を止めよう』とする動きと 自分達の負担を少なくするために、『政府の責任である。全国民が等しく負担すべきである』という主張に分かれていくように思います。
では、今回の論点です。
2.東京電力の倒産、国有化
3.東京電力料金の大幅値上は、過剰電力消費をかえるきっかけになるか
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東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か19 原発推進への逆流をさせないために その1 福島県の反乱
現在、民主党政権(菅直人)は、福島第一原発の1~6号炉の廃止方針と14基以上になる原発計画の白紙検討を明らかにしています。
福島第一原発の人災(原子力安全委員会、原子力安全・保安院及び東京電力による大地震・津波想定の無視)により、「原子力は安全でクリーンなエネルギー」、「原子力ルネッサンス=CO2を排出しない温暖化を防止する原子力発電」という神話(洗脳)が破綻し、原発の危険性が誰の目にも明らかになり、廃炉と新規計画の停止に追い込められました。
写真は、第1回の原子力ルネッサンス懇談会(2011.2.14東京)です。中央で挨拶しているのが、有馬朗人元東大総長、元文部大臣(地球を考える会座長)です。左端に座っているのが、東京電力会長の勝俣恒久氏です。
一方、夏場の電力ピーク時には、電力使用量が、東京電力の供給力を大幅に上回り、電力制限令(電力使用量の制限)を発動することが検討され出しました。
電力制限(計画停電と使用量の強制削減)は、東京電力区域の国民、企業、団体に多大な影響を及ぼし、「やっぱり電力は使い放題使いたい」、「電力制限されるぐらいなら原発の危険性に目をつむろう」という声が拡大してきます。
原子力安全・保安院のスポークスマンである西山審議官は、3月下旬段階で、WSJ(ウォールストリートジャーナル)のインタビューで、『原発に対する国民の声は厳しいが、電力を原発で供給するという現在のフレームが変わることはない』と高言しています。
今回は、事態が沈静化するとともに、原発路線への回帰、逆流が始まります。そこでの争点をとり上げてみます。
1.福島県の反乱、無縁の首都圏に電力を送るのはもうやめよう
2.東京電力の倒産、国有化
3.東京電力料金の大幅値上は、過剰電力消費をかえるきっかけになるか
長くなりそうなので、「1.福島県の反乱、無縁の首都圏に電力を送るのはもうやめよう」をこの記事ではとり上げ、「2.東京電力の倒産、国有化」と「3.東京電力料金の大幅値上は、過剰電力消費をかえるきっかけになるか」を次回で扱います。
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東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か18・原発がCO2を排出しないのはウソ!~
東日本大震災が起こってから3週間が経ちました。けれど、なかなか解決へ向かう気配の見えない福島原発。報道を見ているとむしろ事態は悪くなっているのでは…とさえ思ってしまいます。
福島原発の事故以来「原発のことをもっと知りたい」「事実は何なの」と事実を探索されている方が当ブログにもたくさん足を運んでくださっています。ありがとうございますどの記事もとてもわかりやすくまとまっておりますのでぜひこれまでの17回も読んでいただければと思います一覧はこちらです
前置きが少し長くなってしまいましたが、
本日扱うのは原発がCO2を出さないってほんと??というお話です
スリーマイル島原子力発電所事故やチェルノブイリ原子力発電所事故が相次いだことで、一時は世界中が反対派だった原子力発電。しかし、1990年代から原子力発電を推進する流れに変わっていきました。この転換の理由は1989年に発表された地球温暖化説からでした。この頃から「地球温暖化の原因はCO2が原因であり、CO2を大量に出す火力発電ではなく、CO2を出さない原子力発電を推進すべき!」という風潮に変わっていったのです。
でも、ここにはマスコミが報道しないとんでもない事実が隠されています。
なんと原発を推進してもCO2は減らないんです
特別企画『東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か』シリーズ、18回目となる今回は
原発がCO2を排出しないのはウソ!という話を「日本を守るのに右も左もないブログ」の記事を再編集してご紹介します
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東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か17~「原発キャンペーン=騙し」による洗脳という事実
今回の福島原発の問題を受け、原子力エネルギーの危機を感じ、
「なぜ、このような危険なものが、推進されてきたのか?」
という、疑問がみなさんの中に高まっていると思います。
昨日に続き、その事実を、今日は投稿していきたいとおもいます
私達の兄弟ブログ、
「日本を守るのに右も左もない」(リンク)が、2009年に特集していたものを、昨日に続き、今日は紹介します。
「日本の原発導入の歴史3 ~日本の反米世論操作~」
「日本の原発導入の歴史4 ~隠蔽される事故情報~」
原発、エネルギー問題は、食品と違い自ら選択できないもの。
だからこそ、みんな当事者になってく必要があります
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東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か16~原発業界に蔓延る「神話」それは原発導入の経緯にある
これまでこのシリーズでは、原子力発電の原理から、危険性について扱ってきました。しかしそもそも何でこんな危険な原発を導入するにことになったのでしょうか?その歴史や背景をこれから探って行きたいと思います。
そもそも日本の原発数はどのように推移してきたのでしょうか?まずは近年の原発着工数でその推移を見てみましょう。
1979年米スリーマイル島事故、1986年露チェルノブイル事故を踏まえても、日本の原発建設に大きな変化はなく、70年80年代は原発建設を推進しているようです。
90年代に大きな落ち込みを見せている点でいえば、まるで日本経済そのものの動きのように、高度成長期には続々建設を行い、バブル崩壊によってブレーキがかかったとも見えます。97年京都議定書を受けてCO2削減圧力から再度建設が復活しています。
原発は電力会社による“投資”と捉えれば理解できますが、果たしてこんな企業任せでよいのでしょうか?原発の「安全」というものはどこが負うのでしょうか?
2008年6月19日の新潟新報に興味深い記事がありましたので紹介したいと思います。
実は原発業界には、一般市民の感覚では理解できない2つの神話が存在してきたというのです。
1.新品神話~何年経っても新品同様
どんな設備や機器も時間が経てば老朽化し、破損したり、故障するのが常識ですが、原発業界には、「原発の機器はいつも新品」という神話があるそうです。神話というよりも“単にそうゆことになっている”というだけのことなのですが・・。
かつて東京電力で火力発電担当だった竹内哲夫氏が、原発の使用済み核燃料の再処理などを行う日本原燃の社長に就任したとき、そこで部下が発した言葉にもショックを受けたそうです。
(引用)
「社長、故障するなんて言わないでください」
その部下を強くしかりつけたことを竹内は鮮明に覚えている。
「機械は故障するもんだ。何を言っているんだ」
火力発電では故障したことを報告しなければ、修理代の予算も付かない。そうした普通の世界からは想像もつかない“原子力部門の常識”の異様さを目の当たりにしたのである。
竹内は「『壊れますよ』と言えない社会。技術屋から見るとすさまじい話。昔は『隠せ』『聞きたくない』という社会だった」と振り返る。
(引用終わり)
原子力業界が「新品」に執着してきたのは、なんで?
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東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か 15~福島原発からどこまで避難すればいいのか?~
福島原発からの放射能漏れに対し、現在、日本政府は、福島原発から半径20kmに避難指示、半径30kmに屋内退避指示(自主避難)を出しています。しかし、アメリカでは半径80kmに避難指示を出しています。本当に、半径30kmの屋内退避で大丈夫なのでしょうか?
米国防総省は16日、福島第1原子力発電所からの放射能被ばくを避けるため、少なくとも50マイル(80キロメートル)圏から避難するよう軍関係者に命じた。 国防総省が設定した範囲は、日本政府が先に設定したものよりも大きい。日本では原発から20キロ圏の避難と20~30キロ圏内の屋内退避が指示されている。米政府はこれまで、日本にいる米国人は日本政府の勧告に従うよう求めていた。
在東京米大使館は15日、米国人は20キロ圏から離れるよう勧告。また同日出された米原子力規制委員会(NRC)の声明は「日本政府が勧告した措置は、米国が同様の状況下で取る措置と同じだ」としていた。
これとは別に、ホワイトハウスは16日、原発から80キロ圏内にいる米国人は避難するよう勧告した。
本シリーズ第14回目は、放射線量がどの範囲にどれぐらい漏れているのかを整理し、放射線量がどれぐらいの影響を与えるのかに迫ってみます。
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東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か14~放射線はどのように広がっていくのか、またそれが肉体にどのように影響するのか、の放射線の原理~
原子力保安院・東電・政府・御用学者の発表する被爆被害度はあまりにも楽観的かつ根拠に乏しいと思います。そこには、自分たちの責任ではない、原発政策の間違いを認めたくないなど、さまざまな思惑が見て取れますが、今みんなが期待しているのは、論理が整合した確からしい予測です。
そして、彼らが拠り所としている基準すら科学的に十分確立されているものではありません。例えば、何マイクロシーベルトだから安全というように、あたかも、確固たる根拠があるような報道が多いですが、これすら十分な根拠を持ったものではないのです。
なぜならば、放射線による被害は何十年もあとに出てくることが多く、その結果、何十年か後に、被害が出ている可能性がある統計的数値として出てきます。その多くは、原発被害を受けた人々を支援する団体からです。その貴重な情報を、原発推進側は因果関係が不鮮明ということで否定するということを、アメリカも日本も繰り返してきたからです。画像は『北の国から猫と二人で想う事』様からお借りしました。
このような問題を孕むならば、まず原発を作るかどうかの議論が先なのですが、今はまったく逆です。
原子力開発の推進理由は次から次へと変わっています。初期は、夢のエネルギーとして、石油に比べて効率的優位性が謡われていました。次に、効率的優位性は無いことが明らかになり、石油に代わり増加するエネルギー消費をまかなえるのは原子力だけという理由に変更されました。そして現在、温暖化を防ぐ救世主としての原子力という理由が主流になってきました。 このように、首尾一貫した理由は無いにも拘わらず、長年の間、計画的に原子力発電所が建設されてきました。
ように原発ありきで事業が組み立てられ、理由は後付でころころ変わっているのです。それは、『治外法権を確立してきた原発推進体制』という利権体制に問題があるからです。このことは外国からよく見えているようで、【米国ブログ】それでも東電は破綻しない「政府とのなれあい続く」でもふれられています。
このような状況ですから『安全な原発』など幻想にすぎません。むしろ、上記のような現実を覆い隠すために、原発の潜在的危険性は高いが、高度な制御によって事故発生確率を下げているので、それらを掛け合わせたリスクは小さいとう、事故発生確率を組み込んだ安全理論が捏造されたのだと思います。
そして、その確率すら間違いで、このような大惨事がおきてしまえば、想定外だったという一言で責任転嫁をしているのです。そして被害度の情報も断片的で良くわかりません。そこで今回は、測定される事実である放射線被曝量をどのように理解して行けば良いのかについて、素人の目で考えて見たいと思います。
不十分なところは、こころある専門家のかたからのアドバイスを受けたいとも考えています。そのことで、少しでも被害が少なくなることが、多くの人々の期待するところだと思うからです。
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か13~治外法権を確立してきた原発推進体制~
東北地方太平洋沖地震発生から2週間がたちました。
解決に向けて自らの命をかけて復旧に奔走してくださっている現場の東電社員、自衛隊員、各自治体の消防隊員の方々には心から感謝いたします。また、災害にあわれた関係者の方々には心よりお見舞い申し上げます。
自然の摂理から環境を考える~原子力発電シリーズでは、核エネルギーを利用した発電システムの概要から、原子力発電をめぐる世界の動き、原子力発電の廃棄物問題を取り上げてきました。
今まで、多くの人々は、原発は「クリーンだ 」「安全だ 」と言われていて、「そうなんだ 🙄 」としか思っていなかったのだと思います。私自身も、その一人でした しかし、一年位前から原子力の勉強をするようになり、核反応とは何か?原子力発電がどれだけ危険なものなのか?など、少しずつ理解できるようになってきました。
今回の、『原発は必要か否か』シリーズ投稿でもその危険性は明らかにされてきましたが、ここでわ」いてくる疑問。
『なぜ、本当は危険なのに、原子力発電が推進され、建設され続けてきたのか 』
今回は、『サブガバメントモデルを支える電気料金の仕組み』というテーマで、原子力推進体制の問題を紹介したいと思います。この内容は、『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電シリーズで一年ほど前に記事にしたものです。この記事の骨子を現在の問題にひきつけて再編集しました。詳しくは、もとの記事を参照してください。
☆『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電13~ サブガバメントモデルを支える電気料金の仕組み1/2
☆『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電14~サブガバメントモデルを支える電気料金の仕組み2/2
☆『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電15~原子力発電の推進体制を考える2・・・共認収束の潮流に逆行する原子力推進体制
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か12~自然の摂理を踏み外してしまった原発技術開発
(画像は社会科学者の時評さんよりお借りしました。)
地球温暖化対策のもとで、原発がクリーンエネルギーとして脚光を浴びている。原爆材料プルトニウムを大々的に利用するプルサーマル発電が開始され、ナトリウム火災事故を起こした高速増殖炉「もんじゅ」が14年の冬眠をへて運転再開。
さらに政府が閣議決定した「エネルギー基本計画」では、2030年までに原発14基以上を新増設し、現在60%台まで急落している原発稼働率を90%まで引き上げる方針を掲げている。
エコの名の下で、日本人は疑問を抱くことなく電力会社の宣伝文句に踊らされているが、日本の原子力産業が突進しようとしている未来には、とてつもなく巨大な暗黒時代が待ち受けている。
その正体こそ、地球の地殻変動がもたらす「原発震災」の恐怖である。 スマトラ島沖地震、四川大地震、新潟県沖地震等々は、刻々迫る東海大地震の予兆である。この日本列島に阪神大震災をはるかに上回る巨大地震が襲うのは確実で、そうなれば浜岡をはじめとする原発が大事故を起こし、首都圏崩壊、さらには日本全土が壊滅するおそれが高い。
科学的・論理的に考えれば、周期的に到来する東海大地震は間違いなく起こることであり、これを否定する人間は、電力会社にも一人もいない。その時に、浜岡原発が破壊され、取り返しのつかない末期的な大事故が起こる可能性は、ほぼ百パーセントと言ってよい。これは、時限爆弾の爆発を待っている、ということになる。私たちに分らないのは、その時限爆弾が、いつ爆発するようセットされているか、その時刻だけなのである。『原子炉時限爆弾』広瀬隆著 2010年8月発売
今回の福島原発事故の報道や状況から、『原子力発電は安全』という認識の誤りが明らかになってきました。
これまで、官僚や学者、マスコミは『原子力発電は安全』という社会共認を形成してきました。だから、人々も漠然とではあるが『たぶん安全なのだろう』と思ってきました。これは、当の官僚たちも同じなのではないかと感じます。
自らが「安全だ」と言っているうちに、自家中毒的に「安全神話」にはまっていってしまったのではないでしょうか。
いずれにしても、福島原発はまだ予断を許さない状況です。今回の記事も「原発は必要か否か」の視点から、過去記事の引用抜粋、改訂してお届けします。詳細な内容は以下の記事をごらんください。
『次代を担う、エネルギー・資源』原子力発電のまとめ1~(技術開発編)
シリーズ11~地球の物質循環から切り離された廃棄物の増量→蓄積の危機~
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か11・原子力は放射性廃棄物の処理の目処もたたないままに推進されてきた!~
みなさん、こんにちは。ぴのこです
この度は、東北地方太平洋沖地震の被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
地震以降、当ブログのアクセス数は上昇、特に原発シリーズを扱ってからというものの、週間3万5千Hitを上回るアクセス が続いています。
これも、みんなの意識が安全や改めて私たちの生活のあり方を考える機会になっているのだと思います。
当ブログでは、この間次代を担うエネルギー・資源と題して、これからのエネルギーのあり方について考えてきました。
環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!8『官僚制の突破口は、「半専任・半事業⇒参勤交代制」』
自分たちの権益を拡大するばかりの官僚も、消費の自由だけを要求しエネルギー供給に対する責任を官僚に押し付けるだけの大衆も、その双方とも問題を孕んでいるため、エネルギー・資源や環境問題を解決する当事者足りえないのです。
☆☆☆エネルギーの消費者がエネルギー供給政策の当事者になる
今回の原発の問題は、氷山の一角に過ぎず、上記の問題を孕んだままやってきたその帰結なんだと思います。
今ここで、しっかりと事実を受け止め、みなさんと一緒に今後のエネルギーのあり方、みんなが本当に求めているものを考え、実現していきたいと思います。
いつも応援ありがとうございます