2010-03-29

『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 3.藻から作る油の開発競争(後編)~日本は海の領土(排他的経済水域)をどこまで生かせるか

前回は、基礎研究から実証研究へと進んでいる2グループの動きをみてみました。
1.地球環境産業技術研究機構の基礎研究を再開させたデンソー・慶応大学グループ
2.実証研究の段階に入った筑波大学・環境研究所グループ 
 
今回は、日本の動向2回目として、プロジェクトの動きを紹介します。 
 
3.実用化を最初から目標としている海洋バイオマス研究コンソーシアム
4.藻類の大量培養にノウハウをもつDIC(大日本インキ) 
 
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 図は、海洋バイオマス研究コンソーシアムの開発イメージです。
 (なお、東工大のHPが変更になり「海洋バイオマス研究コンソーシアム」の頁が消えています。) 
 
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List    投稿者 leonrosa | 2010-03-29 | Posted in E04.水生圏の可能性8 Comments » 
2010-03-25

『次代を担う、エネルギー・資源』 環境問題・新エネルギーをめぐる観念パラダイムの逆転①

こんにちは。久々の登場です。
 
これから、新エネルギー・資源シリーズの1つとして、 「環境問題・新エネルギーをめぐる観念パラダイムの逆転」 を扱って行きます。
 現在、環境問題・エネルギー問題に取り組んでいる団体・サークルは数多く存在しますが、そのほとんどが行き詰まり、団体間のネットワーク化も進まず、環境活動自体が閉塞状態にあります。
 一方で、新資源、新エネルギーの可能性の発見や、「農」に関心を寄せる若者が増えているなど、従来の環境問題やその本質である市場経済を超えた可能性へ収束する流れも芽生え始めています。
 その差は、何なのか?
それは、環境問題を考える上での観念が旧く、みんなの潜在思念と大きなズレがあることに原因があるのではないでしょうか?
 この視点を基に、では、どんな観念が必要とされるのかを追求して行きます。
と同時に、我々、日頃、農に携わっているので、新エネルギーの発掘と並ぶ課題でもある「エネルギー循環」の1つとして、従来の化石燃料に依存しない循環的農業(システム)についても、現場からの実感も含めて追求しますのでよろしく!

 エネルギー循環に則った農業を考えるだけでも、有機農業、自然農法etc.は、数多ありますが、これが、決定打、あるいは、この地方、条件では、これっと言えるような確立したものは、まだありません。やはり、それらも、みんなの潜在思念とフィットしたものにはなっていなくて、観念が先行しているからではないでしょうか。
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KITA-NATTOな日々★blogさんからお借りしました。  自然農法国際開発センターさんからお借りしました。
 
では、
第一回目は、
環境活動が閉塞している一方で、
農が注目されるのはなんで?  

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2010-03-23

『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電5-1/2 トリウム資源はどこにどれくらいあるのか?』

『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電2 核エネルギーを利用した発電システムを概観する2/2』では、トリウム原子力発電の可能性を追求する論点を示してくれています。今日は、そのうちのひとつを追求してみます。それはトリウムという元素はどのくらいあるのだろう?ということです。
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「花崗岩」 いつでもLOUPEさんよりお借りしました。 「モナザイト」 モナザイトさんよりお借りしました。 「ウラン鉱石」 ウラン鉱石さんよりお借りしました。
★トリウムを含むモナザイト(モナズ鉱石)ってなに?
「トリウム燃料サイクルの研究開発と動向」(東京大学名誉教授 山脇道夫他 日本原子力学会誌Vol47 2005)によるとトリウムはウランや希土類(レアアース)とともに鉱石に含まれており、地殻中に4~10ppm含まれると言われています。トリウムを含む鉱物として代表的なのが、花こう岩1Kg中に80g程度含まれるとされているモナザイトです(モナザイトはレンズの研磨剤とかテレビのブラウン管、健康器具のセラミックボールなどに使用されています)。
モナザイトはトリウムを含む鉱石というよりは、レアアース(希土類)を含む鉱石としてのほうが有名で、希土類を取り出した後の残渣(残りかす)にトリウムが含まれるという言い方をされるほうが多いようです。
モナザイトにはトリウムばかりではなく、ウランも含まれていることがあります。ブラジル南部海岸のモナザイトにはウラン0.3%、トリウム6%が含まれているそうです。
一般的に、モナザイトは海岸の砂や川床に集積していて、その採掘はウランのように地下深くまで掘り下げる必要がないことから非常に容易だということです。また、モナザイト中のトリウムの含有量は約10%近くあり、ウラン含有量の低いウラン鉱石よりも効率的な採取が可能です。さらには、採掘から精錬過程においての被爆のリスクもウランより低いという利点もあるようです。
では、トリウム(モナザイト)はどのような国にあるのでしょう。
それではトリウム探索の航海へ!
いつもありがとうございます。

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List    投稿者 hirakawa | 2010-03-23 | Posted in E03.トリウム原子力発電3 Comments » 
2010-03-22

『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 3.藻から作る油の開発競争(中篇)~基礎研究を再開しているが、どこまで行けるか日本

前回は、藻類からつくる燃料の開発競争が米国を中心に進んでいることをみました。専門のWebサイトが立ち上がり、藻燃料の専門シンポジュウムが開催され、産業化への動きが加速しています。 
 
その動きの中で、面白い記事がながれました。藻類の商業生産プラントを稼動させている日本企業の培養サイトに、見学者が多数訪れているというものです。

藻類のバイオ燃料化に取り組んでいる米国のNPO法人・ABOが先だって開催した「2009年藻類バイオマス・サミット」のオプショナル・ツアーでは、DICの100%子会社、アースライズ・ニュートリショナルズ(本社:米国カリフォルニア州)のスピルリナ大量培養現場への見学会が実施され、世界各国から100名を超える参加者の大きな好評を博しました。

バイオ燃料用途としての藻類研究で注目されるDICグループのスピルリナ培養ノウハウ
-DICグループの約35年の長きにわたるスピルリナの大量栽培実績に高い関心-
(DIC株式会社プレスリリース2009年12月24日)リンク 
 
  algae206.bmp 
  アースライズ社のスピルリナ(藍藻の一種)の大量培養サイト(DICより) 
 
なかなか、頼もしいですね。 
 
日本の研究開発の動き、以下のように追って見ます。今回は1と2をとりあげ、次回は3と4です。 
 
1.地球環境産業技術研究機構の基礎研究を再開させたデンソー・慶応大学グループ
2.実証研究の段階に入った筑波大学・環境研究所グループ
3.実用化を最初から目標としている海洋バイオマス研究コンソーシアム
4.藻類の大量培養にノウハウをもつDIC(大日本インキ) 
 
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List    投稿者 leonrosa | 2010-03-22 | Posted in E04.水生圏の可能性4 Comments » 
2010-03-19

『次代を担う、エネルギー・資源』状況編5 ~石油・石炭の使用量・利用先~

これまで、
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編1~世界と日本のエネルギー消費の現状~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編2~運輸部門のエネルギー消費はどうなるのか?~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編3~民生部門(業務、家庭分野)のエネルギー消費の実態は?~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編4~産業部門(製造部門)のエネルギー消費の実態は?~
 

過去4つに分けて、日本の3部門(運輸、民生、製造)でのエネルギー消費を押さえてきた。そして、予想では今後20年間では約6~7割へのエネルギー消費は縮小していくと考えられています。

ただし、必要なエネルギー消費量が縮小したとしても、依然として日本のエネルギー自給のカギを握るのは、石油、石炭および天然ガスの化石燃料です。
今回は、その中でも石油と石炭に絞って現在の使用量や利用先などについて調べて行きたいと思います。
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List    投稿者 yhonda | 2010-03-19 | Posted in E01.状況編1 Comment » 
2010-03-16

『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電4 炉の構造におけるウラン原発炉とトリウム溶融塩炉の比較』

本編シリーズ3では、“燃料として”のウラン系統とトリウム系統の原発の性能比較を行いました。
シリーズ記事『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電1 核エネルギーを利用した発電システムを概観する1/2
の中で、

固体燃料の原子力発電所では、燃料装着、連続処理、メンテナンス等の点において合理的でないのに対して、液体化燃料を使用する溶融塩炉では、液体循環システムを主体とした単純なプラントとして設計可能で、固体燃料型炉の弱点を克服できる。

とまとめましたが、今回具体的な中身に迫っていきます。

その前に一般的に原子炉にはどんな要素があるかを見ておきましょう。
☆原子炉に必要な要素って何?
まず、核分裂を起こすには中性子が必要です。何らかの方法で核燃料に中性子を当てると分裂し、その中から「熱」と「中性子」が飛び出します。飛び出した熱を電力として利用するには、発電機まで運び出す熱搬送媒体(=冷却材)が必要です。

また、電力を継続的に生み出すには、この核分裂で飛び出た中性子を周囲の核燃料に当てて、連鎖的な核分裂(=臨界状態)が必要です。そのためにはこの中性子の速度を落とす必要があり、この働きをするものを「減速材」と言います。(※)

※なぜ中性子の速度を落とすと周囲の原子に当たりやすくなるのか?
(速度が速いと当りにくく、遅いと当りやすいのは、お互いの粒子間に核力が働き、お互いが引き寄せられるので、遅い方が当たる確立が上がる。というのが有力な説です。)

この「熱搬送媒体」と「減速材」が炉の構造に必要不可欠な要素ですが、「固体燃料炉」と、「液体化燃料炉(=トリウム溶融塩炉)」では下記のように異なります。

【固体燃料炉】  熱搬送媒体:水    減速材:水
【液体化燃料炉】 熱搬送媒体:溶融塩  減速材:黒鉛(C)

それではこの違いにも注目しながら、炉のシステムを見ていきましょう。

【シリーズ過去エントリー】
1.『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電1 核エネルギーを利用した発電システムを概観する1/2
2.『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発2 核エネルギーを利用した発電システムを概観する2/2
3.『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電3  核化学反応におけるウランとトリウムの比較
4.『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?①~
5.『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?②~

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List    投稿者 tutinori | 2010-03-16 | Posted in E03.トリウム原子力発電, F03.原子力発電ってどうなの?1 Comment » 
2010-03-15

『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 3.藻から作る油の開発競争(前編)~グリーン・ニューディールのもと、実用化へ走る米国

前回、微細な藻が作り出す油脂は、単位面積あたり地上植物(の種)に比べ、数百倍の生産量になり、注目が集まっていると確認しました。 
 
今回は、オバマ政権の「グリーン・ニューディール」政策のもと、実用化に走り出した米国の開発動向を中心に紹介します。 
 
ウォールストリート・ジャーナルの2010年2月22日の記事が、現状を伝えています。 
 
藻類の生物燃料、実用化への長い道のり

現在、世界中で約150の会社が、藻類の生物燃料を商業化するために活動しています。そして、米国の政府補助金は、過去数年間にわたって拡大しています。エネルギー省は、最近、藻類の生物燃料を商業化する研究のために4400万ドル(約40億円)を補助し、藻のパイロットプラント・実証プロジェクトに9700万ドル(約100億円)を補助することを決めました。

藻が作り出す生物燃料の研究開発、実用化への動きをみてみましょう。 
 
1.藻が作り出す生物燃料の開発・実用化ステップ
2.研究を再開したNREL(国立再生エネルギー研究所)・微細藻類研究所
3.民間は実用化競争へ、但し、課題は大きい
 
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List    投稿者 leonrosa | 2010-03-15 | Posted in E04.水生圏の可能性7 Comments » 
2010-03-09

『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?②~

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画像は、日本の国際貢献 Japan’s international contributionさんからお借りしました。

〈前回のおさらい〉
らざふぉーど(以下、R):前回の♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?①~では、

①原子の基本的構成
②原子核の構成が物質の性質を決めている。
③原子核の構成が変化するときにエネルギーが放出される。

について習ったね。

コメット(以下、K):③について質問があるんですが、どのようにして核反応からエネルギーが生まれてくるのでしょうか

R:じゃあ、具体的な物質を例にして考えていこう。

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List    投稿者 daiken | 2010-03-09 | Posted in E03.トリウム原子力発電7 Comments » 
2010-03-08

『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性  2.植物の光合成と油脂成分の貯蔵 ~藻と高等植物の油脂(大豆油・菜種油)を比較してみる~ 藻類の可能性とは?

石油に変わる新エネルギーとして、世界が注目する「藻からつくる石油」。その油脂成分を生成する藻類の可能性追及第二弾をお送りします 😀
 
石油をつくる藻がいる!な~んて話しを聞くと、
「え~!!?」
わたしたちは思わず吃驚(ビックリ)仰天してしまいます。
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でも、植物油って聞くとどうでしょうか?
「ん~。ふつうかも?」 
そうですね。紅花油・ゴマ油・菜種油・大豆油・米油・オリーブオイル・・・わたしたちの身近には植物たちの作った油脂がたくさん溢れています。わたしたちの植物が生成する油脂の利用は意外にも古い歴史があるのです。
「でも、それって食用じやないの?」
今でこそ、食品利用のイメージが強い植物油脂ですが、その用途はエネルギー利用として始まっています 😉
「!!!」
今回は、油脂の歴史と光合成の構造、陸上植物との比較から藻類の可能性を探ります
 
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List    投稿者 kasahara | 2010-03-08 | Posted in E04.水生圏の可能性10 Comments » 
2010-03-04

『次代を担う、エネルギー・資源』状況編4~産業部門(製造部門)のエネルギー消費の実態は?~

 『次代を担う、エネルギー・資源』状況編3~民生部門(業務、家庭分野)のエネルギー消費の実態は?~に引き続き、いよいよ、エネルギー使用の約半分(45%)を占める産業部門のエネルギー使用量の実態と今後の予測について調べてみたいと思います。
 では、産業部門全体のエネルギー消費を確認してみます。
1.産業部門全体のエネルギー消費

「産業部門とは、製造業、農林水産業、鉱業、建設業の合計であり 、エネルギー消費全体の約45%を占める最大の部門です。また、そのうちの約9割を製造業が占めています。1973年度と2007年度を比較すると、経済規模は約2.3倍になり、製造業全体の生産も約1.9倍に増加していますが、製造業のエネルギー消費は微増にとどまっています。このように石油ショック以降、製造業におけるエネルギー消費が抑制された主な要因としては、省エネルギーの進展と産業構造の変化(素材産業から加工組立型産業へのシフト)が考えられます。」

2009年エネルギー白書よりお借りしました。
 グラフで見るとほとんどを製造業が占めています。ただ、’73年のオイルショック以降は、ほぼ横ばいで推移しています。次に、この9割を占める製造業の内訳を見てみたいと思います。
では、この続きに行く前に応援よろしくお願いします。

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List    投稿者 systema | 2010-03-04 | Posted in E01.状況編4 Comments »