2012-02-11

【自然災害の予知シリーズ】-13- 日本の先端地震予知研究はなぜ潰されたのか?

 【自然災害の予知シリーズ】もいよいよ大詰めです。
 このシリーズで扱ってきたように、地震予知は電磁波や、地電流、ラドン濃度測定や地表面温度測定など様々な切り口でアプローチが可能であり、各々の方法で得手不得手はあるもののどれも可能性があるものでした。
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(写真はコチラからお借りしました)
 しかし気象庁をはじめとする、地震予知・地震予報の研究は、昨年の東日本大震災を受けて地震学者が口を揃えて言った「想定外」という言葉が象徴しているように、一向に進んでいません。なぜこのような事になっているのでしょう?
 
 まず、これまでの地震研究とはどんなものがあったのかを見ていきたいと思います。
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  投稿者 daichi | 2012-02-11 | Posted in D05.自然災害の予知No Comments » 

風がふくのはなんで?(4)~貿易風や偏西風が生まれる構造~

前回の記事では、日本を取り巻く2つの気団(揚子江気団、オホーツク気団)の形成を左右する要因として、ヒマラヤ山脈と偏西風に着目しながら追求を試みました。
もっとも日本の季節風と日本を取り巻く気団群の影響は不可分の関係ですが、中でも気団の構成に大きな影響を与えている要素が「偏西風」である、という点が明確になったのではないかと思います。
ここで今一度、偏西風とは何か?ざっとおさらいしてみたいと思います。

偏西風と呼ばれるのは、赤道上で暖められて北上した空気が温帯付近で急降下する際に、コリオリの力を受けることで、西向きに針路を歪められるからです。

風がふくのはなんで?(3)~日本の四季に影響を与えているヒマラヤ山脈と偏西風より引用
引用文より、偏西風は地球規模の大気の大循環によって生じていることが理解できます。
偏西風は超上空では時速数百キロの速度を誇るジェット気流に姿を変えていることは過去に取り上げましたが、このような偏西風や、或いは貿易風といった地球規模の「風」は一体どのような原理で生じているのか?
今回記事では地球規模の風の特性について追求していきたいと思います。
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  投稿者 wabisawa | 2012-02-08 | Posted in D02.気候1 Comment » 

【地震のメカニズム】6.地球内部の物質循環に着目したプレートダイナミクス(大陸動力学)理論



前回の記事(12月4日)からずいぶん間があいてしまいましたが、【地震のメカニズム】を考えるシリーズを再開したいとおもいます。

前回の記事は、「プレートテクトニクスによる地震動の発生メカニズム」というタイトルで、プレートテクトニクス(大陸移動)理論の紹介をしました。
この理論は現在の地震学の基礎となっており、理論そのものも塗り重ねられ、新たな調査結果や仮説を組み合わせながらプレートが移動するメカニズムの解明がすすんでいます。
本日紹介する記事は、 巽 好幸氏は発表した 「地球内部のダイナミクスと環境大変動」
という論文で、地球内部のメカニズムを解明しようとするものです。
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内容的にはプレートテクトニクス(プレートの水平移動)とプルームテクトニクス(地球の中心から表面に向かう垂直移動)を組み合わせ、熱の移動に着目した最新の論文です。
添付してある手書きの図解と見比べながら本文を読んでみてください。

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  投稿者 chai-nom | 2012-02-06 | Posted in D03.地震No Comments » 

【自然災害の予知シリーズ】-12- 地震の前になぜ電磁気的変化が発生するのか?

 これまで地震予知の可能性を、宏観現象、地電流、VHF、VLF、ULF、ラドン濃度、地表温度、と色々と見てきました。その中で、様々な電磁気的な現象があり、これらの観測に予知の可能性があることが判って来ました。地電流、VHF、VLF、ULF~これらの変化は何が原因で起こるのでしょうか?
 今回は、これら電磁気的な現象がなぜ起こるのか?です。
ある、一つの原因に依るのか?複数の原因があるのか?
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図は 大地震に備える さんからお借りしました。地震前の地球上のさまざまな電磁気的変化を示しています。
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  投稿者 hihi | 2012-02-04 | Posted in D05.自然災害の予知6 Comments » 

自然の摂理ML selection☆*:・°~水の不思議☆1、2~

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昨日、珍しく大阪にも雪が降りました
私は営業職なのですが、そのときはたまたま社内での事務
吹雪いている外の様子を見て、こんなときでもお客さんの為にあちこち飛び回っている他のメンバーに、感謝 の波動を送りたくなりました
さて、毎週1回、女性メンバーから当ブログやその他サイトの「時事情報 」や「おすすめ記事 」の紹介を毎週発信しているメーリングリスト
今日も、その中からのおすすめの記事 の紹介です
応援よろしくお願いします

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  投稿者 kawano | 2012-02-03 | Posted in X.自然の摂理ML selection☆*:・°No Comments » 

【自然災害の予知シリーズ】-11-地震発生前のマグマの熱移送による「地表温度の上昇」を観測するリモートセンシング

みなさん、こんにちは
当シリーズでも「VLF電波」「ULF電波」「ラドン濃度」など、日本においても可能性のありそうな地震予知の方法が見えてきました。今回も引き続き、可能性探索です!
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今回は、地震発生のメカニズムから、直接的な地震観測により地震予知する手法を探索します。
電磁波やラドンといった電気・化学的反応以外で、直接地震の前兆現象を押える方法を探っていきます。そのためにも、まずは、地震の起こるメカニズムから押えていきましょう。

地震といえば、プレートテクトニクス説が定説でしたが、地球の内部の様子が明らかになるにつれて、様々な矛盾(プレート説では説明がつかない事例etc)があることが、分かってきました。
では、実際に地球内部はどうなっているのでしょうか?
(※“プレートテクトニクス説のおかしさ”については、こちらをご覧下さい。)

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  投稿者 staff | 2012-01-28 | Posted in D.地球のメカニズム, D05.自然災害の予知No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(12)中世初期~近代科学の源流は、キリスト教の世界認識方法~


前回記事では、“観念こそが絶対“とする近代科学の思考パラダイムが、“科学“が道を踏み外した原因であるという提起をしました。

そしてそれは、17世紀のガリレオ・フランシスベーコン・デカルト・ニュートンなど、神の権威付けのための観念的論証能力を有する知的特権階級が活躍した時代でした。

そして、彼らの新しい認識手法は、その時期より少し前に、金貸しの支援で自らの経験的手法(≒実験)を公開し注目を集めていた職人の潜在思念的手法を、知的特権階級である彼らが取り込み、観念を操り再構築することで生まれました。

【プリンキピア】     

これにより、潜在思念で対象をありのまま認識することで現実認識を塗り重ねてきた職人の世界から、観念を操り思弁的論証に長けた知的特権階級へと、自然科学に対する実権が移りました。これが観念を絶対視する近代科学のはじまりだと考えています。

そして、彼ら知的特権階級は、中世後期のキリスト教の影響を受けた大学の学者にあたります。彼らはそこで、神の存在証明のための思弁的な学問である神学を中心に観念的論証技術を磨き、その根拠としてギリシア思想の自然科学論理を都合よく改変し取り入れたのです。そして、この知的特権階級のルーツをたどると中世前期のキリスト教教父に行き着きます。

また、シリーズを重ねる中で、17世紀のガリレオ・フランシスベーコン・デカルト・ニュートンとともに近代科学が興ったのは、それまでキリスト教権力に仕えていた知的特権階級としての学者が、キリスト教を凌駕する勢力になってきた金貸しへと、宗主替えを行った結果だと考えています。これにより、キリスト教の『観念を絶対化』する世界認識方法が近代科学に受け継がれたのだと思うようになりました。

これは、近代科学が西欧キリスト教世界のみから生まれたこと、つまり、それ以外の地域では自然は人間を超越しているという世界観を受け入れ、魔術的ではあれども自然に対する超越観を残していたことで、『観念の絶対化』は行われなかった、という歴史にも符合します。

また、キリスト教的な世界認識方法の対極にあるのが、現実世界(自然)は、人間の認識能力をはるかに超えた存在として捉える、精霊信仰です。

そこにあるのは、たとえ完全に同化することは出来なくても、すこしでも近く対象に迫っていくという感覚だけで、その対象に超越性を感じるという謙虚な思考法になってきます
これは原始人の精霊信仰と同じです。

素人が創る科学の世界~プロローグ『科学的認識はすべて仮説、その神格化が創造の壁』

これらの認識方法と、頭の中の観念だけを絶対化して、超越した自然現象をその観念により逆規定し、かつ矮小化していくという近代科学の認識方法とは180度異なります。このため、このような人類本来の本源的認識方法がどこで改変されてしまったのかも、合わせて追求していきたいと思います。

このような見通しをもとに、中世初期、中世後期、2回に分けて、キリスト教的な世界認識方法の変遷を追ってみたいと思います。その上でシリーズを通してのまとめとして、エピローグをアップとしたいと思います。

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  投稿者 sinsin | 2012-01-16 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(11)~“観念の絶対視”が近代科学技術の根本問題~

いよいよ、『科学はどこで道を誤ったのか?』シリーズも11回目を向かえました。
今回は次回の最終回に向けて、これまでのエントリーのうち、近代科学技術の発展の歴史を扱った(7)(8)(9)(10)を改めて整理し、近代科学技術の歴史を通じた根本問題に迫りたいと思います。

◆ ◆ ◆ “現実と乖離した観念のみ”で体系化されていく過程が近代科学技術の歴史

現実と乖離した観念(=数学)に自然を置き換え法則化することを優先した時代(17C) (シリーズ7)

近代の科学者たちは自然をあるがままに観るのでは無く、数学的形式にあてはまるように(都合よく)現実には存在しない抽象概念を創出しました。そして、事物の本質の探究よりも、数学的表現を用いて現象の定量的法則の確立を優先させたのです。

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自然認識における近代への転換を象徴しているのが、ガリレオの実験であった。
滑らかな斜面を用いることで落下時間を引き延ばして時間の測定を容易にし、かつ空気抵抗の影響を低減させることで自然界には存在しない真空中での落下という理想化状態に人為的に近づけてなされたその実験の目的は、それまでの魔術師による自然の模倣としての驚異の再現や技術者による試行錯誤を通じてのノウハウの改良ではなく、時間と空間の関係としての定量的法則を確立することであった。

【ガリレオ】     

※【福島の原発事故をめぐって 山本義隆著】より引用

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ガリレオは、物体は「なぜ」落下するのか、さらには落下のさいに「なぜ」加速されるのか、というそれまでの自然学の設問それ自体を退け、物体は理想と考えられる状況において「どのように」落下するのかという問題-落下の様態の数学的表現の確定- に自然科学の守備範囲を限定したのである。
またニュートンは、万有引力の法則を数学的に定式化したが、重力の本質(なぜ引き合うか)を明らかにせず、自ら棚上げにした。

【ニュートン】    

※【一六世紀文化革命 山本義隆著】より引用

自然認識は近代以前から古今東西に存在しますが、数学による自然の記述に偏向したのは近代に入ってからです。
「自然の言葉は数学で書かれている」というガリレオの発言に象徴されるように、自然界を数量化できるという幻想(正当化観念)が登場したのが17Cでした。

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  投稿者 tutinori | 2012-01-08 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(10)~“科学技術の申し子”が起こした惨劇

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これまで、近代科学技術の成立過程について歴史を辿って見てきました。
今回はそれらを踏まえ、近代科学技術がどのように原子力発電を生み出してきたのかを考えてみます。

まずは、山本義隆著「福島の原発事故をめぐって」より引用します。

経験主義的にはじまった水力や風力あるいは火力といった自然動力の使用と異なり、「原子力」と通称されている核力のエネルギーの技術的使用、すなわち核爆弾と原子炉は、純粋に物理学理論のみにもとづいて生み出された。実際、これまですべての兵器が技術者や軍人によって経験主義的に形成されていったとの異なり、核爆弾はその可能性も作動原理も百パーセント物理学者の頭脳のみから導き出された。原子炉はそのバイプロダクトである。その意味では、ここにはじめて、完全に科学理論に領導された純粋な科学技術が生まれたことになる。しかし理想化状況に適用される核物理学の法則から現実の核工業-原爆と原発の製造-までの距離は極限的に大きく、その懸隔を架橋する課程は巨大な権力に支えられてはじめて可能となった。その結果は、それまで優れた職人や技術者が経験主義的に身につけてきた人間のキャパシティの許容範囲の見極めを踏み越えたと思われる。

ポイントは3つです。

◆ 1.経験に基づかず、純粋に科学理論から生み出された
◆ 2.理想的な状況にのみ適用される物理法則に基づいている
◆ 3.巨大な資本力を投下できる権力に支えられて実現した

  

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  投稿者 sztk | 2012-01-07 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(9)近代Ⅱ~国家体制に組み込まれ、専門化体制の中で無能化した学者~

18世紀に蒸気機関が誕生した頃は、技術者の工夫の積み重ねが産業革命につながる発明を支えており、まだ技術が科学を先行していました。
しかし、19世紀に実験室で生まれた電磁気学により、始めて科学が技術を先導してゆきます。
科学は電磁気を得て、科学者の頭の中の夢想に沿って人工の実験が試され、それを数式化してそのまま現実の技術として転用されます。
ここについに、科学理論が先行する形での技術開発、すなわち真の意味での「科学技術」が始まったのです。

では、そのような科学技術が、国家権力や支配組織と結びつくとどうなるのでしょうか?
山本義隆氏「福島の原発事故をめぐって いくつか学び考えたこと」を参考に、解明していきます。

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  投稿者 staff | 2012-01-06 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?2 Comments »