2012-01-05

『科学はどこで道を誤ったのか?』(8) 近代Ⅰ~実験室で生まれた電磁気学が技術を先導し、観念発の「科学技術」が始まる~

 今回は、18~19世紀、近代が進んでいく世界を見ていきます。中世スコラ学の閉塞を打ち破ったのは16世紀の技術者たちでした。が、彼らは技術は自然にかなわないと自覚していました。それを、「自然を征服する」と言い出したのが17世紀の科学者たちだったのです。しかし、ガリレオやニュートンが等加速度運動や万有引力など物理法則を発見しても、それがそのまま技術に転化することもなく、実世界での革新は、まだ技術者たたちの工夫に依っていたのです。
 今回は科学者の発見が実際に世界を変えて行き、観念から物が生まれる過程を見ていきます。
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写真はジェームズワット、ジュール、ファラデーです。ウィキペディアから
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  投稿者 hihi | 2012-01-05 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(7)近代の前夜~「科学技術による自然の征服」という思想の登場~

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(左からコジモ・ディ・メディチ一世、コジモ・ディ・メディチ二世)
 
自然を支配対象と捉える認識は、西洋のルネサンス期の魔術思想やヘルメス主義に萌芽が見られます。
その後16世紀末から17世紀に「科学技術による自然の征服」という思想が登場します。
この自然に対する対象認識の変化が、以降の科学技術発展における大きな転換点であったと考えられます。
今回はこの近代前夜の大転換の過程を押さえていきます。

 
◆ ◆ ◆ 金貸しの台頭⇒エリート知識人を囲い込み(パトロン化)
 
十字軍遠征への投資で財を蓄えて台頭してきた欧州の金貸し(商人)階級は、大航海時代に入ると、ラテンアメリカ侵略によって、莫大な富を蓄積して、大きな力を持つようになりました。
そして、さらなる私権獲得の可能性を求めて、ルネサンス活動や魔術思想に取り組む人々をパトロンとして支援しました。
ルネサンス(人間主義)は、欲望⇒私利私欲の追求を至上のものとする価値観であり、魔術思想は、自然を人間の快美欠乏を満たすための使役対象としており、いずれも人々の欲望を正当化して、市場拡大を促進するのに都合がよかったからです。
 
【参考】
近代科学の成立過程2~金貸しに都合のよい思想を過去から拝借したパクリ思想がルネサンス
『科学技術はどこで道を誤ったのか?』(5)ルネサンス(14~16c)~自然魔術による自然支配観念の萌芽と、「科学」「技術」統合への流れ
 
金貸し階級のこのスタンスは、科学技術に関しても同様で、近代科学の土台を確立していくエリート知識人達もパトロネージして囲い込んでいきます。
 
そして、エリート知識人達にとって、パトロンは食い扶持の確保や名声獲得の拠り所であったため、パトロンの意向に沿った研究成果をあげることは極めて重要な課題でした。
 
この関係を近代科学の父と呼ばれるガリレオの例で見てみます。
 

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  投稿者 aironGst | 2012-01-04 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(6)大航海時代(15c中~17c中)~戦争と市場拡大により発達した鉱業による、近代科学と生産関係の変化~

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(※右側の写真は賢者の石を求める錬金術師、左側の写真はホムンクルスを作り出す錬金術師)

「科学技術万能観」がどのようにして形成されてきたのか?を追求するシリーズ第6回目です。
前回の記事で、ルネサンス期は、自然に対する畏怖の念を中世から受け継いでいたものの、自然を学ぶことで人間が宇宙の力・自然のエネルギーを使役しうるという信念が公然と語られ始めたことがわかりました。
今回は、この自然観の変化が、大航海時代の戦争、航海という実学を通してどのように変化していったのか?ここに焦点を当ててみたいと思います。

大航海時代は、15世紀中ごろから17世紀中ごろまで続いたヨーロッパ人によるインド・アジア大陸・アメリカ大陸などへの植民地主義的な海外進出をいう。国王、ローマ法王ともに、海外侵略を強力に後援し、競い合って、莫大な利益を手に入れた。(Wikipedia より)
この私権拡大競争(戦争)を勝ち残るために西ヨーロッパで、航海、金属精錬、とりわけ製鉄技術が発展し、これがヨーロッパ人が地球の支配者として立ち上がることを可能にした物質的条件でした。
そしてそれが、近代科学と賃金労働による分業という近代の生産関係の土台を形成していくと同時に、自然観への転換も伴っていたのです。

 

今回も、山本義隆氏(※リンク)の著書(十六世紀文化革命「第四章 鉱山業・冶金業・試金法」 山本義隆著】)の中身を紹介しながら進めていきます。

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  投稿者 runryu | 2012-01-03 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(5)ルネサンス(14~16c)~自然魔術による自然支配観念の萌芽と、「科学」「技術」統合への流れ

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1434年にフィレンツェの実権を握った「コジモ・デ・メディチ」(1389~1464年、左写真)は、メディチ家の始祖で、ルネサンス初期の重要なパトロン。フィチーノやピコに古代魔術の書「ヘルメス文書」の翻訳を命じた。

福島原発事故によって、“原子力”を生み出した科学技術が万能ではないことや、人間が自然の力をコントロールすることなど到底不可能であることが誰の目にも明らかになりました。
こうした「科学技術万能観」がどのようにして形成されてきたのか?を追求するシリーズ第5回目は、山本義隆氏の著作である「磁力と重力の発見」及び「一六世紀文化革命」を元に、ルネサンス期に焦点を当て、その萌芽を探ってみたいと思います。
ルネサンス(仏: Renaissance 直訳すると「再生」)とは、一義的には、14世紀 – 16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的文化革命あるいは運動を指す。また、これらが興った時代(14世紀 – 16世紀)を指すこともある。(Wikipedia より)
と一般的に定義されるルネサンスですが、その背景には、十字軍遠征(イスラムからの掠奪)による富の蓄積、その結果として商人(金貸し)によるベネチアやフィレンツェなどの都市国家の形成、そして、恋愛観念の蔓延があります。

ポイントは2点です。
1.自然魔術による自然支配観念の萌芽
2.「科学(学問)」と「技術」の統合への流れ

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  投稿者 kota | 2012-01-02 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?4 Comments » 

『科学はどこで道を誤ったのか?』(4)ヘレニズム・ローマ帝国時代~帝国の統合需要に根ざした科学技術の体系化と個人の救い欠乏発の数学の発展

あけましておめでとうございます。
新年早々、『科学はどこで道を誤ったのか?』という重たいテーマで申し訳ありませんが、世の中を「おめでたくできるかどうか」は「暗い現実を突き抜ける可能性の発見」でしかありませんので、早速、追求を継続したいと思います。
そして、そう思っていたら、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)について、川勝平太・静岡県知事は、「福島第一原発事故で(浜岡原発と同じ)沸騰水型は危ないというのが日本人の共通認識になった」として、中部電の津波対策が完了しても再稼働を認めない方針を明言した。というニュースが入ってきました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111231-00000583-yom-pol

川勝さんがいうように「人々の共通認識」が社会を動かす時代なのですから、ますます正しい事実認識を積み上げていくことだけが、この暗い世相にあって、唯一可能な「世の中を明るくする方法」です。
応援をよろしくお願いします。
 
。前稿で、ギリシア科学思想のうち数学的自然観を中心に扱いましたが、有機体論、要素還元論と本来、多様性に富んでいました。しかし、肝心の国家統合が限界を見せ、より強大な専制国家=帝国が登場する中から、科学は一方で帝国の統合需要に根ざした科学技術の体系化を進めつつ、他方で個人の救い欠乏発の数学の発展をみせます。
引き続き、括弧内は坂本賢三「科学思想史」からの引用です。
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写真はウィトルウィウス人体図。紀元前1世紀頃のローマの建築家ポッリオ・ウィトルウィウスは、著書「建築論」のなかで、腕を伸ばした人間は円と正方形の両方に正しく内接すると主張した。ウィトルウィウスは数学的自然観のみの科学者ではないが、そんなウィトルウィウスの中にも数学的自然観が色濃く存在する。写真はhttp://www.ops.dti.ne.jp/~manva/da_vinci/as_scientist/others.htmからお借りしました。

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  投稿者 staff | 2012-01-01 | Posted in B.科学史, B01.科学はどこで道を誤ったのか?No Comments » 
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