2010-04-17
『次代を担う、エネルギー・資源』状況偏7 ~資源(レアメタル・コモンメタル)の自給の可能性①~都市鉱山~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編6 ~資源(レアメタル・コモンメタル)の使用状況、利用先、使用量~では、日本が鉱物資源の世界有数の消費国である一方、それらのほとんどを輸入に頼っていることがわかりました。
そこで今回は、資源の乏しい日本において救世主として期待されている都市鉱山について調査し、自給の可能性があるかどうかを明らかにしていきたいと思います。
1.都市鉱山における資源(レアメタル・コモンメタル)の貯蔵量
08年1月、独立行政法人 物質・材料研究機構(以下、機構)は「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する」という発表を行い、注目を浴びました。
(「都市鉱山」とは、家電などの使用済廃棄物の部品に含まれる資源を鉱山に見立てて考える概念で、80年代に日本で提唱されたものです。)
金については、世界の現埋蔵量42000トンに対し、日本の都市鉱山は約6800トンで約16%。ほかにも、銀は22%、インジウム16%、錫11%など、世界埋蔵量の1割を超える金属が多数あることがわかりました。ちなみに、世界的に見ても、金や銀は現埋蔵量よりすでに採掘された量の方が多くなっています。
日本では、家電リサイクル法などによって、金属資源の再利用が行われているほか、すでに鉄、銅、アルミニウム、鉛などはスクラップからの再利用が重要な供給源となっています。たとえば、鉄。日本国内にある鉄資源の量は正確に計算されており、ビルや廃屋などの形で蓄積された鉄をまるごと利用できるわけではありませんが、それでも鉄と同程度にリサイクルできれば現埋蔵量の0.8%はまかなえる計算です。
『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電6-1/2 ~原子力発電を巡る世界の動き【先進国編】~
これから【先進国編】と【発展途上国編】の2回に分けて、原子力発電およびトリウム資源利用を巡る世界の状況について連載します。
主な論点として、各国の
①原子力発電を巡る政策について
②原発の稼動・開発状況について
③トリウムの利用状況について
を取り上げます。これによって、原子力発電を巡る現在の状況および、今後の課題を整理していきたいと思います。
さっそく、世界の原子力発電の概況から見ていきます。
いつも、応援のクリックありがとうございます
『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 5.藻を繁殖させるサイト(栽培地)をどうする?
前回まで藻類の可能性についてその構造や原理などについて探ってきました。今回は、実際の藻の生産は具体的にはどうする、培養地はどうするという方向に向けて、さらに進めていきたいと思います。
藻以前のバイオディーゼル油生産では、アメリカ大陸(大豆油)、欧州(菜種油・ひまわり油)、東南アジアで(パーム・ココナッツ油)、使われる原料がそれぞれ異なっていました。気候・風土を反映し、国家レベルで舵の取り方が違っているのですね。
京都市廃食用油燃料化施設HPから
藻類の生産においても同様に、地域、国家レベルで気候、風土に応じて、どのような方法で生産するのか戦略が違ってくることが推測されます。以下に見ていきます。
応援よろしくお願いします。
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編6 ~資源(レアメタル・コモンメタル)の使用状況、利用先、使用量~
みなさん、こんばんは~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編5 ~石油・石炭の使用量・利用先~では、
次代のエネルギーの条件
自給自足出来るか?
自然の摂理に則っているか?
共認原理に則っているか?
のについて、現代のエネルギーの主流である石油・石炭の自給の可能性を追求しました。
石油は、現状、国内資源に乏しく、現在の消費量のうち自給しているのはたったの0.3%。
これでは、今後エネルギー量が減少していくことを考慮しても、到底まかないきれません
“石油エネルギー”は代替エネルギーで賄えますが、“石油製品”は代替の可能性が見つけられていない大きな課題です
では、その石油製品を石炭で賄うとどうなるのでしょうか 🙄 ?
日本で自給できる石炭で、石油製品(化学製品)を賄うには、“50年分オーダーの値”であると想定する。
こちらも、継続的に自給出来るかどうかという点では、非常に難しいことがわかりました 😥
今後、脱石油製品は大きな課題です
今回は、同じく“資源”という点で非常に欠かせない、
『金属類はどうなっていくのか?』を調べていきます
まずは、そのための基礎情報を調べてみました~
(画像はコチラからお借りしました )
続きを読む前に、応援クリックお願いします
(いつもありがとうございます )
『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 4.藻が生産する成分を丸ごと活用するのが理に適っている!
前回までは、石油の代替物として藻類から油脂成分を取り出そうとする先端の動きを追い、3万種ある藻類の中から、油脂成分を貯蔵する特定の種だけを選別して培養し、油脂成分のみを抽出する競争をしていることを紹介しました。
*茎長が5~7cm、カサの直径が1~1.5cm. の巨大な単細胞緑藻のカサノリです。藻類には多種多様な種があるのですね。
「藻類画像データ(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室)」より借用させていただきました。
ところが、藻類も植物であり、自然の摂理の観点からは無駄なところは何もないはずで、特定の必要成分を活用するばかりではなく、藻を丸ごと活用するほうが理に適っていると言えます。
そこで、今回は、
1 藻類の2つの活用戦略
2 藻類をどのように丸ごと活用するのか。
3 丸ごと活用に向けての課題
を考えていきます。
応援をよろしくお願いします。
『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電5-2/2 トリウム資源は日本にあるのか?』
前回の記事『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電5-1/2 トリウム資源はどこにどれくらいあるのか?』では、トリウム埋蔵量をウランと比較し、日本に存在するのか?の提起までを書きました。
トリウム埋蔵量はウランに比べて3~4倍あり、ウランに比べて遍在性も高いと言われていますが、
確認埋蔵量は、ウランもトリウムも総量はほぼ同じです。産出量はウランではオーストラリア、トリウムではアメリカが突出しています。表を見る限りは、ウランに比べれば広範な範囲に存在していますが、構成比には偏りがあり、「遍在性が高い」と言えるかどうかは微妙なところです。
モナザイトは花こう岩に含まれる鉱石です。そして火山国である日本には花こう岩は至るところに存在しています。本当に日本にはモナザイトはないのでしょうか?それで調べてみると実は日本にも「ないわけではない」ことがわかりました。日本にもあるとすれば、新たな可能性が見えてきます。
今回は前回記事における「ウランとトリウムの資源量」の整理と、トリウムが日本に存在するのかどうかを調べてみました。
それではトリウム探索の航海へ!
いつもありがとうございます。
『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 3.藻から作る油の開発競争(後編)~日本は海の領土(排他的経済水域)をどこまで生かせるか
前回は、基礎研究から実証研究へと進んでいる2グループの動きをみてみました。
1.地球環境産業技術研究機構の基礎研究を再開させたデンソー・慶応大学グループ
2.実証研究の段階に入った筑波大学・環境研究所グループ
今回は、日本の動向2回目として、プロジェクトの動きを紹介します。
3.実用化を最初から目標としている海洋バイオマス研究コンソーシアム
4.藻類の大量培養にノウハウをもつDIC(大日本インキ)
図は、海洋バイオマス研究コンソーシアムの開発イメージです。
(なお、東工大のHPが変更になり「海洋バイオマス研究コンソーシアム」の頁が消えています。)
本文を読む前に、いつものクリックを!
『次代を担う、エネルギー・資源』 環境問題・新エネルギーをめぐる観念パラダイムの逆転①
こんにちは。久々の登場です。
これから、新エネルギー・資源シリーズの1つとして、 「環境問題・新エネルギーをめぐる観念パラダイムの逆転」 を扱って行きます。
現在、環境問題・エネルギー問題に取り組んでいる団体・サークルは数多く存在しますが、そのほとんどが行き詰まり、団体間のネットワーク化も進まず、環境活動自体が閉塞状態にあります。
一方で、新資源、新エネルギーの可能性の発見や、「農」に関心を寄せる若者が増えているなど、従来の環境問題やその本質である市場経済を超えた可能性へ収束する流れも芽生え始めています。
その差は、何なのか?
それは、環境問題を考える上での観念が旧く、みんなの潜在思念と大きなズレがあることに原因があるのではないでしょうか?
この視点を基に、では、どんな観念が必要とされるのかを追求して行きます。
と同時に、我々、日頃、農に携わっているので、新エネルギーの発掘と並ぶ課題でもある「エネルギー循環」の1つとして、従来の化石燃料に依存しない循環的農業(システム)についても、現場からの実感も含めて追求しますのでよろしく!
エネルギー循環に則った農業を考えるだけでも、有機農業、自然農法etc.は、数多ありますが、これが、決定打、あるいは、この地方、条件では、これっと言えるような確立したものは、まだありません。やはり、それらも、みんなの潜在思念とフィットしたものにはなっていなくて、観念が先行しているからではないでしょうか。
KITA-NATTOな日々★blogさんからお借りしました。 自然農法国際開発センターさんからお借りしました。
では、
第一回目は、
環境活動が閉塞している一方で、
農が注目されるのはなんで?
続きを読む前にぽちっとよろしく!
『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電5-1/2 トリウム資源はどこにどれくらいあるのか?』
『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電2 核エネルギーを利用した発電システムを概観する2/2』では、トリウム原子力発電の可能性を追求する論点を示してくれています。今日は、そのうちのひとつを追求してみます。それはトリウムという元素はどのくらいあるのだろう?ということです。
「花崗岩」 いつでもLOUPEさんよりお借りしました。 「モナザイト」 モナザイトさんよりお借りしました。 「ウラン鉱石」 ウラン鉱石さんよりお借りしました。
★トリウムを含むモナザイト(モナズ鉱石)ってなに?
「トリウム燃料サイクルの研究開発と動向」(東京大学名誉教授 山脇道夫他 日本原子力学会誌Vol47 2005)によるとトリウムはウランや希土類(レアアース)とともに鉱石に含まれており、地殻中に4~10ppm含まれると言われています。トリウムを含む鉱物として代表的なのが、花こう岩1Kg中に80g程度含まれるとされているモナザイトです(モナザイトはレンズの研磨剤とかテレビのブラウン管、健康器具のセラミックボールなどに使用されています)。
モナザイトはトリウムを含む鉱石というよりは、レアアース(希土類)を含む鉱石としてのほうが有名で、希土類を取り出した後の残渣(残りかす)にトリウムが含まれるという言い方をされるほうが多いようです。
モナザイトにはトリウムばかりではなく、ウランも含まれていることがあります。ブラジル南部海岸のモナザイトにはウラン0.3%、トリウム6%が含まれているそうです。
一般的に、モナザイトは海岸の砂や川床に集積していて、その採掘はウランのように地下深くまで掘り下げる必要がないことから非常に容易だということです。また、モナザイト中のトリウムの含有量は約10%近くあり、ウラン含有量の低いウラン鉱石よりも効率的な採取が可能です。さらには、採掘から精錬過程においての被爆のリスクもウランより低いという利点もあるようです。
では、トリウム(モナザイト)はどのような国にあるのでしょう。
それではトリウム探索の航海へ!
いつもありがとうございます。
『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 3.藻から作る油の開発競争(中篇)~基礎研究を再開しているが、どこまで行けるか日本
前回は、藻類からつくる燃料の開発競争が米国を中心に進んでいることをみました。専門のWebサイトが立ち上がり、藻燃料の専門シンポジュウムが開催され、産業化への動きが加速しています。
その動きの中で、面白い記事がながれました。藻類の商業生産プラントを稼動させている日本企業の培養サイトに、見学者が多数訪れているというものです。
藻類のバイオ燃料化に取り組んでいる米国のNPO法人・ABOが先だって開催した「2009年藻類バイオマス・サミット」のオプショナル・ツアーでは、DICの100%子会社、アースライズ・ニュートリショナルズ(本社:米国カリフォルニア州)のスピルリナ大量培養現場への見学会が実施され、世界各国から100名を超える参加者の大きな好評を博しました。
バイオ燃料用途としての藻類研究で注目されるDICグループのスピルリナ培養ノウハウ
-DICグループの約35年の長きにわたるスピルリナの大量栽培実績に高い関心-
(DIC株式会社プレスリリース2009年12月24日)リンク
アースライズ社のスピルリナ(藍藻の一種)の大量培養サイト(DICより)
なかなか、頼もしいですね。
日本の研究開発の動き、以下のように追って見ます。今回は1と2をとりあげ、次回は3と4です。
1.地球環境産業技術研究機構の基礎研究を再開させたデンソー・慶応大学グループ
2.実証研究の段階に入った筑波大学・環境研究所グループ
3.実用化を最初から目標としている海洋バイオマス研究コンソーシアム
4.藻類の大量培養にノウハウをもつDIC(大日本インキ)
本文を読む前に、いつものクリックを!