2010-03-19
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編5 ~石油・石炭の使用量・利用先~
これまで、
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編1~世界と日本のエネルギー消費の現状~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編2~運輸部門のエネルギー消費はどうなるのか?~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編3~民生部門(業務、家庭分野)のエネルギー消費の実態は?~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編4~産業部門(製造部門)のエネルギー消費の実態は?~
過去4つに分けて、日本の3部門(運輸、民生、製造)でのエネルギー消費を押さえてきた。そして、予想では今後20年間では約6~7割へのエネルギー消費は縮小していくと考えられています。
ただし、必要なエネルギー消費量が縮小したとしても、依然として日本のエネルギー自給のカギを握るのは、石油、石炭および天然ガスの化石燃料です。
今回は、その中でも石油と石炭に絞って現在の使用量や利用先などについて調べて行きたいと思います。
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『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電4 炉の構造におけるウラン原発炉とトリウム溶融塩炉の比較』
本編シリーズ3では、“燃料として”のウラン系統とトリウム系統の原発の性能比較を行いました。
シリーズ記事『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電1 核エネルギーを利用した発電システムを概観する1/2
の中で、
固体燃料の原子力発電所では、燃料装着、連続処理、メンテナンス等の点において合理的でないのに対して、液体化燃料を使用する溶融塩炉では、液体循環システムを主体とした単純なプラントとして設計可能で、固体燃料型炉の弱点を克服できる。
とまとめましたが、今回具体的な中身に迫っていきます。
その前に一般的に原子炉にはどんな要素があるかを見ておきましょう。
☆原子炉に必要な要素って何?
まず、核分裂を起こすには中性子が必要です。何らかの方法で核燃料に中性子を当てると分裂し、その中から「熱」と「中性子」が飛び出します。飛び出した熱を電力として利用するには、発電機まで運び出す熱搬送媒体(=冷却材)が必要です。
また、電力を継続的に生み出すには、この核分裂で飛び出た中性子を周囲の核燃料に当てて、連鎖的な核分裂(=臨界状態)が必要です。そのためにはこの中性子の速度を落とす必要があり、この働きをするものを「減速材」と言います。(※)
※なぜ中性子の速度を落とすと周囲の原子に当たりやすくなるのか?
(速度が速いと当りにくく、遅いと当りやすいのは、お互いの粒子間に核力が働き、お互いが引き寄せられるので、遅い方が当たる確立が上がる。というのが有力な説です。)
この「熱搬送媒体」と「減速材」が炉の構造に必要不可欠な要素ですが、「固体燃料炉」と、「液体化燃料炉(=トリウム溶融塩炉)」では下記のように異なります。
【固体燃料炉】 熱搬送媒体:水 減速材:水
【液体化燃料炉】 熱搬送媒体:溶融塩 減速材:黒鉛(C)
それではこの違いにも注目しながら、炉のシステムを見ていきましょう。
【シリーズ過去エントリー】
1.『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電1 核エネルギーを利用した発電システムを概観する1/2
2.『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発2 核エネルギーを利用した発電システムを概観する2/2
3.『次代を担う、エネルギー・資源』 トリウム原子力発電3 核化学反応におけるウランとトリウムの比較
4.『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?①~
5.『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?②~
『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 3.藻から作る油の開発競争(前編)~グリーン・ニューディールのもと、実用化へ走る米国
前回、微細な藻が作り出す油脂は、単位面積あたり地上植物(の種)に比べ、数百倍の生産量になり、注目が集まっていると確認しました。
今回は、オバマ政権の「グリーン・ニューディール」政策のもと、実用化に走り出した米国の開発動向を中心に紹介します。
ウォールストリート・ジャーナルの2010年2月22日の記事が、現状を伝えています。
藻類の生物燃料、実用化への長い道のり
現在、世界中で約150の会社が、藻類の生物燃料を商業化するために活動しています。そして、米国の政府補助金は、過去数年間にわたって拡大しています。エネルギー省は、最近、藻類の生物燃料を商業化する研究のために4400万ドル(約40億円)を補助し、藻のパイロットプラント・実証プロジェクトに9700万ドル(約100億円)を補助することを決めました。
藻が作り出す生物燃料の研究開発、実用化への動きをみてみましょう。
1.藻が作り出す生物燃料の開発・実用化ステップ
2.研究を再開したNREL(国立再生エネルギー研究所)・微細藻類研究所
3.民間は実用化競争へ、但し、課題は大きい
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『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?②~
〈前回のおさらい〉
らざふぉーど(以下、R):前回の♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?①~では、
①原子の基本的構成
②原子核の構成が物質の性質を決めている。
③原子核の構成が変化するときにエネルギーが放出される。
について習ったね。
コメット(以下、K):③について質問があるんですが、どのようにして核反応からエネルギーが生まれてくるのでしょうか?
R:じゃあ、具体的な物質を例にして考えていこう。
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『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 2.植物の光合成と油脂成分の貯蔵 ~藻と高等植物の油脂(大豆油・菜種油)を比較してみる~ 藻類の可能性とは?
石油に変わる新エネルギーとして、世界が注目する「藻からつくる石油」。その油脂成分を生成する藻類の可能性追及第二弾をお送りします 😀
石油をつくる藻がいる!な~んて話しを聞くと、
「え~!!?」
わたしたちは思わず吃驚(ビックリ)仰天してしまいます。
でも、植物油って聞くとどうでしょうか?
「ん~。ふつうかも?」
そうですね。紅花油・ゴマ油・菜種油・大豆油・米油・オリーブオイル・・・わたしたちの身近には植物たちの作った油脂がたくさん溢れています。わたしたちの植物が生成する油脂の利用は意外にも古い歴史があるのです。
「でも、それって食用じやないの?」
今でこそ、食品利用のイメージが強い植物油脂ですが、その用途はエネルギー利用として始まっています 😉
「!!!」
今回は、油脂の歴史と光合成の構造、陸上植物との比較から藻類の可能性を探ります
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『次代を担う、エネルギー・資源』状況編4~産業部門(製造部門)のエネルギー消費の実態は?~
『次代を担う、エネルギー・資源』状況編3~民生部門(業務、家庭分野)のエネルギー消費の実態は?~に引き続き、いよいよ、エネルギー使用の約半分(45%)を占める産業部門のエネルギー使用量の実態と今後の予測について調べてみたいと思います。
では、産業部門全体のエネルギー消費を確認してみます。
1.産業部門全体のエネルギー消費
「産業部門とは、製造業、農林水産業、鉱業、建設業の合計であり 、エネルギー消費全体の約45%を占める最大の部門です。また、そのうちの約9割を製造業が占めています。1973年度と2007年度を比較すると、経済規模は約2.3倍になり、製造業全体の生産も約1.9倍に増加していますが、製造業のエネルギー消費は微増にとどまっています。このように石油ショック以降、製造業におけるエネルギー消費が抑制された主な要因としては、省エネルギーの進展と産業構造の変化(素材産業から加工組立型産業へのシフト)が考えられます。」
2009年エネルギー白書よりお借りしました。
グラフで見るとほとんどを製造業が占めています。ただ、’73年のオイルショック以降は、ほぼ横ばいで推移しています。次に、この9割を占める製造業の内訳を見てみたいと思います。
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『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電【番外編】♪原子力コラム♪~核反応ってなあに?①~
画像は原子力地域の素顔さんからお借りしました
コメット(以下、K):らざふぉーどさん、こんにちは。
らざふぉーど(以下、R):よく来たね。今日は何か聞きたいことでも?
K:今、原子力発電について勉強しているの。それで、ちょっとわからないことがあって・・・
R:ふむ。なにかな?
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K:環境ブログ記事『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力2 核エネルギーを利用した発電システムを概観する 2/2を読んだの。そこには、
石油は燃えると熱を出します。これも化学反応ですが、原子(や分子)の組み合わせが変るだけで、原子そのものが変化するわけではありません。それに対して核分裂などの核化学反応では、原子そのものが変化します。
・・・という風に書かれているんだけれど。
たしか、中学校の理科では、原子について、『なくなったり、新しくできたり、他の種類の原子に変わったりしないもの』って教わったわ。
R:うん。中学理科では、原子の性質として
①それ以上分割できない。
②なくなったり、新しくできたり、ほかの種類の原子にかわったりしない。
③種類によって質量と大きさが決まっている。
という風に教わったんじゃないかな。(「りかちゃんのサブノート」参照)
でもね、実は、原子っていうのはひとつだったものがふたつに分かれたり、同じ種類の原子でも大きさが変わったり、他の原子に変わったりすることがあるんだよ。
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『次代を担う、エネルギー・資源』水生圏の可能性 1.藻類の中に油脂成分を大量に生成する種類を発見 ~何故、油脂成分を貯めこむのか~
みなさん、こんにちは :o
新シリーズ、「水生圏の可能性」第一回目。
今回は、藻類の中に油脂成分を大量に生成する種類の発見の歴史、そして、何故藻類が油脂成分を貯めこむようになったかに迫りたいとおもいます
↑Macro Algae(大型の藻)の開放池方式(GGASS社)
写真はココからお借りしました♪
まず初めに、みなさん『藻から油』なんてつくれるの 🙄
最新の研究なの
とおもわれるかもしれませんが、実はこの研究、なんと1970年代から行われているのです。
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健康=元気の素ってなんだろう?10~最終章:人はみな「生かされている」
こんばんわ
「健康=元気の素ってなんだろう?」シリーズも、いよいよ最終章です
(シリーズを読み直したいかたは、ココ(リンク)をみてくださいネ )
みなさん、今まで
「生きるってなんだろう ?自分ってなんだろう? 」
って、考えたことありますか?
たぶん・・・みなさん、一度はあるのではないでしょうか 😉
今日は、その問いに答えちゃいます 😀
その問いの答えが・・・健康=元気の素に繋がっていくのです
続きを のあとに どうぞ
ありがとうございます
P.S 「このトップにあるイラスト、可愛い~ 」と、思った方は、ここをクリック
なんでやカードがネットで購入できます
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電3 核化学反応におけるウランとトリウムの比較
『核エネルギーを利用した発電システムを概観する』を2回にわたって連載してきました。
今回は、その中で取り上げられていた、『4.原子炉の中ではどんな核反応が起きているのだろう?』について、詳しく見ていきます。
★ウランとトリウムについて、核分裂反応後にどんな放射性廃棄物が生成されるのだろう?
★ウランとトリウムからエネルギーを取り出す際に物質ごとの効率の違いはあるのだろうか?
★放射性廃棄物の人間に対する影響は?
の3点について検討していきます。