2008-09-04

石油より石炭火力が問題とされる理由、それは本当か?

Simasanです。
近頃、石油価格の高騰で発電や鉄鋼業界で石炭火力発電を復活させる動きがあるようです。
これに対し、環境保護団体からはCO2の排出が多い石炭火力の建設計画の中止を求める動きが起こっている。以下「日本のCO2排出増加の元凶・増大する石炭火力発電に「キャップ」を」
より引用
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石炭火力発電所の増設に反対し、イギリス環境省の玄関前に石炭を積み上げて抗議する。(写真提供:グリーンピース・イギリス)
>1990年ころを境にたくさんの石炭火力発電が増えてきたが発電効率は決してよくないこともわかる。石炭火発は発電効率が低いことに加えて、天然ガスの1.8倍もの二酸化炭素を出すことから,燃料転換するだけで発電効率向上とCO2排出抑制のダブルで削減できる可能性が大きいことを示している。
暖房や料理の燃料としての練炭、木炭、列車や船の燃料としての石炭など、炭は昔から日本人にとっても馴染み深い燃料であるが、果たして、石炭はそんなに環境に悪いのか?
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以下、石炭や石油など化石燃料を燃焼した時に生じる硫黄酸化物(SOX)や窒素酸化物(NOX)の問題、さらに現在のCO2排出起源温暖化の問題について、面白い記事を見つけたので紹介します。
以下、るいネット「酸性雨問題はどこへいったのか?」より引用

今ではほとんど聞くことがなくなったが、「酸性雨」という問題がクローズアップされていたことがある。
酸性雨とは、化石燃料などの燃焼で生じる硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で反応して生じる硫酸や硝酸などを取り込んで生じると考えられるpHの低い(5.6以下)雨や雪のことをいい、「山林が枯れる」「湖の魚が死ぬ」「建築物(大理石)が溶ける」といった被害の実態が多数報道され、人体にも大きな影響を及ぼすと言われていた。
その原因は、火力発電所や工場、また自動車、飛行機などから排出される硫黄酸化物や窒素酸化物が問題であるとされた。
その後、ウィーン条約、ヘルシンキ議定書、ソフィア議定書等と国際的に問題が取り上げられ規制化、そして対策が義務付けられることとなり、あらゆる工場に脱硫・脱硝設備を導入するため、巨額のコストが掛けられたのだ。
環境問題解決という大義名分を得て新市場が成立した。
アメリカ政府はNAPAP(全米酸性雨評価計画)という組織を作り、調査を開始するとともに、SO2排出量取引を開始した。これが現在のCO2排出権取引の走りである。
そして、各国ともに対策がほぼ行き届く(対策市場が終焉)と共に、「酸性雨」という言葉が報道されることはなくなり、人々の意識からも消えていった。
しかし、よくよく調べてみると、アメリカのNAPAPは酸性雨と植生の関連性はなかったと発表しており、日本の環境庁の調査結果でも生態系への影響については明確な兆候はみられていないと発表されているのだ。
日本では現在でもpH4.7程度の酸性雨が降っている。しかし何も問題視されていない。
「酸性雨」だけでなくオゾンホールやダイオキシンなどといった数々の問題が環境問題としてクローズアップされてきたが、その全てが市場拡大のためのプロパガンダであったといえる。
そして現在の新たなプロパガンダが「CO2温暖化」なのだ。

引用終わり
脱硫・脱硝技術で公害問題はほとんど解決したが、いくらコストが安くても、今度はCO2排出で石炭は劣っているので使うな、という訳である。しかし、同じ化石燃料でも石炭より圧倒的に使用量が多い石油は発電には殆ど利用されず、自動車や飛行機など輸送手段の燃料や石油製品へと加工され、それらの利用価値が高いのであまり問題とされていない。
石炭は燃やされると灰と硫黄・窒素になるだけで、現在使用している石炭から排出される硫黄分だけなら国内で消費(化学製品やゴムの製造に利用される)できる。しかし、石油は石炭の2倍以上の使用量があり、そこから除去される硫黄分は石炭の3倍と言われる。さらに、石油の2次加工製品が毎年廃棄物となる量は計り知れない。
ちなみに、石炭のCO2発生原単位は251.3g-C/kWhで、石油202.2g-C/kWhの1.2倍単位排出量が多いだけである。このマイナス分を差し引いても、発電単価は石油の1/3と、石炭へ発電をシフトする動きは、石油高に苦しむ業界のやむを得ない事情からである。
従って、冒頭の記事で環境保護団体が唱える、
>燃料転換するだけで発電効率向上とCO2排出抑制のダブルで削減できる可能性が大きいことを示している。
は、快美・利便性重視→大量消費→廃棄物という石油文明の根本問題を捨象し、効率重視やCO2排出だけをクローズアップした、ゴマカシではないか。

List    投稿者 simasan | 2008-09-04 | Posted in F.エネルギー問題ってどうなっているの?No Comments » 

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