環境ホルモンってどんな問題だったのか~その2~
みなさん、こんにちは~
長らくお待たせしました
今日は、「環境ホルモンってどんな問題だったのか~その2~」をお届けしたいと思います
前回(「環境ホルモンってどんな問題だったのか~その1~」)は、
環境ホルモンって何?
いつから・どのように騒がれたのか?(年表)
環境ホルモンに関する新聞報道件数のグラフ
から、「環境ホルモン騒ぎ」の実態をおさえていきました。
この資料から見えてくることは、ある一時だけ騒がれて、その後一気に盛り下がったという現状です。
これは、特に『環境ホルモンに関する新聞報道件数のグラフ』を見てもらうとよくわかると思いますが、98年の前半には、あっても50件だった報道数が、98年の中盤には一気に800件にも膨れ上がり、かと思うと約一年後には約200件にまで下がり、その後年を経るごとに件数は少なくなっていって、今やほとんど話を聞かない、という状態になっています。
一体、なぜそのようなことが起こるのか?
今回は、この『なぜ環境ホルモンがあれだけ盛り上がり、急激に沈静化したか?』という問題を解明していきたいと思います。
続きは、ぽちっとしてからお願いしまっす
『なぜ環境ホルモンがあれだけ盛り上がり、急激に沈静化したか?』
この問題を考えていくと、大きく2つの原因に分かれることが見えてきました。
ひとつは、【マスコミの過熱報道という問題】。
もうひとつは、【大衆の意識潮流の問題】です。
では、これらを一つずつ考えていきたいと思います。
【マスコミの過熱報道問題】
環境ホルモンが一時のブームで終わった現象には、大きくマスコミの問題が絡んでいます。
一言でいうと、「マスコミが必要以上の過熱報道をした」ということが原因なのですが、そのやり方に大きな問題を感じます。
問題1.根拠不足だったのに報道したこと。
本当に環境ホルモンが生物に影響を与えるのか?という事実的裏づけがとれていないのに、ネタほしさに報道したということです。その証拠に、研究の結果、環境ホルモンの問題ではなかったと判明した事件が多数あります。
一つ例をあげると、『多摩川のコイがメス化している』という事件が、NHKスペシャルで特集が組まれて報道されたのですが、それは、「ノニフェノールが多摩川で検出されたが、そのノニフェノール濃度はメス化を引き起こすには十分ではない。どの化合物が原因かはわからない。かえって不気味だ。」という内容の報道でした。
ここでは、ノニフェノールという環境ホルモン物質が原因ではないと言ってはいるものの、確実に他の化学物質(例えば、合成洗剤の原料物質など)が原因だと思わせるような報道をしています。
しかし、その後の研究の結果で明らかになった本当の原因は、ノニフェノールでもなく、他の化学物質でもなく、多摩川近くの下水処理場から来る、し尿の中に含まれる「女性ホルモン」が原因であったことが判明している。この件に関しては、間違いであったという内容の記事が、2000年6月13日の読売新聞で発表されています。
このように、本来事実を報道する立場であるマスコミが、裏づけが取れていない内容を注目されるネタほしさに報道していたことは、明らかに問題です
さらに加えて、上記の例では、「別の原因だった」という修正報道を行っているのでまだマシとも言えるのですが、実際は、環境ホルモンが原因ではなかったと判明しても報道は行わず、放置され続けているのが現状で、マスコミが「修正」を行っていないという問題もあります。
問題2.わざと危機意識をあおるような報道をしたこと。
さらに、もう一つのマスコミの問題として、注目を得るために「わざと危機意識を煽る」ような報道の仕方をしたことです。
これは、例えば、「男性の精子数が減少している」や「へその緒から環境ホルモン物質が検出された」という報道のように、環境ホルモンは生物(人間)の『生殖機能』に影響を与えるという部分を過剰に注目して報道をしたことが挙げられます。生物にとって最も重要な課題である『生殖』関わる問題というのは、本能的にも危機感が生起するのは当然であり、マスコミはその危機感を煽り注目を集めるという手法を取っています。
さらに、注目を集めるという手法で言えば、「環境ホルモン」という名称にも問題がある。
「環境ホルモン」は造語であり、もともと学術名称の「外因性内分泌攪乱化学物質」という名称しかなかったところを、市民にとってはおなじみの「環境」という言葉と、耳慣れしている「ホルモン」という言葉を合わせて使うことによって、人々の意識に入り込みやすくさせたことも、注目を集める要因となりました。
この上記二点のようなマスコミ報道の仕方が、結果的に一時的な環境ホルモンブームを巻き起こし、しかし実際は根拠のない内容だったので、そのブームも長続きせず、短期間で下火になっていく、という現象を生みだした原因です。
ただ、もちろん発信者であるマスコミが大元の原因ではあるもの、それを受けとる側である【大衆の意識】にも問題がありました。それがまた、このブームを大きくした要因だと思います。
では、この【大衆の意識潮流】は、どういったものだったのか?
ということは、長くなったので~その3~に続きたいと思います
長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました
どうぞ次回もお付き合いくださいね
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コメント7件
goqu | 2008.01.19 0:14
>y.suzukiさま
コメントありがとうございます!
水を調べていくと、ヒトの体の仕組みも分かってきます。
自然の摂理なのだから当たり前なんでしょうけど、面白いですね。
商品としての価値ではなく、自然の摂理の大切さという観点でとらえていきたいと思います。
yakusho | 2008.01.26 13:51
水道水のことを書いた私のブログ(「堅実生活マニュアル」 2008-1-15)の記事にリンクさせていただきました。(事後報告ですみません。)今後も参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
アトピー性皮膚炎:注意する点 | 2008.04.02 13:42
アトピー性皮膚炎:注意する点
一般的に皮膚が弱く、赤ちゃんの頃にオムツかぶれがおきやすかったり、大人になってからは化粧品や塗り薬、、洗剤などで接触性皮膚炎を起こしやすい人が、アトピ…
reitrefly | 2013.08.07 21:19
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川人洋造 | 2014.02.12 8:20
地下水自給自足の井戸時代から一局集中給水の蛇口時代になり、塩素殺菌剤を投入して伝染病を防いでいる。フミンと塩素の化学反応生成物がトリハロメタンであると聞く。これは発ガン物質で濃度管理で安全が確保されているらしいが、食物連鎖による生物体内蓄積は想定されてないと考えている。他方焼却灰など不要廃棄物の浸出水による二次汚染が環境負荷となっており、国は根本対策を急ぐ必要がある。
y.suzuki | 2008.01.16 22:03
goquさん、水が危ないシリーズを盛り上げましょう。
この論点であるように、有害性を捏造し、ウォーター市場を活性化しようとするたくらみがあったのではないかと思います。
われわれにとって必要なのは、H2Oのみならず、生きた水分なので、ミネラル、多少の雑菌も差し支えありません。
まさにrolling water と申しましょうか、流水は腐りませんから。
それを、大量にしかも常時、供給せざるを得ないこと、あるいは市場化しようとするたくらみで、水が死んでいくことになってしまうのではないでしょうか?