2022-05-29
人類の祖先である大型類人猿から木との関係があるからこそ木と人は親和性がある!?
Every evening #orangutans build a new #sleeping #nest in the treetops. They have developed sophisticated techniques for #building their nests. A sleeping nest has to support up to 100 kg and not only offer sufficient security, but also be comfortable. #Weekend #Forest #Palmoil pic.twitter.com/Z8dpQPUXso
— Orang-Utans In Not (@OrangUtansInNot) August 6, 2021
人工物質を使用した空間が人体に及ぼす影響が明らかになると同時に木が持つ可能性に注目が集まり、木材・自然素材が見直され、木材を活用した住宅や公共建築が増えてきました。
また、将来の持続的な森林資源の持続や、カーボンニュートラル、SDGs実現の観点からも、社会的に「木材」に注目が集まっています。
では“木は人にやさしい”“木ってなんか良い”その木と人との親和性の根源はどこにあるのでしょうか?
人類史を遡っていくと、そのヒントがあるかもしれません。
そこで、人類の祖先とされている大型類人猿が発見していた木の可能性や、大型類人猿と木との関係について探っていきましょう。
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『Roland Ennos(2021)The Age of Wood.(ローランド・エノス 水谷淳(訳) (2021)「木」から辿る人類史 NHK出版』より紹介
木の複雑な構造を理解する
大型類人猿にとって、木の枝の力学的性質を理解出来るともう一ついいことがある。枝を使って、安全に眠れる巣を作ることができるのだ。全ての大型類人猿は、林冠にお椀形の複雑な巣を自力で作ることができる(ただし、図体の大きいシルバーバックのオスゴリラは林床〔森林の地表面〕にとどまるのを好む)。そしてそのような巣を作ることで思いがけないメリットが生まれ、新たな可能性が開けるのだ。
類人猿以外のサルは、林冠の高いところにある枝の上で眠る。確かにヒョウやジャガーなど地上の捕食者からは身を守れるが、危険だし眠り心地も悪いはずだ。できるだけ太い枝を見つけてその上に座り、臀部の分厚くなった皮膚に体重を預けるが、それでも夜中に何度も目が覚めてしまう。しかしお椀形の広い巣の中で眠る類人猿はずっと安全で、長く深く眠ることができる。
(さらに…)
洞窟は偶然ではなく微生物たちの意思で生み出された!?
洞窟は人類の進化過程で重要な場所です。
樹上に適応でなくなった初期人類は洞窟に隠れ住みながら、極限の環境の中で人類が人類たる所以となる“観念機能”を獲得し、言語などの能力を獲得するに至りました。
その洞窟を形成したのは他ならぬ微生物でした。
以前のブログで洞窟があるのは石灰岩の地域である記事があります。>「人類が北方へ移動したのはなぜか?~石灰岩(洞窟)の分布が示す北上の証(http://web.joumon.jp.net/blog/2020/06/3720.html)」
何故、石灰岩の地層に洞窟が多いのでしょうか。
そこに微生物が深くかかわってきます。
「『人に話したくなる土壌微生物の世界』染谷孝 著(築地書館発行)」には微生物と洞窟に関係性について面白い話が多く記されていましたので、紹介したいと思います。