2022-05-17
雷は、宇宙と地球を繋ぐ連鎖放電現象
画像はこちらからお借りしました
1.地震や気象などを高精度で予測できる可能性を秘めた、宇宙と地球を繋ぐ連鎖放電現象としての雷
地球上の自然現象である、地球の自転・地震・気象や、さらには生物の生態までと、電磁力を中心とした宇宙とのつながりの関係で考えることで初めて、それらを貫く法則を読み取ることが出来る。
その中でも、雷の発生するメカニズムを追求することで電磁エネルギーの流れが鮮明になり、地球の自然現象を読み解く基礎認識になる可能性が極めて高い。それは、雷は宇宙と地球を繋ぐ連鎖放電現象であると捉えることが出来るからである。
現在では雷の観測結果から、雷雲の電荷分布、雷雲内の温度分布、落雷の種類とルートなどは概ねわかっている。しかし、仮説はあるがそのメカニズムはよくわかっていない。例えば、今までの論理では、上昇気流による雷雲の形成という1点からの分析なので、負府落ちる説明になってない。
その原因は、理論の元になったデータがベンジャミンフランクリン以来の地球上からのものがほとんどだった時代のもので、1900年台後半からの探査衛星等の観測データが大量に入手できるようになったもの、まだ反映されているとは言えず、ようやく宇宙の中の地球という視点での本格的追求がまだ始まったばかりだからだ。
磁力の発見の歴史~古代ギリシャ・ヘレニズム・ローマ帝国編~
今当たり前となっている「近代科学(西洋の科学)」は、キリスト教が唯一の勝者となった後のもの。したがって、「キリスト教」≒「物理学」、「教会」≒「学会」、「聖職者」≒「科学者」と置き換えると、ほぼそのまま中世の科学史にも通用してしまいます。
しかし、キリスト教が唯一の勝者となる以前(自然に対して宗教的自然観や魔術的自然観といった多様な見方が共存・競合していた時代)から、力の概念はどのように変遷してきたのかを山本義隆著:「磁力と重力の発見」で展開してくれているので紹介します。
ここで注目すべきは、重力という概念が近代(1600年代)に誕生したものであるのに対して、磁力は紀元前600年代から意識されていたということ。そこで、磁力の発見の歴史を今後シリーズで展開していくこととします。
〇磁気学のはじまり~古代ギリシャ~
<タレス>
磁石について最初に言及したのは、古代ギリシャで商業と海運で栄えたイオニアの港町ミレトスのタレス(紀元前624-546)と云われている。タレスは霊魂の働きを説明するために磁力を持ちだしており、磁力そのものを説明している訳でも、磁力の発見を語っているものでもない。つまり、当時すでに磁石の存在や作用自体はかなり知られていたことを示唆している。
<ミレトスのアナクシメネス(紀元前6世紀)>
「始原物質」として宇宙をみたす「空気」を措き、物質の変化は希薄化と濃密化によるものと考えた。どの物質も生命の維持に欠かせないことが経験的に知られていたため、霊魂を有する生命的存在として認識されており、この時代は宇宙全体が生きていた。そして、磁力は、無生物を含む自然の事物の有す生命の端的なしるしであった。
→ミレトスの哲学者たちは感覚的に捉えられる世界をあるがままに受け入れた。
<イタリア半島南部エレアのパルメニデス(紀元前5世紀)>
理性だけが信じることのできるもので、感覚は人を欺くと考えた。これにより純粋思惟が感覚的認識の上位に置けれ、認識における合意論が経験値に対置された。パルメニデスは、変化や運動は「有らぬもの」の存在を前提とするため不可能であり、生成や消滅、質的変化は見せかけに過ぎないと論じた。
→その後の哲学にとって、パルメニデスの「変化の否定」にどう答えるかが課題となる。
<シチリアのエンペドクレス(紀元前495-435)>
「四元素説(土・水・空気・火の4元素を万物の根として考える)」を提唱。「比率」という見方を導入し、現代風でいうならば、相互の「引力と斥力」により「定比例の法則」に則って結合と分離を繰り返す諸元素。
→この四元素理論は、西欧の物質思想に長期にわたり影響を及ぼし続けることとなる。
磁力理論として「磁石は鉄の両方から生じる流出物と、鉄からの流出物に対応する磁石の通孔とによって、鉄が磁石の方向へ運ばれる。」と説明し、磁力に対するミクロ機械論に基づく説明の最初のもの。尚、エンペドクレスは磁石に限らず全ての感覚について「個別の感覚の通孔に対して(何かが)適合することによって感覚が成立する。」と説明している。
→この時代には、物理的なものと生理的なものの間に区別がなかった。