2010-07-23
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電13~ サブガバメントモデルを支える電気料金の仕組み1/2
☆☆☆原発推進組織の資金源としての電気料金
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電7~原子力発電の推進体制を考える1・・・日本の原子力推進体制1より
日本の原子力開発推進体制は、官僚機構・電力会社を中心とした、政府からおおむね独立して意思決定を行える集団が、その制度を自ら強化し推進できる、自己増殖体制を確立したからです。アメリカの軍産複合体と酷似した体制的特長をもち、サブガバメントモデルともいわれています。官僚の暴走という現代的問題に重なります。
具体的には、官僚機構・電力会社の自己増殖集団は、社会的に要請される理由を超えたところで、原子力開発そのものに価値があるという共認と、世論の圧力をうけず強力に事業推進できる体制を持ち合わせてる、ということです。
この結果、世論に対して強行に政策実現できる体制が、推進派と反対派の対立を作り出し、とその狭間で地域住民の存在基盤である共同体をことごとく破壊してきたというのが日本の原子力開発の大きな流れです。
サブガバメント組織をもう少し具体的に言うと、経済産業省(旧通産省)・文部科学省(旧科学技術庁)・これら官僚機構の所轄団体である、独立行政法人等(核燃料サイクル開発機構等)・経済産業省支配下の10電力会社の利害を共にする連合組織です。
この組織は、政府内小政府とも言うべき性格を持ち合わせていて、政府からほぼ独立して、自らの組織に有利な意思決定を行うことが出来ます。そしてこの組織は、アメリカの軍産複合体と同様の性格を持っています。
このような組織が存在可能な理由の一つは、その組織維持に必要な資金を自らの手で獲得できるからです。その獲得方法に電気料金が使われているのです。
今回は、2回連載で、その仕組みに迫ってみたいと思います。