2007-01-14

エントロピー則からみる自然の循環構造 [第1回] ~環境問題の対象“世界”とそこでの自然の“則”~

こんにちは、asaokaです。
エントロピー則からみる自然の循環構造 ~プロローグ~でふれたように、『自然の物質循環構造』についての科学的理解と、自然循環の摂理に則った『環境評価指標値』の模索に入っていきます。
内容は、環境に対する見識として非常に共感させて頂いている槌田 敦 氏の
『「熱学外論 -生命・環境を含む開放系の熱理論-」 槌田 敦 著』

を紹介・参考にしながら考えていきます。
まず、最近は、大学の学部とか企業広報とか、様々なところで“環境”という言葉が使われますが、考えてみればこの言葉のもつ対象世界は抽象的ですよね
そこで、まず、第一回の今回は、環境問題を考えるうえで対象となる“世界”と、その世界での科学的“則”について考えてみます。
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(画像は「自然界の基本の力、法則を観る (藤田 佳孝)」より引用させていただきました)
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『「熱学外論」 槌田 敦 著』は次のように述べています。

■物理学における四つの世界
物理学では、世界を四つに分け、それぞれで成り立つ原理・法則はまったく別のものだとしている。
 まず、第一の世界は原子核の世界である。これは、陽子や中性子などの素粒子から構成される世界で、その原理・法則はまだはっきりとは理解されていない。
 第二の世界は、原子や分子の世界で、これは第一の世界の集まりであって量子力学が成立し、すべての現象は詳細均衡の法則により可逆的で、エントロピーの増大の原理はそもそも存在しない。
 第三の世界はわれわれの大きさの世界である。これは第二の世界の集まりであって、物質、エネルギー、エントロピーという三つの原理が成立する世界である。この世界は星まで含み、すべての現象・変化は非可逆的である。
かっては、生命の世界は、無生物の世界の法則とは別の法則が必要であるかのように考えられていたが、第三の世界の原理・法則の範囲で理解できるので、別の世界とする必要はない。
 第四の世界は宇宙の世界である。この世界は第三の世界の集まりであるが、その総体を示す法則として、物質、エネルギー、エントロピーの原理がそのまま使えるかどうかはわからない。さらに別の原理・法則があるかも知れない。しかし、これがわからなくても、現実のわれわれの第三の世界にはまったく関係ないことである。

環境問題は、上記の物理学でいう第三の世界が対象になります。
そして、その世界での“則”は、物質、エネルギー、エントロピーという三つの原理が成立する世界で、これを統合する則は『保存則』です。
この保存則に照らして、物や熱などエネルギーの作動物質が、自然のなかで循環して秩序化されていれば問題はないのですが、それが循環の摂理に反し、乱れ・拡散し蓄積されて、”異常”現象として急激に生物に影響を与える状態になったとき、それが環境問題(汚染)になります。
そして、この“乱れ・拡散・蓄積”されている状態を表すモノサシとしての物理概念が『エントロピー(≒汚れ)』です。
逆にいうと、自然の循環構造にあれば、エントロピーをもちだす必要が無いということになります。

また、太陽系に地球は存在しますが、太陽系が存在する銀河系には二千億個ともいわれる太陽のような恒星が存在します。そして宇宙には銀河系のような系が果てしない数で存在します。
つまり、宇宙空間から見れば、地球の物質、エネルギー、エントロピーの変化は数値化できないほど小さいものです。
その意味で、地球からエントロピーを宇宙に廃熱しても、それはまったく問題になるレベルにはならないと考えられますし、宇宙空間における循環に還元できるとも考えていいでしょう
これも逆にいうと、宇宙に還元できる状態であれば、エントロピーをもちだす必要も無いということになります。

以上から、環境(汚染)問題が発生しないための条件は2通り
ひとつは、エントロピーが地球内で(熱もしくは物の)作動物質として自然の循環回路に還元できる構造であること。
もしくは、廃熱としてエントロピーを宇宙に放出する構造になっていること。
のどちらかになります。
さて、後先になりましたが、では肝心の「エントロピー」とは?
この概念は、正直わかりにくい概念ですね
エントロピーについては、毎回ふれていきますが、今回も少しふれておきましょう
『「熱学外論」 槌田 敦 著』より引用

ドイツの物理学者クラウジウスは、物体の温度Tとその物体に流れ込む熱量qという基礎的な二つの量から、物体の状態を示すもう一つの量Sを発見し、
ΔS≧q/T
という式を得て、この状態量Sにエントロピーと名づけた

ここで等号は可逆的、不等号は非可逆的の場合である。
この「エントロピー」という奇妙な名前は、ギリシャ語の変化を示す<トロピ>に接頭語<エン>をつけたものであった。このような威張った名前にしたのは、クラウジウスがこのエントロピーが世の中のすべての現象を支配すると考えたからである。また、エネルギーと関係が深いので、わざとエネルギーに近い発音の言葉にしたに違いない。
事実、クラウジウスは、上記の論文の中で、
1.世界のエネルギーは一定である。
2.世界のエントロピーは極大値へ向かう。
と断定した。しかし、この表現は正しくない。世界(宇宙)が有限でなければ、これらの二つの命題は証明不可能であって、少なくとも現在の知識では世界は光の速さで膨張しており、とても有限の世界とは考えられないからである。

物理学者クラウジウスというのは、1850年代に熱力学の第一法則(エネルギー保存則)から熱力学の第二法則を言った人です。
熱力学の第二法則とは、簡単に言うと、熱というモノは熱い方から冷たい方に向かって流れて逆はありません(不可逆)、と言う誰でも知ってる経験則のことです。
そして、この状態移動のなかで、積もり積もった“モノ”が「エントロピーの増大」です。

(専門家からは少し異論があるかもしれませんが・・・)
環境問題を扱ううえでわかりやすくするために少し強引に言うと、
エントロピーとは、その物質や系にとっては使えない熱(廃熱)ということになります。
ただし、環境問題を扱う場合は、熱だけで捉えると視野を狭くするので、物についてもエントロピーの概念を適用していく必要があります。

ですので、環境問題を扱ううえでの「エントロピー」を極簡単にいうと、
状態Aから状態Bに移る時に生じる『廃熱、廃物』ということになります。
------- ・ ----------- ・ -------- ・ ---------
さて今回の最後に、
重要なのは、自然(外圧)は常に変化し、万物はそれに適応するために可能性収束します【万物は外圧適応態】
ですから、上記の自然の循環も宇宙へのエントロピー還元も、史的にみれば、自然(外圧)の変化に応じて変化してきました。
しかし、それは自然の外圧(やそれに対応した生物の種間圧力)の変化に対して万物が変化してきたのであって、
それが生物史39億年どころか人類史500万年のなかのほんの1%にも満たない現代に至る歴史の人類の行為により、環境問題は引き起こされているということです。
この自然の摂理に反する急激な異常現象を引き起こしているということに、われわれは真摯に向き合わなければならないということです。

今回はここまでにしておきます :P

List    投稿者 kirin | 2007-01-14 | Posted in I01.エントロピー則からみる自然の循環構造7 Comments » 

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コメント7件

 タマゴ丸 | 2007.02.14 23:23

「頭いいなぁ~」
なんておもっちゃいそうだけど、よーくみると、恐いですね・・・。
>いままで疑問に思ったことなかったです
気付かないこと、いっぱいあるんですね~・・・・こわい・・・・。

 かっし~ | 2007.02.15 22:30

ちょっとビックリしました…。
確かにファミレスのサラダの玉子って、みんな同じ形かも?!
玉子なんだがら切る部分によって形が変わるはずなのに、それすらも疑問に思わず食べてるってことも怖いですね~

 ぐうびるこ | 2007.02.16 0:01

100円ショップなどの台頭に見られるように、
全般に、食品や消費財の値段がおそろしいほど、安すぎますよね。
文明が過熟し、モノよりもサービスにお金を使う時代になって、食べることがあまりにも軽んじられてしまった結果だと思います。
それが、命の軽視につながっていると感じざるを
得ませんね。 
卵は本来、にわとりの赤ちゃんなのに・・・・。

 ミィミィ~ | 2007.02.17 17:40

これって最近スーパーで売ってますよ。
でも、ゆで卵を知らなければ変とも思いません。
最近、ゆで卵を知らない子がいます、信じられない事ですが ほんと 。
ひごろどんな食べ物を食べているのか、大変かわいそうになります。
家庭でゆで卵ぐらいは作りましょう。お母さん達~。

 なっつん | 2007.02.20 12:17

スーパーで売ってるんですか!?びっくりです。業者が見えないところで使用しているものだと思っていたら、消費者自身が「便利だし、見た目いいし~」ってくらいの気持ちで買うのでしょうか・・・?

 にほん民族解放戦線^o^ | 2007.02.21 2:42

農水・環境省の新認証制度「リサイクルループ(食の循環利用)」ホンマに大丈夫?

今日は、先日、農水省・環境省が発表した「リサイクルループ(食の循環利用)」について考えてみる。
「弁当、売れ残ったら飼料に 農水・環境両省が認定制度へ」…

 ナイツ | 2008.04.26 9:43

もしかしたらご意見違うかもしれませんが
まあ安部さんのお話は2~3割引くらいで聞いておいた方がいいんじゃないかなと思います。
彼は実際のところ某社の営業マンですからね、
その辺の視点で「食品の裏側」読み返すと巧みなカラクリがみえてくるかと思われます・・・
バランスがとれた視点になると思うので
松永和紀さんの「メディア・バイアス」も一緒にご一読されるとおすすめします。
以下のサイトは、もしよろしれければ、ご参考まで
http://www.kazu-net.ne.jp/letitbe/column/column_20060810174824.html
http://ameblo.jp/wv013230/entry-10075037113.html
http://blog.goo.ne.jp/salt_master/e/a81f2776ac95eef1a82a1c37fee8bb6d
http://tahata.at.webry.info/200803/article_26.html

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