2010-08-10
環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!1~『自集団の権益に固執する官僚制が、環境問題の障壁』~
エネルギー・資源や環境の問題は、国家規模で政策決定して解決していく必要がある。
しかしながら、『次代を担う、エネルギー・資源』シリーズの“原子力発電のサブガバメントモデル”で紹介したように、その大きな障壁になっているのが、国家の統合階級たる官僚とそこに群がる市場派で構成される集団だ。
この集団が特権的な職業として固定化され、巧妙に大衆の税金を巻き上げ己の権益にし、それを死守するために改革を妨げている。
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電7~原子力発電の推進体制を考える1・・・日本の原子力推進体制
日本の原子力開発推進体制は、官僚機構・電力会社を中心とした、政府からおおむね独立して意思決定を行える集団が、その制度を自ら強化し推進できる、自己増殖体制を確立したからです。アメリカの軍産複合体と酷似した体制的特長をもち、サブガバメントモデルともいわれています。
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電13~ サブガバメントモデルを支える電気料金の仕組み1/2
サブガバメント組織をもう少し具体的に言うと、経済産業省(旧通産省)・文部科学省(旧科学技術庁)・これら官僚機構の所轄団体である、独立行政法人等(核燃料サイクル開発機構等)・経済産業省支配下の10電力会社の利害を共にする連合組織です。
この組織は、政府内小政府とも言うべき性格を持ち合わせていて、政府からほぼ独立して、自らの組織に有利な意思決定を行うことが出来ます。そしてこの組織は、アメリカの軍産複合体と同様の性格を持っています。
このような組織が存在可能な理由の一つは、その組織維持に必要な資金を自らの手で獲得できるからです。その獲得方法に電気料金が使われているのです。
国家に寄生して甘い汁を吸う“官僚と市場が共謀した組織”が、エネルギー・資源や環境問題の改革を進める障壁になっている。
なぜ、そうなるのか?