2022-06-24
不食の仕組み②~呼吸で8割のエネルギーをどう生み出しているの??
不食の仕組み①に続く、
前回の投稿で、体を維持するエネルギーの割合の70%は呼吸によるもので、そのうち飲食によるものは10%しかない。」という論点を共有したが、いまいち理解しづらいので、これについて今回は深堀していきたいと思います。
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●まず、呼吸とは?
呼吸といえば、息を吸って吐いて、「スーハー、スーハー」している状態をイメージしがちですよね、私もそう思っていました。実は、この呼吸は肺によって行われる「外呼吸」といわれるものです。外呼吸以外でも、私たちの体内にある細胞は常に呼吸をしていて、それを「細胞呼吸」と呼びます。
●「細胞呼吸」って何しているの?
細胞はどのようにして酸素を用いて有機物を分解しているかというと、ずばり【ミトコンドリア】です。
私たちのほぼほぼの細胞にはミトコンドリアが含まれています。実は、このミトコンドリアは前回触れたATPとも密接に関係しています。ミトコンドリアが「細胞呼吸」をしている間にATPを生み出すらしい、、
(呼吸の化学式↓↓)
C6H12O6 + 6H2O + 6O2 → 6CO2 + 12H2O+ 38 ATP
グルコース + 水 + 酸素 → 二酸化炭素 + 水 + 38ATP
(ミトコンドリアからATPを生産する仕組みはこのサイトを参考にしてみてください↓↓)
ざっくりではあるが、「呼吸」について調べてみると、「酸素を用いて有機物を分解するすべての反応」⇒「呼吸」の方が概念として正しいですね!「呼吸」が70%ものエネルギーを生み出しているのも納得できる。呼吸の仕組みを見ていくと、生物が生命を維持するためには、タンパク質や脂質を摂取することが重要というよりも、これらの有機物を分解すること(=呼吸)によって、ATPを生み出す循環が大事ではないでしょうか、、、小さなモーターを体中で回し続けているように、、有機物を分解させることが大事だとすれば、必ずしも食事から有機物をとる必要はなさそうに思えます。ただ、食事以外で太陽や地球の磁場から有機物を摂取できるかどうかはまだ要追求。
(呼吸によるエネルギー発生のイメージ↓↓)
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少し余談ですが、前回自然界の中の不食の実現例として植物・光合成を提示しました。実は、呼吸と光合成は同じ化学反応をしているんです。ただ、呼吸と光合成はエネルギーの流れが違います。私たちが呼吸で使っているミトコンドリアと植物が光合成で使っている葉緑体すごく似たりよったりしているようです。次回は、これを切り口に深めていきたいと思います!
(呼吸と光合成の化学式↓↓)
呼吸化学式 C6H12O6 + 6H2O + 6O2 → 6CO2 + 12H2O
光合成化学式 6CO2 +12H2O → C6H12O6 + 6O2 + 6H2O
では、また~
【地震のメカニズム】「爆縮」とは?
【地震のメカニズム】地震は、マグマに溶存した熱解離ガスによる水素爆発
では、地震はマグマ溜まりに発生した爆発と爆縮の繰り返しである、と仮説を紹介しましたが、
キーワードとなる「爆縮」がイメージしにくかったので調べてみました。
調べてみると、意外にシックリ来る説明が出てこない。。。。
爆縮は、爆発の圧力を外部に解放するのではなく、内部圧力の上昇へと向かわせ、これによって通常では得難い物理現象を発生させるのに利用される。主として工学的な意味に用いられている。
との事。内部圧量の上昇?通常では得難い物理現象?
という事で別のサイトへ
爆弾の起爆用火薬などで生じる燃焼現象。全方向から均一に燃焼圧力をかけることによって生じる内部圧力の高圧化・上昇発火現象で、利用には高度な燃焼制御技術を要する。原爆の起爆方式の一技術。
全方向から均一に燃焼圧力をかけるってどういう事?原爆の起爆方式の一技術?
地震のメカニズムとは離れてきている気が。。。。
さらに別のサイトでは、
爆発による衝撃波が一点に集中するようにして、衝撃波により物質を瞬間的に圧縮する事。
純粋な炭素を爆縮すると、人工ダイヤモンドが生成出来る。
と人工的にダイヤモンドをつくる技術でもあるという。
いよいよ分からない。。。。と途方に暮れていると、化学現象の観点で爆縮を説明しているサイトを見つけました。
「水素爆鳴気」という物理現象は、水が臨界点を超えて酸水素ガスの状態になり発火点を超えて着火したときに、液体の水に戻る現象である。
*水は374℃で臨界状態になり酸水素ガスとなる。そして、570℃で発火し瞬時に水に戻る。これを爆縮反応といい、水の温度と発火点の温度を差し引いた熱が残る。
これだ。この論理だと、
水素・酸素ガスを溶存したマグマ溜まりが出来る
⇒マグマ溜まりの圧力が下がると溶存していた水素と酸素が気体となる
⇒それが結合して水素爆発する
⇒水素爆発することで瞬時に水となり、体積を小さくしようとする。【=これが爆縮】
という地震のメカニズムと整合します。
YouTubeで実験画像も見つけました。
ちなみに、爆縮を活かした新技術も開発されている模様。
Enecoガスは、爆発するのではなく、爆縮します。着火すると、パッと燃えて真空になります。つまり、空気の容量から液体の容量に水となって液相に移るので、その間がなくなり真空になります。エネルギーを外に無駄に流さない特徴があります。
これは分かり易いですね。
以上、今回は「爆縮」についてでした。
同じ言葉でも、物理と化学では、こうも使い方が違うのか。というのも気付き。素人的には困りますが、それぞれの分野が閉じていて、自分達に都合の良い言葉を使っているのでしょう。
さて、次回は本論に戻り、著者が提唱する新しいプレート「伊豆衝突帯プレート」を紹介したいと思います。
木の組織構造から可能性を探る~木の細胞にもみられる螺旋状の構造~
前回の記事では、“木は人にやさしい”“木ってなんか良い”その木と人との親和性の根源を人類史を遡りそのヒントを探りました。
木の性質や、自然素材としての木材の更なる可能性について探るため、木の組織構造と、それを利用していた初期のヒト族に着目してみました。
画像はhttp://forestchem.sakura.ne.jp/?p=720からお借りしました。
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『Roland Ennos(2021)The Age of Wood.(ローランド・エノス 水谷淳(訳) (2021)「木」から辿る人類史 NHK出版』より紹介
木の組織構造を利用する
初期のヒト族は掘り棒を使う際に、木の優れた力学的性質を活用したと思われる。前の章で述べたように、枝を曲げたときに折れる様子は木の組織構造に左右される。しかし枝の強度、剛性、靭性は、つまるところ細胞璧自体の分子構造によって決まる。細胞壁の剛性が高いのは、へミセルロースを主成分とする軟らかい基質の中にセルロースの結晶性微小繊維が埋めこまれていて、その基質がさらにリグニンという高分子によって固定されているためだ。その構造の美しい点は、繊維が細胞の長軸に対して約二〇度の角度でコイル状に巻きついて、長軸方向での細胞の強度を高めていることである。また細胞璧が壊れると、繊維のコイルが引き伸ばされたばねのようにほどけて、組織から何千本もの髪の毛状の繊維が突き出し、破断面がざらざらになる。このときに大量のエネルギーが吸収されることで、靭性がガラス繊維のおよそ一〇〇倍にもなり、さらなる破断を防ぐ。もっと剛性の高い人工建造物をも破壊するようなハリケーンにも樹木が耐えられたり、木製ボートがガラス繊維製のボートよりはるかに衝突に強かったりするのも、このおかげだ。
シューマン共振、アルファ波、テルヘルツ…周波数の法則はあるのか?
周波数の世界は、未知であり、いろんな可能性があります。地球の周波数「シューマン共振」や、気持ちの状態で変わる「脳波」、その中で注目される「アルファ波」「ガンマ波」、そして、鮮度を保つ効果があるなど注目されている「テルヘルツ」など、いろんな人が様々な名前をつけ、効果(実感も仮説も含めて)を発信していました。
それらはパラパラに見えて繋がりがあるのか、共通の事例があるのか、今回は周波数の表を作ってみました!
周波数は本当に幅広いので、まずは人が出す脳波に絞ってまとめてみました。
そして次が、脳波も含めて、今世間で注目される周波数を集めてまとめたものです。
これから付け足されるものも出てくると思いますが、今回作成する中で、気付いたことは二つ!
まずは、注目が集まっている(なにかカギになるかもしれない)のが、「7.8Hz」「7.8Hzの倍数」と、「3の倍数」であること。
例えば、「ソルフェジオ周波数」がまさに3の倍数になっているのですが、「3」という数字は、キリストやイスラム、または「ひふみ神事」でも大事にされている数字の一つなのです。これが何かの事実と繋がるのかはまだ分からない所ですが、どこの民族でも大事に感じられた「3」という感覚には、周波数的にも何か秘密があるのか、気になります!(≧▽≦)
そして、今回はこの表を作ることで、倍数などの、周波数の関係性を見出すぞ!と思っていましたが、周波数とは固定されているものではないので、ある程度の範囲として見てとらえる事がポイントなのだなと感じました!この追求ポイントをもって、更に深めていこうと思います!
皆さんもお気づきになられたことがあれば、ぜひ共有してくださいね!(≧▽≦)
発電菌と一緒に生活する未来!、もうすぐか?
脱炭素の圧力に「技術力で立ち向かう日本」。その中でも特に面白いのが微生物発電です。
今日は、日本のある企業(KURITAさん)が微生物燃料電池の開発で、世界でトップを走っている事例と、微生物で田んぼ発電を追求している研究を追ってみました。
微生物燃料電池では、発電量 200W/m3という世界最高レベルの性能を達成。この発電量は、なんと、脱炭素の再生可能エネルギーとして多く採用されている太陽光発電パネルの発電量に匹敵します。そして、太陽に関係なく雨の日も夜でも発電が可能です。
(画像は、こちらからお借りしました。)
海の微生物は人間の体内環境に酷似した他の微小生物との共生を前提にしたコミュニティを形成
今回は海洋微生物について書きたいと思います。
微生物には多様な種類が存在し、それぞれに特性があります。
海に存在するプランクトンやバクテリアといった海洋微生物は他の微生物と同様に光合成で二酸化炭素を吸収し酸素を放出したり、逆に呼吸によって二酸化炭素を放出します。
一方クジラなどの大型海洋生物に吸い込まれなど食物連鎖の基底部を担い、環境の変化にも柔軟に適応するなど他の微生物と異なる特性も持っています。(土壌微生物は糞を分解する役割はありますが、食物連鎖の中には含まれません。)
未知の海洋微生物圏へのチャレンジ -遺伝子の超並列大量解析による微生物多様性研究の新展開-より
海洋微生物は培養が難しく、他の微生物に比べても分からないことがまだまだ多いですが、海を媒介に特異なコミュニティを紹介していきます。
【地震のメカニズム】地震は、マグマに溶存した熱解離ガスによる水素爆発②
【地震のメカニズム】地震は、マグマに溶存した熱解離ガスによる水素爆発
の続きです。前回は、海溝型地震のメカニズムについて読み解きました。
おさらいすると、
・海のプレートの中間部は、上部が固定され、下部が移動することで岩がゴロゴロ転がり「隙間」が出来る。
・その隙間にマグマと海水が入り込むことで、水素と酸素が溶存した岩より軽いマグマが生産される。
・軽いマグマが上の岩を突っつくことで、上部の岩が崩壊。崩壊した結果隙間が出来るため圧力が下がる。
・圧力が下がるとマグマに溶存していた水素と酸素が気体となり、水素ガスと酸素が結合して【水素爆発】を起こす。
・水素爆発は断熱膨張で爆発で膨張した空間が元に戻ろうとする【爆縮】が発生。この爆発、爆縮が【地震】
というのがメカニズムです。
今回は直下型地震、火山のメカニズムについても整理します。
直下型地震のメカニズム
直下型も海溝型地震と原理は同じで、溶存熱解離ガスを持ったマグマの爆発爆縮現象だ、というのが著者の説です。
・海溝型との違いは発生する場所で、直下型は陸のプレート内で発生。
・熱解離ガスが水素爆発するためには「減圧」される必要があるが、海溝型の岩盤崩落による減圧とは異なり、直下型はマグマの上昇による「自然の減圧」。軽いマグマはどんどん上昇していき、それに従って気圧は減少していく。
・地中にある液体マグマと岩のうち、固体の岩の方はマグマに比べて比重が大きく「隙間」がある。逆に液体のマグマは「隙間」が無い状態。
・マグマが深さ約10km(約6千気圧)まで上昇すると、周りの岩とマグマの比重がバランスし、岩の隙間にマグマが入り込む「マグマ溜まり」が形成される。
・マグマ溜まりにある熱解離ガスが何らかの刺激を受けると【水素爆発】が発生。これが直下型地震。直下型も海溝型地震と同じように分解、結合を繰り返す事で、水が無くなるまで、あるいはマグマの温度が下がるまで何度でも余震が繰り返される。
・活断層の厚さは数十メートルまでしかないので、活断層が切れて直下型地震が起こる、というのはありえない、
以上が、直下型地震のメカニズムになります。
火山噴火のメカニズム
続いて火山です。
火山噴火も地震と同じ化学現象ではないか。というのが著者の仮説です。
熱解離ガスを含んだマグマが生成されるところまでは同じで、そこから
・軽いマグマが熱解離ガスを含んだまま上昇。酸素ガスだけが抜けてしまったか、不足したときには地表面近くまで上昇したマグマが空気中の酸素と結合。これが火山爆発。
・火山爆発時には、岩に含まれている結晶水も熱解離を起こして酸素と水素に分子分解する。これが結合することでごく小さな爆発となり、岩の分子が分解。これがミクロンオーダーの火山灰。
という説を導いています。
以上、前回の海溝地震も含めてまとめると、
海溝型、直下型、火山もすべては【マグマがエネルギー源、水が地震発生原(水素ガス)】
地震は【地中での水素爆発】
火山は【地表面近くでの水素爆発】
という事になります。
地震の発生メカニズム「熱移送説」の地震予測精度は90%・・・角田氏の最新の研究より
をはじめ、マグマが地震の原因である、という事は当ブログでも取り上げて来ましたが、マグマのエネルギーを受けて地震発生のメカニズムとしては、より説得力があると思いますがいかがでしょうか。
次回は、著者が提唱する「伊豆緩衝帯プレート」について整理します。
熱移送説と解離水の爆発・爆縮の統合
【地震のメカニズムについて】
このブログ(地球と気象・地震を考える)で紹介されています「スミルノフ物理学」スミルノフ物理学~まとめ① – 地球と気象・地震を考える (sizen-kankyo.com)
をベースにに考えると
地震のメカニズム:理論1「熱移送説:角田理論 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=248043)
理論2「解離水の爆発・爆縮(石田理論)」 http://www.ailab7.com/kaisetuban.htm
が統合できます。
〇地球内部から発生する莫大なエネルギーの発生源は?⇒地球の内殻(エーテル相)
〇地震の要素となる水はどこからくるのか?⇒地球の内核から発生する
上記の仮説を佐野千遥の新物理理論をベースに考える。
★エネルギーの収束と発散と物質(生物)生成
宇宙は【固相⇔液相⇔気相⇔プラズマ相⇔エーテル相の五相となっている。】(佐野説)
左から右に向かってエネルギーの発散(エントロピー増大)過程、逆の方向はエネルギーの収束(反エントロピー)過程である。発散と収束はエネルギーの向きが逆で各相に発生しており、合算値で相の進行方向が変わる。
プラズマ相は電子と陽イオンに分かれて渦巻き運動(自転と直線運動の構成)で散逸構造(開放系)を持っている。宇宙空間(エーテル相に流れる)
又エーテル相は、負の質量(s極単極磁力子)と正の質量(N極単極磁力子)がつりあってゼロ磁場で満たされている。
★【太陽の構造は内核に負の質量(s極単極磁力子)が宇宙からエネルギーが流れ込んでおり、外周にあるプラズマ相から、宇宙空間にエネルギーを発散している。太陽系惑星は太陽の表面から次々に分離したものであるので地球も太陽と同じ構造を持っている。】(佐野説)
以下仮説(スミルノフ物理学①~物理学(宇宙論)と生物学(生命の誕生・進化)が繋がってくる – 地球と気象・地震を考える (sizen-kankyo.com)
地球の構造は内核に負・正の質量(S・N極単極磁力子:エーテル相)次にプラズマ相、マグマ(気相・液相)、外殻(固相)となっており、内核から外に向けて収束エネルギーが流出しエネルギーの収束(物質化≒水素原子→重元素→分子)を図りながら、一方では宇宙空間へ向けてエネルギーの放散(電磁波の放出)が行われている。プラズマ相で発生した原子からマグマが作られ、その内部には分子(多量な水等)も含んでいる。
又地球の内核はs極単極磁力子が多く、外殻(固相)に近づく程N極磁気子が多くある。この構造が引力を生む構造である。
○宇宙から粒子に至るまで同一構造(対数螺旋及びゆらぎ)を持っており、ゆらぎは常に発生(局在化が発生する)し、エネルギーの流れもゆらぎがある。これが太陽の黒点発生周期(太陽風の変動)や地球の磁気の変動となっている。ただ太陽系全体は収縮過程(S極磁気子の減少≒エネルギーの質量化の方向)にあり、地球の大きさも誕生当初より小さくなっているらしい。
(補足)
気象兵器HAARPは乖離水の爆縮の引き金を引くに必要なエネルギー(超長調波の電磁波)を任意の場所?に与える事が出来る。
■地震の予知及び対応策
上記仮説が大筋正しいとすれば、電波望遠鏡(電磁波の受信)・HAARP(電磁波の発信)等の技術が一定確立している現代、地震可能性のある部分の地球内部構造(マグマ内の乖離水のプラズマ状態及び場所:圧力・温度・位置等)及び爆縮までの時間は正確に分かると考えられる。もっと研究が進めば地震エネルギー(プラズマ状態の内部エネルギー)を吸い取る事も可能になるのではと考えられる。
磁力の発見の歴史~中世キリスト教世界 アウグスティヌスVSアリストテレス~
磁力の発見の歴史~古代ギリシャ・ヘレニズム・ローマ帝国編~では、ローマの自然観=「共感と反感」のネットワークという自然把握は、その後のルネサンスに至るまでヨーロッパ中世に大きな影響を及ぼすこととなると書きました。
今回は中世キリスト教世界に入っていきます。
キリスト教は当初ローマ帝国(権力)から迫害され下層の民衆の間で支持を拡げていたが、ローマ帝国の弱体と共に権力側にも支持を得て、313年のコンスタンティヌス帝の時代に公認され、テオドシウス帝の時代に軍事国家ローマの国教となった。こうしてキリスト教社会が成立し、ヨーロッパ中世がはじまる。
この時代のキリスト教世界のイデオローグだったのが、アウグスティヌスで、彼はプラトンのイデア界と天にある神の国を同一視し、現実の自然界と人間界をその下にある邪悪に満ちた世界と見做し、自然研究を聖書研究の下位に置いた。その彼が異教徒を論破する目的で晩年に全精力をかけて書き上げた『神の国』であり、磁石についてはその終わり近くで、端的に不思議な事象(神の奇跡)として語られている。
アウグスティヌスの考え方の起点にあるのは
「私たちが奇跡を説明できないのは、それが「人間の精神の力を超えているから」にすぎない。つまるところ奇跡や自然の不思議は神の啓示であり神の偉大さの顕現であり、有限で脆弱な人間精神のなすべきことは、その理由を解き明かすことではない。人間には、自然に示される神の救済の意志を読み取ることだけが許されるのである。」
ここからは、磁石や鉄の磁気化などの不思議に対して合理的で理解可能なものとする姿勢は見られないどころか、このような自然の不思議に対して理由を求める心、それ自体が肉体的欲望と同類の忌むべき克己すべき欲求に他ならないとみなされている。
こうなってしまうと、自然研究は信仰と別のものというだけでなく、むしろ積極的に信仰に反することになってしまう。現実に多くのキリスト教知識人の間では、プトレマイオス天文学さえ知らず、聖書や『ティマイオス』に基づく稚拙な宇宙論が語り継がれることとなった。
アウグスティヌスの思想は、中世の全期間を通じて、ヨーロッパの特に知的階級に絶大な影響を及ぼした。
アウグスティヌスは科学のための科学は否定したが、自然科学その他の世俗の学問に対する立場は、キリスト教徒は聖書解釈のために科学的な知識が必要な時はそれを所有する異教徒から借りれば良いという便宜主義だった。したがって、キリスト教には固有の自然科学理論がなかったために、旧来の科学を無視することができなかった。特にその影響が顕著となったのが医療の面で、無視することはできないが説明もできないもの=魔術・呪術と見做すことに繋がっていく。
生命のエネルギー:ATP合成(電気合成もあった)~電気をつくり食べる微生物
日本は、エネルギー資源のほとんどを輸入に頼り、石油や天然ガス、石炭等の輸入資源の動きに常に左右されます。この間、脱炭素の世界的な圧力の中、地熱発電の他、様々な再生可能エネルギーの研究・開発が急ピッチで進んでいます。脱炭素の圧力に「技術力で立ち向かう日本」。エネルギーの自立が期待されます。
その中でも特に面白いのが微生物発電。それにつながる「微生物と電気との研究」。この研究を通じて、生命誕生の初期から、生命のエネルギーをつくっているATP合成に「電気合成」もあることが分かってきました。