2013-07-14
【地球のしくみ】29(総集編3/4)~万物は融合し組織化・秩序化する方向に進化を塗り重ねる~<生物の進化編>・・・前編
総集編第1回【地球の誕生⇒生命誕生以前の地球環境の進化】に続き、前回の総集編第2回【生命の誕生】から、『地球に存在する全ては、融合し組織化・秩序化する方向に進化を塗り重ねる』という地球のしくみ(摂理)をみてとりました。
総集編の第3回は、「生命の初期進化」です。
原核生物までの“前編”と、それ以降の“後編”の、2つに分けて記事にします。
今回はその前編です。
(※図は、当サイトで作成したものです。)
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原始地球の深海熱水噴出孔に存在する粘土鉱物の場では、生命誕生は奇跡的な一回ではなく何度も何度も起こっていたと考えられます。しかし、そのほとんどの生命は限られた栄養環境(自然由来の有機物)のなかで、現在の人類に繋がる生命には進化できず、生まれては消え去っていっていた。
しかし、無機物や光を代謝のエネルギーに変換する機能を獲得することで、その状況を打開し突破口を切り開く生命が登場します。
初期生命の進化は『エネルギー代謝機能の進化』と言い換えることが出来るほど、エネルギー代謝がカギを握っています。
エネルギー代謝というのは、物質と物質が酸化還元反応した時に放出するエネルギーを“熱”の代わりに『ATP(アデノシン三リン酸)』という生命通貨と呼ばれる生体エネルギーの素に変換する働きで、その方法は、「発酵(基質レベルのリン酸化)」、「呼吸(酸化的リン酸化)」、「光合成(光化学的リン酸化)」の3つになります。
生命は、外部環境に適応するために、「ATPをつくる素となるエネルギーをいかに獲得するか」と「獲得したエネルギーをいかに効率よく大量にATPに変換するか」の方法を模索し、【発酵⇒嫌気呼吸⇒嫌気光合成⇒好気光合成⇒好気呼吸】の流れで代謝機能を進化させ、そしてさらに他の生命と融合し組織化を塗り重ねていくことで、現在の人類に至る持続的生命を実現してゆきます。
そしてこの生命の初期進化を通じ、生命は「逆境(⇒どうする)⇒進化」の繰り返しであり、その実現態の塗り重ねの歴史であることが理解できます。
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では、エネルギー代謝の進化を中心に、原核生物までの生命の初期進化の歴史をみてゆきましょう。