2011-06-17
福島第一原発・・・使用済み核燃料プール内の放射線量を推計する
4号機使用済み核燃料プール画像。東京電力発表:水中カメラで撮影。核燃料棒が保管されている。瓦礫などの散乱も伺える。
前回の記事では、福島第一原発の原子炉内の放射能量を推計しました。
引き続き、今回は使用済み核燃料プール内の放射能量を推計します。
使用済み核燃料とは、原子炉で大体2.5年から3年間燃焼させた後に取り出した核燃料で、非常に強い放射能を持つと言われます。その根拠は使用前と比べて猛毒であるプルトニウムの量が増えるからだと言われています。
これは言わば燃えカス、ゴミなのですが、将来再処理やプルサーマルというリサイクルに使用するという目的で「使用済み核燃料」と呼んでいます。けれども強い放射能を持ち、しかもどこにも捨て場がないことから、原子力発電所内に置いておくしかない状態です。
使用済み核燃料は放射線を出すとともに崩壊熱を出し、その熱が更なる崩壊を促進します。ですから、半減期を迎えるまで長いものでは数万年の間、冷却する必要があります。そこで原子力発電所内では、いったん水をはったプールに入れて管理しているのです。
今回の事故では、プールの冷却装置にも被害が及び、放射性物質が発生しています。
原子力発電所が爆発でもしたら、使用済み核燃料プールの放射線量も当然、問題となります。
報道によると、4号機プールは50度くらいまで温度が上がり、湯気によって作業が困難になっているとのことです。
また1号機の湯気からは4000ミリシーベルトの放射線が計測されています。これはたった4分浴びたら即死、一瞬浴びても30日以内に死亡するとされている数値です。この事実からは、水をかけて冷却すれば絶対安心というわけではなく、放射能の発生をできるだけ防いでいるということにすぎないことがわかります。
それでは3月11日時点での福島第一原発の使用済み核燃料プールには一体どのくらいの放射能量があるのでしょうか。
今回も前回同様、
『福島第一原発の放射能量』
を元に展開します。