2011-01-05

社会期待の歴史(8)~環境問題を充足課題として捉え直すことで、本当の解決策が見えてくる~

choukokka.gif シリーズ最終回です。

7回に渡って社会共認の歴史を振り返ってきました。

その目的は、環境破壊の原因である過剰消費がどのように近代社会に受け入れられてきたのか?を社会を構成する人々の意思である社会期待という軸で整理すること。

そして、今後どのようにすれば過剰消費に起因する環境問題は解決に向かえるのかを探ることでした。

ここで、現在の環境問題への取り組みを俯瞰してみると、

☆環境問題解決への答えは、みんなが充足できる社会の実現と同じ軸線上にある

不安や危機から規制を強化して環境問題を解決するという現在の環境運動のパラダイムは息苦しいと多くの人が感じています。ここから活力ある未来を想像することは困難だと思います。ここを突破できる新しい切り口は何か?がもっとも大切な論点になってきます。

そこでは、1970年の貧困の消滅以降培われてきた、充足こそ活力源という意識潮流や、要求するだけではなく当事者として自分たちで何かを成し遂げたいという役割欠乏の上昇など、新しい可能性はいくらでもあります。

これらを元に、パラダイム転換への道を探っていきたいと思います。

ということになります。このような、危機を訴えることで不安感を煽り、規制を強化するという政策や運動には限界があります。こままだと目先の脈絡のない規制や強制がどんどん進んでいき、息苦しく活力のない社会になりそうだからです。

そこを突破するためには、みんなが活力を持って環境問題に向かうことが必要です。それには、人々が主体的にこの課題を担っていくことが出来る可能性=実現基盤が必要です。なぜならば、実現基盤が発掘できないままでの方針は、頭の中だけの理想論で現実との乖離を生みだすからです。

ところで、人類の歴史は社会期待(社会意思)に収束することによって実現してきた事実があります。そこからは、社会期待こそが実現基盤であり、それを無視した政策や運動は実現可能性が極めて低いということがわかります。よって、現在の実現基盤(=社会期待)の発掘が今後の社会や環境運動をどうする?という問題の解決のためにはきわめて重要な前提になるのです。

それでは社会期待の歴史と、現代の実現基盤について考えていきましょう。

(さらに…)

  投稿者 sinsin | 2011-01-05 | Posted in A.史的構造認識から紐解く環境, A04.社会期待の歴史5 Comments »