2009-03-19

CO2排出権取引価格の暴落とは?

グラフは、European Energy Exchange(EEX)に掲載されている欧州排出権先物の一つである「Second Period European Carbon Futures」の、2009年物の月単位価格チャートです。(期間:2005/10~2008/10/29)
 グラフに記入してある矢印の注釈について古い順から説明します。
 2006年4月に価格が暴落した原因は、CO2排出削減目標を達成できずに債権を購入するだろうと思われていたEU先進諸国が発表した2005年度のCO2排出量データが、当初の予想よりも小さかった、つまりCO2削減目標をほぼ達成したために、この債権を抱えていたブローカー達が、一気に投げ売りしたためです。
参照:ヨーロッパの二酸化炭素市場・崩壊の危機(by 持続可能なチャンネル)
 2007年2月に価格が上がるきっかけとなったのは、「地球温暖化の原因が人間の活動である可能性が極めて高い(very likely)」という内容の、IPPCの第四次調査報告書第一作業部会報告書の素案が発表されたからです。
参照:NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート2007年2月前半分
 そして2008年7月にEUAとCERの市場価格が下がるきっかけとなったのは、洞爺湖サミット期間中にMENの新興5カ国がG7に突きつけた「政治宣言」です。
参照:新興5か国が政治宣言、先進国により大きなCO2削減求める(2008年7月8日23時03分 読売新聞)
 洞爺湖サミット後に大きな買い注文が入って一旦上昇しましたが、その後すぐに下落に転じたということは、ブローカー達は保有しているCERを投げ売りしているからであり、金融危機の嵐が吹き荒れている最中に「お目出度い」買い手が表れて、ようやく売買が成立したようです。

http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7754352.htmlよりグラフ、本分とも引用
 地球温暖化が問題視され、「京都議定書」が発効されましたが、その実態は排出権取引で一儲けしようとしている投資家に規定されているのでは?
 そう感じておられる方は是非クリックお願いします。

(さらに…)

  投稿者 y.suzuki | 2009-03-19 | Posted in G.市場に絡めとられる環境問題5 Comments »