コラム:ぬか床de mo微生物は群生!and休眠!
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・放射能すら無害化する微生物反応のメカニズムを解明する1 ~プロローグ~
・放射能すら無害化する微生物反応のメカニズムを解明する2 ~微生物の群生による有機的な分解メカニズム~
(リンク)では、自ら生成したバイオフィルムの中で行われていた、微生物たちの『群生』と『休眠』というメカニズムですが、なんと!全く同じことが、私たちの家のキッチンで!食卓で!冷蔵庫、冷凍庫の中で!行われているのです☆
タイトルの通り・・みなさんもうお気づきかと思いますが、
そう!【ぬか床】です!!
美味しいぬか漬けを育んでくれる、良質なぬか床も、この『群生』と『休眠』のメカニズムで成立しているのです♪
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1.ぬか床はバイオフィルム!
「微生物の共同体“バイオフィルム” (リンク)」の中で、微生物たちはリレーのようにお互いに有機物(エサ)の受け渡しを行って共存していますが、ぬか床はまさにバイオフィルム!
“糠”や“野菜”は媒体and栄養です。微生物たちは各々、分解・合成しながら、共存しているのです。
2.好気性微生物と嫌気性微生物の共存!
「異種生物の“群生”(リンク)」にあるように、ぬか床の中では、
主に、
・乳酸菌(にゅうさんきん):条件的嫌気性(微好気性)
・・・ぬか漬け特有のすっぱさをを作ってくれる。
・酵母(こうぼ): 〃
・・・ぬか漬け独特の風味・香りをつくってくれる。
・産膜酵母(さんまくこうぼ):絶対的好気性
・・・風味・香りをつくる(増えすぎるとシンナー臭い)
・酪酸菌(らくさんきん):絶対的嫌気性
・・・(整腸作用のある善玉菌だけど、雑巾臭いので抑えたい)
などの異種生物が、“群生”しています。
しかも、美味しいぬか漬けを育むためには、どの微生物の活動も欠かせない!
まさしく、お互いの機能を補完しあってくれています☆
例えば、【酵母】は酸性に強い微生物。
だから、【乳酸菌】の生成する乳酸によって作られる、強酸性空間でも生きていけるのです!
この乳酸による、酸性バリアーのおかげで、ぬか床は、外界に漂う様々な悪玉菌(赤カビ、青カビetc…)をブロックして、“ぬか漬け独特の美味しさを作り出す微生物たちだけの共生空間”を作り出すことが出来ているのです♪
さらに挙げると、例えば、ぬか床の表面で増殖する【産膜酵母】!
【産膜酵母】は、かき混ぜて酸素の少ないぬかの中に入ると、【酵母】のエサにもなります。
そして、【酵母】に食べられなかった【産膜酵母】は、環境の変化(酸素ある所→酸素ない所)によって、増殖を停止し、アルコール発酵を始めて、エステル(=良い風味のもと)を生成します。
この循環・共生によって、【酵母】(=ぬか床独特のいい香りのもと)も元気!【産膜酵母】もぬか漬けの旨みに大貢献!という状態となっているのです☆
■美味しいぬか漬けはこうして出来る☆ぬか床の中の微生物たちの働き♪
(植物性乳酸菌がいっぱいな糠床の極意とは!より抜粋)
・ぬか床の乳酸菌は、ぬかにいるのではなくて、野菜の表面についているもの
ぬかは、あくまで、餌で、湿ったぬかの中で、野菜の表面についている乳酸菌が増殖する。・ぬか床に野菜を入れると、ぬかの内部で、乳酸菌が増殖すると同時に、空気に触れている
表面では、「産膜酵母」ができ、空気がない底には、「酪酸菌」ができる。・ぬか床の乳酸菌自体は、繁殖するのに空気は不要。(嫌気培養)
ぬかを夏場は一日二回、その他の季節には一日一回かき混ぜるのは、乳酸菌を増やすためではなく、乳酸菌を増殖する過程でできてしまったぬか床表面の好気性の産膜酵母を空気のない底に押し込め、嫌気性の酪酸菌を含んでいるぬかを、表面に持ってきて、両方とも自然消滅させるため。・乳酸菌自体を増やすには、空気がない方がいいので、かき混ぜる必要はないのだけれど、そのままにしておくと、産膜酵母と酪酸菌がそれぞれ増えて、嫌な匂いを発生させる原因となる。
・ぬか床の味が薄くなったり緩んだときは、ぬかや塩を加え野菜を捨て漬けの手入れをする。
ここが大事なポイント!
3日間は何もしないでそのままにしてじっくり乳酸菌を増殖させる。
3日すると、ぬか床の表面には、白いカビ状のものができている筈で、これが産膜酵母。
産膜酵母ができているということは、その下で、乳酸菌が増殖している証拠。
また、この産膜酵母は、取らないで、ぬか床に混ぜ込むと、良い風味を出してくれる。
酸素の乏しいぬか床の底部へ動かすと、産膜酵母の活動が一変して増殖して、ぬか床らしい芳醇な香りの元になる「アルコール」や「脂肪酸」を作り出すようになる。糠床を好気培養して産膜酵母を発酵させ混ぜ込む事が、ぬか床をより美味しくする秘訣。
3.ぬか床(=の中の微生物たち)も“休眠”するんです♪
様々な微生物たちの共存で成り立っているぬか床。
「微生物の休眠状態(リンク)」にある通り、お漬物にする野菜の収穫が少ない冬の間、ぬか床は“休眠”させることが出来ます☆
ぬか床にいる微生物たちは、低温で代謝を極端に落とすという特徴があるためです。
冬でなくても、忙しくてぬか床のお手入れが出来ないとき、長期不在時など、冷蔵庫や冷凍庫で、人工的な冬を作り出してあげれば、微生物たちは「休眠状態(VNS状態);非増殖状態」へと移行します。
・冷凍庫では、死んだふり!
・冷蔵庫では、寝たふり!
そして、常温(15~30℃)に出してあげれば、再び通常の覚醒状態へと移行(=起きて活動を再開)します♪
4.微生物たちは、“群生”と“休眠”でずっと生き続ける♪
美味しいぬか漬けを育むには、微生物たちの活動スピードや頻度を、ちょうど良くコントロールするために、ぬか床をかき混ぜて酸素の供給状態(空気環境)を整えてあげることと、保存温度(温熱環境)を調節してあげることが大切☆
沢山の微生物たちの“群生”によってかたちづくられる、ぬか床は、生きものです☆
だから、先祖代々大切に育てられ、受け継がれてきたぬか床は、一生モノ♪
ずっと元気に生き続けることが出来るんです♪
目には見えない、微生物たちの世界、、、、
現代でこそ、こうして解明されてきつつありますが日本では、大昔からこうした生物普遍のメカニズムともいえる、集団で生きる微生物たちの生態に同化してきたことになります。
現代に受け継がれる美味しいぬか漬けは、昔の人たちが、自然界の存在(糠)をよく観察し、自らの身体に入れて(食べて)感じ取り、何度も試行錯誤を繰り返しながら、自然と一体になって追求を重ねてきた賜物なのです♪
自然の摂理に同化しながら、謙虚に学び、追求し続けた、おばあちゃん、おじいちゃんたちの姿が浮かんできますね(u u*♪;+‘
この追求姿勢に、私たちも続いていきましょう~♪♪
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