2009-06-16

リサイクルの本質を考える(2)~ペットボトルをジャンジャン使えばリサイクル??

リサイクルの本質を考える①に続き、容器包装リサイクル法のはなしです。

>廃棄物処理法は’70年「公害国会」おいて制定されています。
ちょうどこの時代は高度経済成長で、その弊害として公害の激化など環境汚染が深刻化しており、工場から排出される有害物質=ごみの処理に対する規制が求められていました。

1970年には「ごみ戦争」宣言した東京都をはじめ、川崎市、横浜市、広島市が ごみの非常事態宣言 を行ないました。
ごみの最終処分場確保 が自治体の大きな問題として顕在化してきたのです。そうしてごみの減量化に向けて国家が動き出したのです。

ごみの最終処分場の確保が大問題⇒どうする?⇒最終処分量の減量化

%E3%82%B4%E3%83%9F%E5%88%86%E5%88%A5.jpgまず最初に登場したのが、91年「再生資源の利用の促進に関する法律」です。そして95年に今回の主役である「容器包装リサイクル法」が制定されました。

ごみはイワユル産業廃棄物と一般廃棄物に分かれます。その量でいえば、圧倒的に産業廃棄物の方が多いのですが、今回は一般廃棄物(家庭等で出るごみ)で、そのうち、多くを占める容器や包装に関わる容器包装リサイクル法を取り上げてみます。
ペットボトルや段ボール、ビールやジュースなど、リサイクルと言えば直ぐに思いつく、みなさんに最も馴染みの深いモノのリサイクル法ですので、一緒に調べてみましょう。

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ポチッとありがとうございました。

では容器包装リサイクル法について、
対象は、97年①ガラス製容器、②PETボトル、③スチール缶、④アルミ缶、⑤紙パック
さらに追加され、00年⑥段ボール、⑦その他紙製容器包装、⑧その他プラスチック製容器包装など
になっています。

そしてこのリサイクルシステムは私たち消費者・市町村・事業者の3者がそれぞれ責任を負うシステムです。具体的には

①消費者:分別収集に協力(分別排出)する。
②市町村:容器包装廃棄物の分別収集を行なう。
③事業者:市町村が分別収集した容器包装廃棄物を自ら又は指定法人等に委託し再商品化する。

%E3%81%94%E3%81%BF%E5%8F%8E%E9%9B%86%E8%BB%8A.jpg*再商品化とは、分別収集された容器包装廃棄物を製品の原材料として使用したり、製品としてそのまま利用すること並びに製品の原材料又は製品として利用するものとして有償または無償で譲渡できる状態にすることです。

確かに消費者の分別意識は高くなっていると思います。みなさんもきっと分別排出しているでしょう。
市町村の分別収集もしています。
では容器包装のリサイクルは進んでいるのでしょうか?
PETボトルリサイクル推進協議会のデータによると日本のリサイクル率は、リサイクル法施行から
95年 1.8%→98年 16.9%→01年 44.0%→04年 62.3%→07年 69.2%

となっており、リサイクル先進国と思われている欧州ですら、07年41.1%ですから、日本は世界最高水準値となっているのです。
%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF.jpg
といってもこのリサイクル率とは、実はこのデータはペットボトル回収率のこと。実際にリサイクル(=再商品化)されているのかどうかは確かではありません。

しかも、容器包装リサイクル法ではサーマルリサイクルというのがあります。
サーマルリサイクルとは、「焼却時に発生する熱エネルギーを電気等として回収・利用すること」で、これも立派なリサイクルとして認められているのです。
極端にいえば燃やしても『リサイクル』なのです。
つまり、処分しやすいペットボトルをどんどん量産(=ごみ総量増)し、回収し燃やしていけば・・・・・、
な・なんということでしょう、計算上はリサイクル率が上昇する仕組みなのです。
しかも燃えれば最終処分量は減るのです。とにかくペットボトルに詰め込んで売り出せば、リサイクルは(データ上は)普及していくのです。
実際、PETボトル生産量(㌧)は
95年 14.2万㌧→98年 28.2万㌧→01年 40.3万㌧→04年 51.4万㌧→07年 57.3万㌧
と上昇しています。
これってどうなの??私たちの意識はどうなんだろう?

環境に対する意識は濃淡はあれみんな持っている。

環境破壊⇒どうする?⇒自然を大切に⇒資源有効利用⇒もったいない意識→リサイクル活動

をベースにしている。だから容器包装リサイクル法にも協力(=ゴミ分別に参加)しているのでしょう。
決してペットボトルを大量生産→大量消費することを望んでいるわけではない!

しかし最初に提示したように、そもそも制定されたリサイクル法は、ゴミの最終処分地が確保できないかもしれない、という末端の問題(=不全)に対応する為の法律だったので、最終処分量さえ減ればよい、という目先にしか収束していない。

だから、燃えて無くなればそれでも解決の方向なのです。
つまりみんなの環境問題への意識と法律とは完全にズレている。
確か私が子どもの頃は、お酒やビール、醤油、牛乳とかはビンでした。これらはリユース(再利用)されていました。こちらの方がみんなの環境意識に近いのではないでしょうか?

このように容器包装リサイクル法の普及は、みんなの環境問題への意識をずらし、さらに劣化させてしまうと思われます。

では他のリサイクル法についても、検証してみましょう。

List    投稿者 goqu | 2009-06-16 | Posted in L.リサイクル問題4 Comments » 

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コメント4件

 ふぇりちゃん | 2010.01.03 19:30

>民生部門においては、共同体の解体が進み世帯数が増加していることが考えられますし、輸送部門については、海外との貿易等の増加、もっと言えばエネルギー自給率及び食糧自給率の低下から輸入・輸送が多くなっているのではないでしょうか
これ、気付きです!
ずぅっと前から「省エネ」と言いながら、実は逆のことをしていたんですね。
そして私たちは、その中で生活している。
ビックリです。。

 yoriya | 2010.01.04 16:51

ふぇりちゃん
コメントありがとうございます。
>ずぅっと前から「省エネ」と言いながら、実は逆のことをしていたんですね。
これからのエネルギー資源・開発を考える上で、どの程度の水準を確保すべきなのか?このあたりを考えていければと思ってます。
一緒に追求していくためにも、どんどん気付きをコメントして下さい。
本年もよろしくお願いします。

 日本を守るのに右も左もない | 2010.01.06 14:47

失われた40年~その全面的総括

’90年代のバブル崩壊以降の日本経済の低迷は「失われた10年」と呼ばれてきたが、2010年代に入り、ついに「失われた20年」と呼ばれるようになった。 いつ…

 ベビー | 2010.01.19 19:53

エネルギー消費の推移の分析、ナルホドです!
>産業部門のエネルギー消費量が変わっていないというのも、省エネ技術の進歩を考えると’73年以上に過剰な物的生産を続けている証拠だとも思われます。
日本の工業におけるCO2削減を実現した技術を思うと、その労力、もっと必要なところにかけていれば・・・っておもいます(;_;)
人々の意識はすでに「過剰消費なんて勿体ない!」というものに変わってきてはいますが、それだけでは不十分で、今起きている問題は何なのか、どこで道を誤ったのか、原因構造を皆が知っていくことで、「無能な特権階級には任せておけない」「自分達が自ら考えていかなければならない」という危機意識をもつことが重要だと思いました。

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