2008-03-06
原子力産業の再編④:GEによる原発市場制覇と日本勢三分の計
「原子力産業の再編:国際金融資本家たちによる『原子力市場』の刈り取りが始まってきた」で投げかけられていた、
それにしてもなぜ、日本のメーカーが中心になって原子力メーカーが再編されてきているのか?
資源エネルギー庁
「原子力産業の再編②:BWRとPWRの違いによる力関係は?」で触れられた、国内原発建設で磨かれ続けた日本の製造技術の高さ は日本企業が再編成で各勢力に絡んでいる大きな要因です。
’79年のスリーマイル島の原発事故以降原発建設を凍結してきた米国大手のGEも原発の基礎技術や設計力は保持しつつ、原発建設ではGEの生徒である東芝、日立に機器製造は任せてきました。
再編された3大勢力全てに日本企業が名を連ねる様は、一見今後の原発市場拡大に主役級で打って出る 日本勢の躍進 とも見えますし、実際うまみ も手にはするでしょう。
しかし、
・近年着実に打たれてきたCO2温暖化説~原発推進の布石
・’06年のGNEP構想発表http://kakujoho.net/rokkasho/GNEP.htmlにみられる、原子力産業でリーダーシップを執ろうという米国の姿勢
・既に建設予定されている原発の数では米国が近年の主戦場であること
といった背景を考えると、「そう易々と日本勢に 」の感覚は拭えません。
東芝、米WH買収を発表
【ロンドン=中村宏之】東芝は6日、米原子力大手「ウェスチングハウス(WH)」を買収することで、WHの親会社の英核燃料会社(BNFL)と最終合意したと発表した。買収額は54億ドル(約6210億円)。
米政府の承認などを経て近く買収手続きを完了する見通しだ。東芝はWH株式の51%以上を保有して子会社化し、残りは複数の企業が共同出資する。出資企業には丸紅などが浮上している。
東芝は、東京電力の原発で採用されている「沸騰水型軽水炉」の技術を持つ。WHが持つ「加圧水型軽水炉」の技術を取り込むことで、中国など加圧水型が優勢な海外市場で巻き返しを図る。ロンドンで会見した東芝の西田厚聡社長は「今回の買収で東芝は世界的な原子力メーカーになれる」と述べた。
WH買収を巡っては、三菱重工業や米ゼネラル・エレクトリック(GE)なども名乗りを上げたが、破格の買収額を提示した東芝が競り勝った。
(2006年2月7日 読売新聞)
原子力メーカー再編で最も目を引く東芝のWH買収は日本勢の躍進を特に印象付けていますが、釈然としない部分も孕みます。その辺りを改めて見てみたいと思います。
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