2022-09-10
地球内部から発生する熱を有効に利用する。~地中熱と地熱
世界中で、再生可能エネルギーの利用が命題となっていますが、その中で地球内部から発する熱エネルギーの利用は、地中熱利用と地熱利用があります。
地中熱は地上と地中の温度差を使って熱に変換していることであり、地熱とは地球の中心部の高熱を救い上げているという違いがあります。
今回は我々の足元にある地中熱利用(低熱エネルギー)と電気エネルギーを作り出せる高温高圧の地熱利用(高熱エネルギー)の概要を経済産業省資源エネルギー庁及び環境省から引用した「地熱利用」「地中熱利用」を記載します。
(建物の冷暖房には地中熱エネルギーを電気エネルギーを作り出せる地熱エネルギーには地球発生熱を有効に利用する。)
★【地中熱利用】
日本中いたる所で利用可能
地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーです。
大気の温度に対して、地中の温度は地下10~15mの深さになると、年間を通して温度の変化が見られなくなります。そのため、夏場は外気温度よりも地中温度が低く、冬場は外気温度よりも地中温度が高いことから、この温度差を利用して効率的な冷暖房等を行います。
【特長】
1.空気熱源ヒートポンプ(エアコン)が利用できない外気温-15℃以下の環境でも利用可能
2.放熱用室外機がなく、稼働時騒音が非常に小さい
3.地中熱交換器は密閉式なので、環境汚染の心配がない
4.冷暖房に熱を屋外に放出しないため、ヒートアイランド現象の元になりにくい
地中熱利用の詳細内容はリンクを参照願います
★【地熱利用】
日本は火山帯に位置するため、地熱利用は戦後早くから注目されていました。
本格的な地熱発電所は1966年に運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開。
総発電電力量はまだ少ないものの、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。
【特長】
1高温蒸気・熱水の再利用
発電に使った高温の蒸気・熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用ができます。
2.持続可能な再生可能エネルギー
地下の地熱エネルギーを使うため、化石燃料のように枯渇する心配が無く、長期間にわたる供給が期待されます。
3.昼夜を問わぬ安定した発電
地下に掘削した井戸の深さは1,000~3,000mで、昼夜を問わず坑井から天然の蒸気を噴出させるため、発電も連続して行われます。
次回以降、地熱の発生原理や地球内核と磁気の関係について投稿します