2022-04-29

ケラチノサイトによるカルシウムイオンの流れが「経絡」を形成している

こちらからお借りしました

皮膚は触覚を司る感覚機能だと考えている人が多いと思いますが、実は皮膚は、音や光、気圧、電磁波などの振動による現象をはじめ、物理的な外的要因は全て感知し、判断する機能を持っています。

そして、この外的要因を感知しているのは表皮を構成しているケラチノサイトです。
ケラチノサイトは、カルシウムイオンの輸送によって体内に電位差を作り出し、そこで判断された内容を脳や体の各部位に伝達しています。

さらに今回明らかになったのは、ケラチノサイトとカルシウムイオンによる情報伝達の仕組みと、鍼灸治療において「気」が流れると言われている「経絡」にも関係性があるということです。

中国上海中医薬大学では、経絡に何か特定の物質が多く存在している、という仮説のもと、微粒子誘発X-放射線発射(Particle Induced X-Ray Emission PIXE)技術を利用した経絡の観察実験を行いました。
その結果、経絡上には身体の他の部位よりもカルシウムイオンがより多く存在していることが判明しました。カルシウムイオンは線状か帯状に集まり、その走行は経絡とほぼ一致しています。

また、天津中医学院がイオン選択性電極を使ってウサギの経絡を探測したところ、経絡のあるところのカルシウムイオンの濃度が、周囲と比べて高いことがわかりました。不整脈のウサギでの計測では、心機能と関連性の高い経絡のカルシウムイオン濃度が低下してきましたが、不整脈がなくなるとカルシウムイオン濃度が元に戻ったという現象が観察されました。

こちらからお借りしました

次に、経絡とATPの関係性についてです。
中国の高震教授が、経絡はATP量の多い細胞の集合だという仮説を提起しました。
そしてイギリスのBurnstock氏もATPが鍼刺激の電気信号伝達の重要物質であるという仮説を出しています。
彼は、鍼の機械的刺激・灸の温熱的刺激が皮膚のケラチノサイトや他の細胞に作用することで、細胞からATPが放出すると同時にレセプターのP2X₃とP2X₂/₃が活性化します。レセプターがATPを受容して産生する電気インパルスが感覚神経の末梢を通って脊髄の神経細胞に伝わって、脳幹、最終的に大脳皮質に到達すると言われています。

これらの実験で見えて来た経絡の特性は、ケラチノサイトがカルシウムイオンをATPの体内灌流にのせて体内を巡らせている仕組みとも考え方が一致しそうです。

  投稿者 二鳥土入 | 2022-04-29 | Posted in 波動と生命エネルギーNo Comments »