2010-10-26
『次代を担う、エネルギー・水資源』水生圏の可能性、水力エネルギーの活用 2.水力発電に先行する水力(水流)エネルギー利用、水車の歴史
シリア、ハマの大水車。オロンテス川の水を灌漑や生活の用水として高台へ送るため12世紀頃から作り始められた。
みなさん、こんにちは。シリーズ「『次代を担う、エネルギー・水資源』水生圏の可能性 水力エネルギーの活用」第3弾です。
前回は、水力発電の追及に入る前に、自然エネルギー(水力、風力、太陽光、地熱)について、原理的な考察を行ました。そして水力(水流)エネルギーは、存在の普遍性が高く、エネルギーを取り出すメカニズムも比較的簡単で、潜在エネルギーの水準も高く、今後の自然エネルギーの主役になれる可能性をもっている、ということが分りました。
それで、いよいよ水力エネルギーの追求に入っていきますが、今回は、水力発電に先行する水力の利用、【水車】について書きます。日本では江戸時代後半から盛んに水車を用い、様々な仕事をさせるのに使っていました。11世紀イングランドについて以下のような紹介があります。ヨーロッパでは中世には、相当な規模で水車が利用されていたようです。
南・東イングランドの小河川のほとんどは水車でおおいつくされていた。多くの地域で、水車は互いに1マイルとは離れていなかった。一部の地域では、10マイルの間に30もの水車があった。イングランド全域を通じて、平均すると50世帯ごとに1台の水車があったのである。レイノルズ『水車の歴史』p.62