2007-06-08
リサイクルにより本質問題(『消費構造』)が隠蔽されていないだろうか
asaokaです。 今回はリサイクルについてです
”ペットボトルのリサイクルは環境には無意味”というのは気付きであり感覚的にもわかりやすい。
(るいネット;「環境問題はなぜウソがまかり通るのか(1)~リサイクル・ダイオキシンの嘘」参照)
では、植林等により再生可能な資源であるという面もあり、リサイクルの最も優等生として環境に良いこととして認知されている『紙のリサイクル(再生紙)』はどうだろう?
□今の紙のリサイクル(再生紙)の売りは?
①廃棄物が減る
②森林を守る
③化石燃料などエネルギー使用量が減る
④CO2排出量が減る、が売りでしょうか。
■再生紙の使用量は増加しているが、木から紙をつくるバージンパルプの消費量は減っておらず、紙の総消費量は増加している。
特に’85年以降、古紙回収率および使用率は年々大幅に上がりましたが、バージンパルプの消費量はほぼ横ばいです。
つまり全体の総消費量は増加しています。
日本製紙連合会HP(以下)を参照ください。
●製紙原料の消費推移
●輸入材チップの比率
●紙・板紙の生産推移
紙のリサイクルは、①廃棄物が減る、②森林を守る、ということが売りです。しかし、バージンパルプの消費量が減らず、紙の総消費量が減らなければその売りはお題目になってしまいます。
さらに、紙の再生利用は永遠にできるわけではなく(日本製紙連合会によると3~5回程度と言われていますが・・)、古紙もいずれ廃棄物になることからも廃棄物が減っているとは言えず増えているというのが現状ではないでしょうか。
■古紙からつくる紙と木材からつくる紙(バージンパルプ)とではどちらがエネルギーを消費するのだろう? また、CO2はどちらが多く発生するのだろう?
再生紙というと何となくエネルギーを使わないように錯覚しがちですが、古紙をそのまま使わない限り、低資源の古紙から高資源の再生紙にするにはエントロピー則を持ち出すまでも無く、外から化石燃料などのエネルギー投入は不可欠です。
そしてそのエネルギー投入量は、下記の情報から見ると、現状の加工過程において、古紙の製造の方が化石燃料のエネルギー消費量もCO2発生量も少なくて済むというのは錯覚のようです。
そして、回収・分別・加工・輸送過程まで考えると、古紙の消費はもっと多くなっているのではないだろうか
100%再生紙、実は「環境に厳しい」 日本製紙が廃止へ
日本製紙は24日、古紙100%配合の再生紙製造を原則として廃止すると発表した。
再生紙の製造過程で行う漂白作業で石油などのエネルギー消費量が増え、かえって二酸化炭素(CO2)排出量も増えるため、環境対応には逆効果だと判断した。
「古紙利用率向上=環境に優しい」との既成概念を覆すため、業界に波紋を広げそうだ。
古紙を再生するには、インクの除去や漂白、その排水処理などの作業工程ごとに、石油を中心としたエネルギーの消費が欠かせない。
一方、木材からパルプを作る際は廃液を薬品回収用燃料などにあてるため、エネルギーを効率的に使える。京都議定書で定めた化石燃料使用によるCO2の発生も抑えられる。
日本製紙によると、古紙配合率ゼロの紙製品の製造に伴い排出されるCO2を100とした場合、化石燃料の使用割合は42だ。それが、全量古紙の再生紙製造では約2倍になるという。
古紙からつくる紙、木材からつくる紙、エネルギー消費量は違うの?
通常、古紙からつくる場合の方が、製造時のエネルギー消費量 が少なくて済みます。しかし、再生品に品質や白さを求めすぎたりすると、その分だけエネルギー消費量 は増してしまいます。それは、繊維からインキや異物を除去したり、漂白するためのエネルギーがかさむうえ、薬品の量や排水処理の負担も増加するからです。
(中略)
一方、木材から化学パルプをつくる時には、木材の繊維以外の部分を薬品によって溶出します。このパルプ廃液(黒液)を濃縮して、燃やし、薬品のほとんどを回収しています。そしてこの発生熱は、エネルギー源として紙の製造工程で有効利用されているのです。つまりその分、化石燃料の使用を抑えているわけです。
それに対して古紙は黒液が発生しないため、化石燃料に頼らざるを得ないところがあります。
紙の品種によっては、どちらがエネルギーの消費量が少なくて済むか、というのは一概に言えないところもあります。「日本製紙連合会 何でもQ&A」より引用
紙の生産における環境負荷は、原材料だけでなく、製造工程も含めた全体で評価する必要があります。
木材パルプから作られる紙と、古紙をリサイクルした紙では、製造工程が異なります。
このためそれぞれを生産する場合のCO2排出量も同じではありません。
木材から新しく製造される木材パルプは、製造工程で発生する黒液(植物性廃液)をバイオマス燃料 として使用できるため、化石燃料の消費量を抑えられるという特徴があります。
一方、古紙をリサイクルする場合は黒液の副生がないため、化石燃料を使用しなくてはならず、化石燃料の消費量は木材パルプのものより多くなります。「王子製紙HP」より引用
さらに、さらに 、化学物質の問題もあります。
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