2007-06-02
優れたエネルギー源の開発は環境問題を解決するのだろうか?
例えば燃料電池。酸素と水素を化合して電子を取り出す。電気分解と逆のプロセスだ。水に電気を通して酸素と水素に分解するには、当たり前だが電気が必要。電気は石油などから発電により作られるので、当然エネルギーを投入している。実際、電気を使うにはお金がいることから考えればより実感できるだろう。
だから、本当に電気分解して燃料電池を作り、それで電気を起して車を動かすくらいなら、石油由来の燃料で動かせばいいのである。単純化しすると、燃料電池で排ガスがでなくなった分は、それ以前の発電の段階で排出していることになるからだ。それだけでなく、生産の経路(迂回利用)が長くなった分、各段階での実行効率は掛け合わされ、物的製品数も増え、単純な石油由来燃料の利用より非効率になる。
しかし実際は、いくらなんでもそんなバカみたいなことはしていない。石油由来等のガスなどの化合物から、水素を単離するという方法をとる。これは、自然に存在する化合物から、自然界には単体でほとんど存在しない水素だけを純化して取り出すという行為になる。これは、自然界の規定的な法則である『エントロピーは増大する。』に逆行する行為であるので、新たにエネルギーを加えないと成立しない。だからこれは、先の電気分解と基本的には同じ行為なのである。
このように考えると、電気分解では非効率だが、石油由来なら効率的な水素燃料生産が出来るというのは幻想だとわかる。しかし、燃料電池に限らず、このような技術で環境問題やエネルギー問題を解決しようとする風潮はあとを絶たない。なぜか?
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