2009-07-17

リサイクルの本質を考える(4)~食品のリサイクルって??~

先月から始まりました、『リサイクルの本質を考える』シリーズ、第4弾テーマは『食品リサイクル法』です。
食品リサイクルって何するの??と思う方、多いかも知れません。
続きを読まれる前に、ポチっとお願いします。↓↓↓
ありがとうございます

 にほんブログ村 環境ブログへ


近年の食品の大量生産・大量消費の流れの中で作られたこの法律の趣旨は、
食品の売れ残りや食べ残しにより、又は食品の製造過程にいおいて大量に発生している食品廃棄物について、発生抑制と減量化により最終的に処分される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料として再生利用するため、食品関連事業者(製造、流通、外食等)による食品循環資源の再生利用等を促進する。」(平成12年法第116号)
というものです。
つまり、専ら業者を取り締まる法律であって、家庭ごみに対しては取り組まれていないのですね。
‘00年に廃棄物処理法と時を同じくして制定されたこの法律によって、食品循環資源の再生利用量は、格段に増加しました
下の図<ファイルをダウンロード>を見てください。
食品廃棄物の年間発生量の推移
ちなみに、平成17年度の食品産業の出す食品廃棄物は凡そ1136万トン。実に食品関連業者の出す食品廃棄物のうち半量近くを「再生利用」するまでになっています
一見、食品リサイクルは大成功を収めている かのように見えますが、
次のグラフ<ファイルをダウンロード>をご覧下さい。
食品廃棄物の年間発生量の推移
法制定後の、『食品廃棄物の発生量』の推移です。
なんと平成17年度までの過去5年間、毎年減少するどころか、やや微増傾向にあります。
つまり、取り組まれているリサイクルは「発生した食品廃棄物の飼料化・肥料化」がメインで、本来一番取り組まれるべき、食品廃棄物の「発生抑制」、この項目は全く実現されていなかったってことなんです。
さらに、平成19年の改正では、
リサイクルの方法として、①発生抑制 ②再生利用 ③減量(炭化・脱水など) に、④「熱回収」が加わりました。
これはつまり「一定の効率でエネルギーが得られれば、燃やしていい」ってこと。
容器包装リサイクルの回で述べた「サーマルリサイクル」と同義で、
「焼却処分してもリサイクル」ということです。
うーん、食品リサイクルも他のリサイクル法同様、何の根本的解決にもなっていないどころか、大量生産・大量廃棄の言い訳の様にすら感じられます。。
また、このような記事を取り上げているサイトもあります→『改正食品リサイクル法、やばくないか?』
余ったコンビニ弁当を飼料にして家畜を育て、その肉を再びお弁当にして市場へ送り込む、というすごいサイクル。
コンビニ弁当は「24時間いつでも手に入る」ことが付加価値であり、在庫を切らさない=売れる量より多く作って、余ったものは捨てるしかない、というのが原則です。
コンビニは、製造した弁当の半分近くが廃棄されても商売が成り立っています。
ここに参考サイトを紹介しておきます→『コンビニ弁当の“見切り販売”には様々な側面があるのだ』
ここで、「見切り販売」をさせまいとするコンビニ側は、何を危惧しているのでしょうか?
傷んだ食品が消費者のもとに届いてしまうと問題だから??そうではなさそうです。
思うに、おそらく原価の何倍もの値段で売られている弁当の、「幻想価値(=騙し)」に消費者が勘付いては困るからなのではないでしょうか?
(見切り販売でも十分となれば、皆定価でなど買わなくなりますよね。)
そしておそらく、「食品リサイクル法」はこのような商法を助長させているのです
一見すると、一般消費者は蚊帳の外かと思われた「食品リサイクル」も、消費者の意識が転換しない限りは、(私達の体を蝕みながら?)大量生産・大量廃棄の一翼を担い続けることになるのではないでしょうか。

List    投稿者 kanae | 2009-07-17 | Posted in L.リサイクル問題5 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2009/07/558.html/trackback


コメント5件

 kz2022 | 2010.02.13 19:42

興味深く読ませていただきました。
やはりコスト効率、つまり安ければよいという思想が問題の根源にありますね。
いろいろ手立てはあるように思いますが。
たとえば公立の小学校・中学校の机や椅子を木製にするとか出来ないものでしょうか。

 K・T | 2010.02.13 19:54

三菱自動車は、同社独自の植物由来樹脂技術「グリーンプラスチック」の第4弾として、スギの間伐材を主原料とする射出成型可能な熱硬化性樹脂材料「液状化木材フェノール樹脂」を開発し、本年7月1日よりカップ型灰皿として製品化しています。なお、木材を原料とする耐熱性の高い熱硬化性植物由来樹脂の自動車部品への応用は、世界初だそうです。
今後、この分野での広がりが期待できるのではないでしょうか。

 仮面貴族 | 2010.02.13 20:06

間伐材が流通すれば使い道があるのはわかります。
問題はそれが市場に乗らないのはなんで?ということ。突破不可能な壁ならば、日本の林業資源を生かすためにはほかの方法を考え出さないといけないということです。
今後の記事に期待しています。

 kaz | 2010.02.13 20:15

昨今では外食産業も割り箸を取りやめている様子が伺えます。間伐材の利用としてはやはり新しい方向性を考える必要がありそうですね。
間伐材に限らず、日本の豊富な森林資源を有効にエネルギー活用していくためにも、国策からの林業の建て直しが急務だと思いました。

 レニス | 2010.02.16 10:07

初コメしますね。お話拝見しました。
間伐材の利用法についてですが、どの種類が残ってるのかとかもありそうなきがします。香木とかなら、間伐材でもアロマ等でも使えそうですし。
後、素人的な考えですが、竹林から作るメンマみたいに木材からも食べ物は作れないのでしょうかね。白蟻やロイヤルプレコという魚も木を食べるみたいなので、何らかの処理をすれば食用に変えれないかな?と思ってしまいます。

Comment



Comment