2010-05-13
『次代を担う、エネルギー・資源』トリウム原子力発電7~原子力発電の推進体制を考える1・・・日本の原子力推進体制
1995年12月に起きたナトリウム漏出火災 事故以来、運転停止している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が、14年と5カ月ぶりに運転を再開した。経済産業省原子力安全・保安院の事前の立ち入り検査を経て、5月6日午前10時36分、日本原子力研究開発機構が原子炉を起動した。燃やした以上の燃料を生み出すことから、エネルギー資源の有効活用に大きく貢献するとして、「夢の原子炉」と期待されながら、事故で研究開発は頓挫。虚偽報告や現場撮影ビデオの隠蔽などで、国民の不信を増幅し、一時は廃炉の瀬戸際に立たされたこともあった。
当時の組織は解体され、2005年から2年か けて、ナトリウム漏れ対策の改造工事も実施、「もんじゅ」の安全性は大幅に強化されたという。
『もんじゅ』の運転再開。推進派からは、いろいろな再開理由が出されています。しかし『何か、不透明な動きを感じてすっきりしない』というのが一般人の感覚だと思います。また、地元民を支援する反対派の理由も、国家としてエネルギー問題をどうする?や、壊されていく地元の共同体社会をどうする?といったという本質問題は脇においたままで、これも本質をぼやかしていくように見えます。
そして、研究開発着手開始から9000億円も投資して、いまだに数多くの問題を残したまです。それは、もんじゅ自体の技術的問題だけではありません。この、高速増殖炉の開発の前提となる、バックエンドと呼ばれる廃棄物の処理システムそのものが、さまざまな意味で実現可能な課題なのかどうか?という問題に行き着きます。
それゆえに、このような問題に触れることなく、反対か賛成かという二元論でしか議論できない現状が、今もっとも大きな問題なのだと思います。ここを何とかするために、日本における原子力推進体制の問題発掘を行い、今後のエネルギー開発体制に必要な条件を考えてみたいと思います。
まず今回は、概観まで。