2016-09-02
日本列島はいくつもの地塊(ブロック)が熱いウォーターマットの上に敷き詰められているような状態
プレート説では地震現象を説明できないとすれば、マグマ説では、どのような地盤モデルを想定しているのだろうか。引き続き、角田史雄先生の「次の震度7はどこか?」から紹介しよう。
角田氏:私(角田教授)の専門は構造地質学で、地震予知協議会が規制強化地域に指定した南関東地域を含む関東甲信越の地質について40年以上調べてきました。断層の割れ方やズレ方を観察して、地殻変動の歴史を解明し、地震が起きる原因にアプローチしています。長年、山や丘陵を歩いてきて、地震を発生させる岩盤層は、断層で区切られ、多くのブロック(地塊)になっていることがわかりました。そして、その下の岩盤層は、割れる前に曲がってしまうような、ブヨブヨとした不安定なものです。この上にのるブロックは、常に動いて、境界がズレて地震を発生させます。
角田氏:現在の日本の地震や火山の生みの親は、約2000万年前に大湧昇してきた安山岩マグマだと考えています。熱いマグマが大量に湧き上がってくれば、硬く巨大な大地はひとたまりもありません。押し上げられてひび割れだらけになります。二本中に数え切れないほどある温泉や火山は、地下の割れ目が開きっぱなしなっている地点です。つまり、熱いマグマが上がってくると、それまで冷たかった岩層が「焼かれたお餅」のように膨らんで割れます。マグマは地震を起こしながら火山の噴火も発生させるという一人二役を演じているのです。