2007-05-03
エントロピー則からみる自然の循環構造 [第4回] ~自然は資源の貯蔵所ではなく、ダイナミックに物質が循環する空間~
asaokaです。(前回から随分間を空けてしまいました 🙁 )
今回は、地球環境の『源』に触れ、そこから自然の捉え方、そして開放系のエントロピーがなぜ必要になるのか? についてみていきます。
画像は、「晴耕雨読」より引用させて頂きました。
地球上で起こる様々な自然現象や生物の活動は、太陽から受け取るエネルギーを源としています。
特に太陽から放射されるエネルギーのうち、太陽光のまま宇宙へ反射するエネルギー(30%程度)などを除いた約65%ほどは地球で熱に変わり、その熱が地球環境に大きく影響し、地球上で殆どの生物が生存できる環境が保たれています。
昼に太陽から放射される熱を受け取り、夜に地球から宇宙空間に熱を放射し、地球で生物が生存できる温熱環境のバランスを保っているのです。
(この、太陽放射=地球放射、となる温度を「放射平衡温度」といい、ステファン・ボルツマンの法則(放射強度は絶対温度の4乗に比例する)で計算すると、大気の水蒸気やCO2などの温室効果を考慮した地球表面の平均温度は約15℃になります。因みに温室効果が無いと-18℃になります。)
ただし、(23.5°の地軸の傾きや太陽の周りを回る軌道も正確には円ではないので時間・日・季節で違いがありますが大きくは、)
太陽の周りを回る“球形”の地球は、緯度により太陽からの距離(低緯度ほど太陽から近い)も太陽放射の受取る面の角度(太陽高度角:高緯度ほど受取る面が小さい)も違いますので、緯度により受取る太陽放射量が違ってきます。
だから仮にそのままだと、低緯度では太陽放射>地球放射となり温度は上がる一方で、逆に高緯度では太陽放射<地球放射となり温度が下がる一方で、赤道付近は灼熱の地獄になり北極や南極はすべて凍りつく世界になってしまい、とても今のような多様な生物が生存できる状況ではなくなってしまいます。
しかし実際は、赤道が吸収した余分な熱エネルギーを北極や南極といった高緯度に輸送する自然の機構が環境を調節しているのです。
この地球の環境を調整する生命維持装置とでも言うべき自然の機構が、
①大気(→風)の大循環による熱輸送(子午面循環や偏西風など)
②海流による熱輸送
③大気中の水蒸気(潜熱)による熱輸送
等です。
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