電磁波の生体への影響4~電子の運動に加速度がつくほど、電磁波の量が増える~
電磁波4回目です。今回は、前回の流れを受けて「人工電磁波のエネルギーの大きさ」に着目し、更に掘り下げて考えてみたいと思います。
では、各電磁波のエネルギーはどうなっているのでしょうか??
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◆ ◆ ◆ 各設備や家電から発生する電磁波のエネルギー量
まず下の表をご覧ください。
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この表は、各設備や家電から発生する電磁波の量をまとめたものです。電磁波のエネルギーは、電力束密度という単位に統一して表現しています。電力束密度は、単位面積(1cm2)あたりの電磁波のエネルギー(mW)で表されます。
また前回の投稿で得られた知見、「電磁波は電子を動かす力」
(http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2013/09/001394.html)ということを踏まえて、電子ボルト(1電子ボルト=1 V の電位差がある自由空間内で電子 1 つが得るエネルギー)にも換算しています。
この表からわかるのは、以下の2点です。
①高圧電線や通信施設から出る電磁波より、家電製品から出る電磁波のエネルギーの方が大きい。
②家電製品の中でも、テレビやパソコンの電磁波のエネルギーが大きい。
では、なぜこのようになるのでしょうか?
◆ ◆ ◆ 周波数の変換時に強い電磁波が発生する
◆高圧電線や通信施設は、発生源から距離があるのでエネルギーは小さい
高圧電線や通信施設は、それ自体が出す電磁波のエネルギーは大きいですが、私たちの生活圏内からは、少し距離があります。
通信施設は、数100メートル離れているし、高圧電線にしても直下とはいえ10~20メートルは発生源から距離があります。
電磁波、距離によりどんどん減衰し、減衰率は距離の2乗に反比例します。(下図参照)
このように、ある程度発生源から距離のある、高圧電線や通信施設は、私たちに届く電磁波エネルギーとしては、小さくなるのだと考えられます。
しかし単純に距離だけなのでしょうか?
◆周波数を変換したときに、強い電磁波が発生する
家電製品の中では、特にテレビやパソコンといった機器が、電磁波エネルギーが高いですが、これはどういうことでしょうか?
これらに共通するのが「液晶ディスプレイ」です。実は、液晶ディスプレイは、バックライトの蛍光管を制御するために「インバーター回路」が組み込まれており、そこから強い電磁波が発せられるようです。
参考⇒電波垂れ流しの液晶ディスプレイ
(http://www.asyura2.com/2003/dispute6/msg/266.html)
インバーターとは、「周波数を変換する電子回路」です。一方高圧電線や通信施設は、周波数は一定です。
どうやら「周波数の変換時」に強い電磁波が発生するようです。
ではなぜ周波数の変換時に強い電磁波が発生するのでしょうか?
◆ ◆ ◆ 電子の運動に加速度がつくほど、電磁波の量が増える
まずインバーターの原理を見てみましょう。
インバーターは、はじめに交流電流を一度「直流」に変換し(コンバート)し、再び「交流」に変換(インバート)することで周波数を変化させます。(下図参照)
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ディスプレイなどでは、効率よく電力を消費するために、「周波数を高く」します。=高周波化。
では、ここで前回の投稿(http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2013/09/001394.html)のおさらいです。電磁波は、「電子が動くことで起こるエネルギーの波」でした。
下図は、インバーター内の電子の動きと、電磁波のイメージ図です。
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これを見ればわかるように、インバーター内で周波数が早くなると、「電子の動きの方向が変わるのが早く」なります。その結果、電磁波の量が増えるのです。
つまり「電子の運動の変化が早くなるほど(=加速度がつくほど)、電磁波の量が増える」ということとです。
◆ ◆ ◆ まとめ
○高圧電線や通信施設から出る電磁波より、家電製品から出る電磁波のエネルギーの方が大きい。
○家電製品の中でも、テレビやパソコンの電磁波のエネルギーが大きい
○周波数を変換したときに、強い電磁波が発生する
○電子の運動に加速度がつくほど、電磁波の量が増える
次回は、電磁波の原理について更に掘り下げていきたいと思います。
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