2017-01-02
現実に役立つ数学的思考力を身につける1~分数の起源
あけましておめでとうございます。新春にあわせて少し新しい試みを始めてみたいと思います。題して「現実に役立つ数学的思考力を身につける」シリーズ。
実は、12月の実現塾で「試験脳を超えた数学的思考」のひとつとして「割るって何?比って何?」が扱われました。そこでは初期人類の思考に同化しながら「比の根源」にアプローチし、その思考を通じて、数学は「現実をイメージし、現実イメージと抽象化を自由にいったりきたりしながら、考える位相を複数発見し、その中から最適な思考法を決定する能力(相転力)を身につけるための思考トレーニング」であること。そして、そのような「相転力」は、実社会で企画や提案において非常に必要とされる力であることが明らかにされました。
例えば、「割る」「掛ける」と「比」をバラバラに暗記していても「分数で割る」ことのイメージを描くことはできません。しかし原始人に同化して考えると「比」「割る」「掛ける」の原点に「等分」というイメージがあり、「比」も「割る」も原点は同じであることをイメージできればこどもたちの数学的思考力は一気に開花するのではないかと考えられます。具体的には手元に残された食料は、あと何日持つのか。あとx日持たせるためには1人分の食料は1人あたり、何分の1になるのか。仲間が、大人n人と半人前の子供m人なら、どうなるのか。・・・といった分配をめぐる量的把握の必要は、洞窟時代からでも必要であったと思われ、そこでは、等分という思考をベースに、割るも掛けると割合もすべてが一体的に考察されていただろうと考えられます。この根源的な数学的思考に目覚めれば、数学嫌いを突破することはもちろん、社会に出て生き抜くだけの思考力を手に入れられるといってもいいでしょう。
以上が、実現塾でのひとつの結論ですが、以下に、「数学的な史実」と重ね合わせて考えてみます。以下、引用は三重大学上垣渉氏による「分数の起源に関する私的考察」http://miuse.mie-u.ac.jp/bitstream/10076/4864/1/AN002341990470002.PDF から。
※写真はエジプトで使われていた数字のヒエログラフ。写真はこちらからお借りしました。http://poyoland.jugem.jp/?eid=763こちらのブログ記事もオススメです!