前回の『民主党の温暖化政策~日本は先導役にも環境貢献もできない 3~ [1]』を受けて、引き続き、アラスカ大学国際北極圏研究センター 赤祖父俊一氏の『温暖化防止で世界のリーダーシップはとれない [2]』を引用しながら、
・如何に温暖化問題が科学を逸脱した問題であるのか?
・仮にIPCCが言うように、温暖化が重大問題であるならば、何故各国は真剣に取り組むことができないのか?
について考えていきたいと思います。
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(1)如何に温暖化問題が科学を逸脱した問題であるのか?
まずは、以下の引用文をご覧下さい。
IPCC は、初期から現在起きている温暖化は人類活動により放出される炭酸ガスが原因であるという仮定のもとに、世界中の研究者をかき集めて行動してきた。そのため、新しい大氷河期に向かってAD1000 年より気温が低くなってきたのに1900 年代に入ってから予想に反して突然温暖化が始まったと主張してきた。この主張の基礎になる研究は、気温と年を示すグラフで急激な変化がアイスホッケーの棒の曲がったところに似ていることから「ホッケー・スティック」というあだ名がついている。この図はIPCC の旗印であったが、この研究の誤りは米国の学会ですでに指摘された。しかし、IPCC は公式にその誤りを認めてはいない。これもIPCC が学界ではないことの証拠である。
要するにIPCC は、温暖化問題を政治目的にするため、自然変動を無視してきた。彼らの分厚い報告では「小氷河期」という言葉は一回しか使っておらず、しかも「いわゆる小氷河期」と一度述べているだけである。ホッケー・スティックのグラフには中世の温暖期、小氷河期が示されていない。なぜ小氷河期を無視したかと言うと、小氷河期を認めてしまうと、温暖化は1800~1850 年ごろから同じ率(0.5℃/100 年)ですでに始まっていたので都合が悪いからである。ホッケー・スティックが示すように1900 年後に始まったとは言えなくなるからである。加えて、準周期変動という自然現象もあり、1975 年から2000 年までポジティブ(上昇)であった。IPCC は1975 年からの上昇率は「かつてなかった」高い上昇率としているが、これは小氷河期からの回復と準周期変動が重なったためである可能性が極めて高い。これが言えるのは、同様の温暖化が1910 年から1940 年にかけて起きたからである。しかし、IPCCはこの温暖化を無視している。
[3]問題視されているグラフを具体的に比較してみましょう。
上段がIPCCが公表した「ホッケー・ステックグラフ」、下段が「中世の温暖期や小氷河期を再現したグラフ」です。「ホッケー・ステックグラフ」では1900年から急激な温度上昇が始まっていますが、「温暖期や小氷河期を再現したグラフ」では同様の温暖化が1910年カら1940年にかけても起こっています。「ホッケー・ステック」グラフが都合良く意図的に作られていることが一目瞭然でわかります
これが世界130ヶ国、2500人もの科学者からなる機関が公表している資料なのか?
まったく科学を冒涜しているとしか言い様がありませんね 👿
更に、赤祖父俊一氏の論文は続きます。
IPCC の2100 年までの予測というのは、スーパー・コンピュータを使った結果とするが、自然変動を無視して1975 年から2000 年までの気温上昇の線を炭酸ガスによるとして延長したにすぎない。コンピュータは人間の頭脳が理解できる以上のことはできない。我々の地球の理解は将来を予測するにはまだ極めて不十分である。例えば、温暖化に重要な役割をする雲についてさえ、わからないことが多い。コンピュータには、人間の理解を越えることはできない。人間がわからないことはコンピュータにもわからない。一般市民が思っているようなスーパー頭脳ではない。コンピュータに1975 年から2000 年までの上昇は炭酸ガスによると教えたので、ロボットと同様のコンピュータはそれに従って計算しただけである。自然変動を忘れたため、すでに2000 年の最初から予測が外れてしまった。温暖化は止まっているので、IPCC の2100 年の予測は信用できない。自然変動の多くはまだ原因が究明されていない。したがってコンピュータのプログラムに入れることができないのである。
(中略)
いずれにせよ、IPCC の予測では気温は上昇を続けることになっているが、2000 年の最初からすでに予測が誤ってしまった。彼らは、これは一時的、例えば「ラ・ニーニャ」であると主張しているようであるが、たとえ一時的なものであるとしても、炭酸ガスは急速に増え続けているので、少なくとも炭酸ガスによる温暖化を抑える何かがあることを示している。
その「何か」は現在自然変動としか考えられない。天気予報は最初の2、3 日は当たっても、その後はあまり当てにならないことが多い。ところが、IPCC の2100 年までの予測は今世紀の最初の10 年から全く合わないのである。そんな不正確な予測をもとにして政治家と官僚が日本の資金を彼らの名誉のために、そして日本が世界の「良い子」と言われたいために勝手に拠出して良いのであろうか。もともと地球温暖化問題はまだ若い学問の段階で未知のことが多く、世界の政治舞台に持ち出す問題ではないのである。
[4]こちらも、具体的にグラフを見ていきましょう。毎日新聞2009年2月11日付の記事からです。
平均気温は1970年代半ば以降ほぼ一貫して上昇しています。しかし、1998年をピークにこの10年間は横ばいないし低下し、2008年は21世紀に入り最も低くなっています。IPCCが予測する気温上昇カーブとの隔たりは拡大する一方で、実際には、最近10年で約0.2度下がっていることになっているのです
(2)仮にI温暖化が重大問題であるならば、何故各国は真剣に取り組むことができないのか?
引き続き、『温暖化防止で世界のリーダーシップはとれない』からの引用です。
もしIPCC が予言している地球の破滅的な大災害が起きる可能性があるなら、各国首脳が参加し何回となく行われてきた国際会議で、なぜ具体的な対策が実行されてこなかったのか。
各国首脳にとっては地球を守ることは最も厳粛な任務のはずである。この事実は、彼らは本心ではIPCC のシナリオを信じておらず、炭酸ガス問題を疑問視すると人類の敵と見なされるため「建前」だけの発言をしているということである。国際会議では、後進国は温暖化を口実に自国の利益を先進国から引き出そうとし、先進国はそれを守ることに必死である。無防備の日本は例外である。ブッシュ前大統領は本音を吐いて、世界の悪者にされたが、ブッシュをこの件でさんざん責めたドイツ首相はその後ロシアのプーチン前大統領に天然ガス問題で危うくエネルギーをコントロールされそうになり、石炭発電を計画中とのこと。地球温暖化問題を持ち出したEU 諸国は何十回となく行っている会議で何も決まらないでいる。
彼らの立派な建前が戻ってきて(ブーメラン効果)、困り果てて、本音で無駄な論争を何回となく続けている。とにかく本音では「背に腹は代えられない」のである。国際会議に出かける日本の官僚は、温暖化をめぐる国際情勢を十分検討してほしい。
条件を誤りブラックボックス化されているIPCCのコンピューターシュミレーション、ここ数年の実際の測定結果との乖離、周期的には寒冷化しつつあるという事実、そしてそもそも温暖化が問題なのか?などなど、実は世界各国は、IPCCが言う地球温暖化問題には懐疑的なのではないでしょうか。
「炭酸ガス問題を疑問視すると人類の敵と見なされる」というIPCCやマスコミが作り上げた支配共認に逆らえず、「建前」だけのスタンスを取り続けている。そして、環境というより、自国の経済的利益を最優先に考えている。
だから各国は真剣にならないのです。
(3)日本は先導役も環境貢献もできない
全4回のシリーズ投稿で、サブタイトルになっている『日本は先導役も環境貢献もできない』の理由をわかって頂けたと思います。
行儀の悪い言葉を使って申し訳ないが、日本はもうすでに「鴨」とみなされ、国際会議では「おだてられ、はめられ、たかられ」ているだけではないか。そして国民の税金が、「排出権取引き」という炭酸ガス削減に何一つ役立たない全くの無駄金として使われているのである。
これが事実なのかもしれません。
日本ほど省エネを実行してきた国はない。それなのになぜまた25%などと言っているのかと心配している米国の新聞記事もあった。省エネは大切であるが、大災害、大異変が起きるとして一般市民を脅かす必要はない。科学的根拠のない提言はやがて「バレる」。しかも、ゴアと一緒に踊っていては、江戸時代の「ええやないか」踊りと変わらず、この問題を考えることさえできない。日本の皆さんには、ぜひ、誤った報道に惑わされず、よく考えて目を覚ましてもらいたい。そして、排出を25%削減するという無駄な拠出を止めるよう、政府に働きかけるべきではないか。民主党は市民の声を反映させて初めて真の「民主」党と言える。
この赤祖父俊一氏の熱いメッセージを皆で受け取りましょう。
『日本は先導役も環境貢献もできない』シリーズは今回で最終回です。
今後も当ブログでは事実を追求し発信していきます。
ご声援宜しくお願いします 😀
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バックナンバー
民主党の温暖化政策~日本は先導役も環境貢献もできない~1 [5]
民主党の温暖化政策~日本は先導役も環境貢献もできない~2 [6]
民主党の温暖化政策~日本は先導役も環境貢献もできない~3 [1]