江戸社会を探る ~現代(次代)に活かす可能性とは~ [1]に引き続き
・江戸時代の社会システムとはどんなものだったのか?
・その江戸社会システムを実現することができた基盤とは何か=江戸時代の人々を貫いていた収束軸は何だったのか?
を分析する視点として重要な視点の投稿が、おなじみるいネットで投稿されているので紹介したいと思います。
★江戸時代をどうみるか? [2]
~(中略)~
江戸も含めた日本の社会構造の何が、充足をもたらしたのかを調べていくうちに、この外人記者と同じ思考法で分析された日本史が極めて多いことに気がついた。その思考法とは、西洋の歴史観をそのまま日本に当てはめたものである。これは、進歩的知識人といわれる戦後の研究者に共通のものなのだろう。
彼らは、古い封建的な支配に、自由と平等を手に入れる闘争を自ら起こして勝利したから、輝かしい西洋近代社会が出来上がった。それに比べて日本は遅れており、明治になってやっと近代国家への道を歩み始めたのだ、と。だから、江戸も含めた過去は悪であり、そこに帰るという発想は文明の後退でしかない、という観念である。
これは、単に万人が私権闘争に収束する市場社会の正当化でしかない。この様な視点を日本史に無理やり当てはめると、江戸時代は西洋私権社会と同様に幕府の理不尽な支配で、農民は徹底的に搾取されるだけの奴隷のような生活をしていた、ということになる。
このような例として、土地所有の分析がある。江戸時代の土地は現在的な意味での私有はなく、共有に近かった。ただ、年貢を納める代表としての名義は登録されていた。これをもって、西洋と同じ土地私有とみなし、社会体制を分析している文献が極めて多い。
これを前提にするから、社会関係はどのレベルにおいても支配者と被支配者だけとなり、昭和初期まで現存した村落共同体という体制は説明できなくなる。また、現実のこの共同体のおかげで、役割などの充足は十分過ぎるほどあったことも説明出来なくなる。
このように、多くの日本の社会体制分析がかたよったままだ。ここで、分析軸として忘れてはならないのが、大陸から来た支配層も、土着の共同体をうまく組み込まなければ安定支配は不可能だったことだ。
非常に重要な視点での分析軸ですよね。
近代思想の枠組みの中での思考で歴史を読み解いていくと、事実に反することが堂々と「歴史」として固定化されてしまいます。
前作のインデックス投稿以降、次々と分析に入った記事や投稿が入ってきているので、今回も仕切り直しでインデックスを投稿していきたいと思います。
より分析の視点が深くなってきているので注目してくださいね。
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●江戸社会の統合を実現していたものは何か?
|―■江戸社会を統合していた社会システムとは?
| |―①社会統合システム
| | ・公務を半専任化できた事例が日本の江戸時代である [3]
| | ・階級闘争とは無縁だった江戸社会(1) [4]
| | ・階級闘争とは無縁だった江戸社会(2) [5]
| | ・江戸幕藩も諸藩も参勤交代は統合課題を直に共認するためのものだった [6]
| | ・江戸時代の参勤交代制と市場拡大 [7]
| |―②市場システム
| | ・江戸社会をさぐる~江戸経済を支えた市場の割合は? [8]
| | ・江戸の環境規制「山川掟」と人口停滞による地方経済の活性化2 [9]
| | ・万人に共認された「お金=$、\、£・・」は幻想に根ざしていた。であればその幻想を抜くべき [10]
| | ・共同性を備えている日本がとった律令制度から地方自治への変化の必然 [11]
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|―■江戸時代の集団様式とは?
| |・日本の自治組織 [12]
| |・都市部にも共同体が形成された江戸時代 [13]
| |・江戸時代には村落共同体そのものが統合機能を担っていた② [14]
| |・共同体を組み込んだ支配体制が江戸の社会構造① [15]
| |・共同体を組み込んだ支配体制が江戸の社会構造② [16]
| |・江戸時代の父系制と母系制 [17]
| |・江戸時代の商家は女系相続が中心だった [18]
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|―■集団様式を支える共同体意識とは?
| |・日本人の可能性~半農半士という存在 [19]
| |・江戸時代をさぐる~村落の所有意識は? [20]
| |・『凡才の集団は孤高の天才に勝る』~素人の創造力 [21]
| |・「アワセ・キソイ・ソロエ」という日本の方法 [22]
| |・日本の精神 1~惣掟~ [23]
| |・日本の精神 2~“連”って何? [24]
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|―■統合を支える教育(規範)とは?
|・江戸時代の識字率が高かったのは何で? [25]
|・江戸の教育~男は男の道を学び、女は女の道を学ぶ場 [26]
|・日本の精神 3~江戸の「講」 [27]
|・日本の精神 4~村落共同体の充足規範 「結」 ~ [28]
|・大人しぐさ~江戸に学ぶ自然の摂理の修得法~ [29]
|・女しぐさ 男しぐさ [30]