simasanです。 😀
「環境運動がこれほどまでに力を持ってきたのはなぜか?」 [1]ではsinsinさんが、現在の環境運動が、第三世界の人口および開発抑制を誘導していることを分析告発している著書『環境活動家のウソ八百』のことを紹介しています。
この本にも記述がありますが、これら環境問題と人口抑制政策については、現在、国連活動と関係が深いことが分かります。そこで、今回はこれらの活動のバイブルとなっている報告書「地球の未来を守るために(Our Common Future)」の内容を要約・紹介したいと思います。
その前に、これらの著書をまとめた、ノルウェー生まれの医師、ノルウェーの元首相であるグロ・ハルレム・ブルントラントとはどういう人物なのか?
彼女は、1998年4月、世界保健機関(WHO)の事務局長に就任。就任演説で『タバコとは、人間を殺す前に一生涯喫煙者にすべく、ニコチンを適切に投与するように如才なく巧妙に作られた製品です』との持論を展開し、痛烈な喫煙批判を行った人物である。
ところでみなさん 「持続可能な開発」 という言葉は御存知でしょうか?
そう、環境保護運動を調べていくと必ずこの概念が登場しますね。この言葉こそ1984年から1987年まで、国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」 (ブルントラント委員会と呼ばれる)がまとめた報告書「地球の未来を守るために」で始めて提唱され、 「将来世代のニーズを損なうことなく現在の世代のニーズを満たすこと」がここで定義されている概念です。
委員会の主張である「環境運動と人口及び開発抑制」は、ブルントラント委員会が1989年の「人口と持続可能な開発に関するアムステルダム宣言」を皮切りにその後の国連主催の国際会議において採択された多くの宣言や行動計画のベースとなっている。
そもそも市場拡大こそが全ての環境問題の元凶であることは明らかですが、私には市場拡大を続けつつ、環境も守るというのは都合の良い概念にしか聞こえないのですが、どのように実現しようと言うのでしょうか?
以下、この報告書の要約です。
みなさん、これからも「自然の摂理から環境を考える」をよろしくお願いします。
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●序章 「地球は一つ」から「世界は一つ」
①人口問題の90%は最貧国
世界の人口予測は国連の予測によれば21世紀中に80~140億人の間で安定する。人口増の90%は最貧国で、そしてそのうちの90%が既にはちきれんばかりの都市部でおきる。
②環境被害が国家間の軋轢を生む
地域レベルの資源基盤の侵食は、より広い地域の資源基盤の侵食に結びつくことがある。耕地の森林破壊は、下流地域で洪水を引き起こす。工場による汚染が漁業被害をもたらすことがある。こうした地域レベルの問題に起因する好ましくない現象は、国レベルあるいは近隣諸国間のレベルに拡大している。
③国連主導による持続可能な開発
大幅に増加した人口と人間活動は地球を大きく変えるまでになり、さらに、予想もしなかった変化が土壌、水質、植物、動物、そしてこれらの相互関係の中に生じている。~中略~ 必要な変革を実現する為、本委員会はこの報告書のフォローアップを積極的に行うことが不可欠であると確信する。よって本委員会は、国連総会に対し、本報告書を適確に検討した上で、これを「持続的開発に関する国連計画」へと転化するよう求めるものである。
つまり、ここでは、最貧国の人口増が環境問題を悪化させ、この人口増を抑制することが急務、そこで国連が主導となり政策を推し進めていくことが必要だと言うのです。
以降、「持続可能な開発」とは(2) ~「環境と開発に関する世界委員会」より に続く