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脳回路を解く(11)~・構造認識と大脳連合野・~

哺乳類の進化の過程で、霊長類に進化する種が現れます。

ニホンザルやチンパンジーなどの祖先にあたる霊長類は新皮質がさらに発達して大きくなり、『連合野』が出現し、より高度な認知や行動が可能となりました。

連合野の発達はヒトの進化における重要や領域の1つです。霊長類の脳は連合野のみならず、感覚野や運動野も複雑な機能を担うようになりました。こうした霊長類が獲得した情報処理機能を土台として、後にヒトの脳が誕生することになります。

どのように進化していったのでしょうか?

・小脳や大脳の回路の全ては、瞬間瞬間の外識発で形成された専用回路である。

・しかし、瞬間瞬間の外識発で専用回路を形成してゆけば、忽ち脳容量の限界に達する。(脳容量に限界があるからこそ、使われない回路は新しい外識発の専用回路に乗っ取られ、塗り変えられてゆく)

・与えられた容量限界の中でより速く正体を掴むために生み出されたのが構造認識(共通項を抽出した類型認識や抽象概念や法則や原理)であり、そのために形成されていったのが大脳連合野である。

実際、大脳連合野は、同類情報が飛躍的に増大した共認動物において、更に共認機能を進化させて観念機能を生み出した観念動物において、著しく発達した。

・様々な認識群を構造認識で統合すれば、「どうする?何?何で?」の判断スピードが飛躍的に上昇する。更には、その体系化された認識群を使って新たな可能性(新認識)を発掘する地平が開かれる。かくして、全ての認識は構造認識へと先端収束してゆくことになる。

・共認動物→観念動物は、生存上の極限状態に追い込まれて本能を超えた共認機能や、その共認機能を超えた観念機能を形成する過程において、どうする?⇒何?なんで?の探求機能を飛躍的に発達させたが、この探求を主要に担ったのが大脳連合野である。

・そこでは、どうする?⇒何?なんで?の探求に関連する情報を突き合わせて統合する必要がある。その突き合わせのために形成されたのが、5秒~10秒だけ情報を再現する(そして突き合わせる)作業記憶の回路である(その機能は反復体(海馬)に似ているが、反復体よりも遥かに短時間で消去されてゆく)。

・そして、部分的に統合された認識(初歩的な構造認識)とその関連情報の専用回路が、連合野に形成されてゆく。これが、サル→人類と二段階に亘って、大脳連合野が飛躍的に発達していった理由である。

・構造認識は、大脳中枢の外識→内識をフル稼働させて照準を絞り込むことによって生み出される。その際、大脳中枢→大脳(専用回路)→連合野を何度も反復させて絞り込んでゆくが、そのサイクルを駆動させるのは連合野ではなく大脳中枢である。つまり、潜在思念が何らかの可能性を感取しない限り、連合野発でどれだけ追求しても、使える構造認識は生み出せない。

・また、外圧から遮断された学校での試験勉強等によって大半の潜在思念が封鎖されてしまった脳は、闘争照準力が極めて貧弱である。従って、照準がズレまくることになるが、狂った照準に基づいて観念回路だけで「何で?」を追求しても成果が0に終わる。文字脳・公式脳・暗記脳の人は、頭で考えるよりも、高速音読等で潜在思念を解除することの方が先決である。

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