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【雌雄分化の推進が「癌」を生み出した?】科学を身近に☆NewStream

Posted By tutinori-g On 2014年7月25日 @ 12:03 AM In W.科学NewStream | No Comments

 

多細胞生物としては最も原始的な「ヒドラ」 [1]

多細胞生物としては最も原始的な「ヒドラ」

旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。
今週の科学ニュースを紹介します。

ところでみなさん、日本人の死因の3割を占める癌。その起源は一体どこにあると思いますか?

ドイツ・キール大学の研究に依れば、癌の起源は太古の昔、原始的な多細胞生物が登場したのと同時であることが分かったようです。

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この研究では、ヒドラに腫瘍が発生することが確認されました。 また、癌遺伝子の起源を探っていくと、原始的な多細胞生物にはヒトの癌の原因となる遺伝子のほとんどが存在していたであろう、とされています。

またヒドラに発生した腫瘍は、性分化のための幹細胞がプログラム細胞死によって正しく取り除かれず、大量に蓄積してしまうことで発生していることを突き止めた。その背景には、プログラム細胞死を防ぐ遺伝子の過剰な活性があった。機能を失った細胞の適切な排出はどのような生物でも重要な機能であり、実際にヒトに発生する腫瘍でもそこに原因があるとするものが多数ある。また興味深いことに、ヒドラの腫瘍はメスにのみ発生し、ヒトの卵巣癌に相当するものであったという。

またこれらの腫瘍細胞は感染することが示された。例えば、あるヒドラの腫瘍細胞の一部を健康なヒドラへと移植すると、腫瘍細胞は新たなヒドラの体内で育っていく。感染性の癌細胞は高等動物でも見られるが、Bosch博士によると、このような特徴も進化的に古くから存在するようだという。
http://blog.livedoor.jp/xcrex/archives/65797328.html [2]

メスのヒドラにできた卵 [3]

メスのヒドラにできた卵

ヒドラの観察結果からすると、メスに発生する卵巣癌こそが癌の起源ということになりそうですね。
ところで、幹細胞、生殖細胞、癌細胞、この3つには大きな共通点があります。

私たちの体には不死の細胞が3種類います。幹細胞、生殖細胞そしてがん細胞です。いずれも自己再生産のできる細胞で、一生自分の体細胞をつくり続けるのが幹細胞、世代を超えて生き続け次世代の個体をつくるのが生殖細胞です。がん細胞は主に幹細胞から、時に生殖細胞からも生まれます。がん化によって不死の細胞が生まれたわけではないのです。
http://www.shiga-med.ac.jp/~hqpatho1/publicprogram/ec1kai.html [4]

幹細胞とは、自分と同じ機能を持つ細胞に分化する能力を持ち、際限無く分裂できます。生殖細胞も、分裂して成体になるわけですから、細胞自体はプログラムされた細胞死(アポトーシス)を起こしません。そして癌細胞も、分裂回数を司る“テロメア”という領域が壊れているため、際限無く分裂していきます。

ヒドラは、基本的に「出芽」という無性生殖によって増殖する多細胞生物ですが、水温が急変したり餌が無くなるなどの危機に直面すると雌雄に分化し、卵巣と精巣を作って有性生殖を行います。

ヒドラに発生する癌の原因が、「性分化のための幹細胞がプログラム細胞死によって正しく取り除かれず、大量に蓄積してしまう」ことだとすれば、“雌雄分化の推進”という進化と引き替えに抱え込んだ宿痾こそが「癌」なのかもしれません。


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