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【気象シリーズ】日本の局地気候と農業 ~若狭の気候特性から今後の農業の可能性を探る その2

~その1のつづき~
◆若狭は暖かく、雪もそれほど多くない
では、若狭町、あるいは上中地域の農業の新たな可能性とは、一体どのあたりに見出せるのでしょうか。その可能性を探る上で、まずは基礎となる若狭エリアの気候特性をおさえてみましょう


気候特性の一つは、「暖かさ」。
下の平均気温の分布図を見てください。
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※画像はこちら [2]からお借りしました。
日本海側では、福井県の若狭湾を囲んだあたりから、南西方向に向かって平均気温14度以上の暖かいエリアが始まっているのがわかります。この傾向を生み出している要因としては、大きくは緯度、そして高度による気温差、それに加えて、日本海を流れる暖流(対馬海流)の影響で冬が比較的暖かくなることが挙げられます。
より範囲を狭めてみると、若狭湾周辺の暖かさがよくわかります。
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※画像はこちら [4]からお借りしました。
もう一つの気候特性は、「雪が比較的少ないこと」。
【年最深積雪(1971~2000年の平年値)】
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※画像はこちら [6]からお借りしました。
同じ日本海側でも、若狭湾周辺エリアの積雪量が周囲と比較して少ない傾向にあるのは、このエリア独特の地形とそこを通る風に起因しています。
下の地勢図を見てください。
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※画像はこちら [4]からお借りしました。
若狭湾周辺の山々を見ると、両白~野坂~丹波の山地がありますが、1,000~2,000m級の有名な峰々(白山など)が連なる両白山地に比べて、若狭エリアの後背地にある野坂山地、丹波山地は、高くても900m級の山がぽつぽつある程度の比較的標高が低い山地です。また、若狭湾から琵琶湖に抜ける500m以下の低地が存在しているのがわかります。
本来、日本海側に降雪をもたらす雪雲は山脈を越える際に日本海側に雪を降らせてしまうため、そこで雲はなくなってしまい、太平洋側には乾いた風がもたらされて、晴天となります。
しかし、後背地にある山地の標高が低く、雪雲を堰き止めきれない地域や、日本海と太平洋をつなぐ陸地の部分が狭く、雪雲が太平洋側まで吹き抜けてしまうような地域では、日本海側での降雪が比較的少なくなり、雪雲が太平洋側まで流入して雪を降らせます。
【雪雲の通り道】
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※画像はこちら [9]からお借りしました。こちらにある動画を見ると風の流れがよくわかります。
若狭町のある嶺南エリアが嶺北エリアに比べて降雪が少ないのもこのためです。水分を含んだ雪雲は琵琶湖へ抜けて、更に伊吹山地と鈴鹿山脈・養老山地の切れ目にあたる関ヶ原付近を通って、濃尾平野へと抜け、その途上で太平洋側では珍しい大雪を降らせることになります。
この気候特性は植生にも影響しています。
気候特性を頭に入れつつ、以下の植生分布を見てみましょう。
【日本の植生分布】
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※画像はこちら [11]からお借りしました。
【参考】
日本の気候② 気候変動と森の歴史 [12]
日本列島は、もともと縄文時代の暖かい時期に照葉樹林が大半だった状況から、時代を経るにつれて、落葉樹林の分布が北から南へと広がってくるようになり、現在の形に落ち着いたと言われています。若狭エリアは照葉樹林帯の北限(落葉樹林帯の南限)にあたるため、多様な植生が存在しているエリアであると言えます。
特産品である「若狭梅(福井梅)」や「若狭米(福井米)」もこのエリアに適応した多様な植物の中の一部ですが、他にはどのような作物があるのでしょうか??もっといろいろな作物が見つかりそうですね。
そこで、次回はこのエリアで獲れる野菜の中でも、米や梅といった商品作物として注目されてきた作物ではなく、むしろ従来は市場に乗りにくい存在であった「伝統野菜」に目を向けてみます
~その3につづく~

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