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【気候シリーズ】宇宙気候から気候変動を考える5~スベンスマルク博士による宇宙気候入門(後編)

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スベンスマルク氏(画像はコチラ [2]からお借りしました)
先週の記事(→コチラ [3]を参照してください)では、地球の気候は地球内部での要因ではなく、太陽活動によって気候が決まるというシステムを紹介しました。今回はそれに引き続き、太陽活動の変化が今後地球にどのような気象変動を引き起こすのか?を紹介したいと思います。
先週の記事に引き続き、スベンスマルク氏の論理を、図を使いながら解説している動画を紹介します。


⑥太陽活動と地球の気温の関係?
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地球は太陽の磁力によって守られている
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太陽活動が停滞すると宇宙線が浸入し雲を生成
動画6 [6]
【要約】
ここまでのストーリーのまとめ
地球は太陽の磁力によって守られている。
その磁力が弱まると多くの宇宙線が浸入。
上空で微粒子が発生し、雲ができる。
太陽光がさえぎられ、温度が下がる。

地球の気候は宇宙の影響を大きく受けている。
各国で大議論を巻き起こし、各国で検証が行われている。
⑦人工的に作った宇宙線で雲の核はできるのか?
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動画7 [8]
【要約】
その中で最も大規模な検証を行っているのがスイスのCERN。
27Kmの世界最大の加速機を使った大規模な研究が行われている。
チャンバー内に上空の大気を再現し、加速機で人工的に作った宇宙線を照射。
雲が出来るときの宇宙線の影響を調べている。
人工宇宙線を照射した直後からチェンバーの中の微粒子は急速に増加。この微粒子が成長すれば雲の核となる。
⑧過去千年の太陽活動からみる規則性
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動画8 [10]
【要約】
過去千年の太陽活動の変化からその規則性を調査している。
樹齢千年の屋久杉から年輪のサンプルを抽出。
年輪毎に含まれる炭素C14の量からその年の宇宙線量が分かる。
太陽活動が長期間停止する前に活動周期が11年から13年に延びていることが分かった。
太陽活動の停滞期は、過去千年間で過去3回あったが、すべてで共通。
その後、数十年間太陽活動が停滞するという共通性がある。

次の十年間が鍵を握っている。
■疑問
ここで次回から追求する疑問をいくつか挙げます。
1.太陽の活性度を規定するものは何か?
太陽活動が弱まると磁力のバリアが弱まり、地球に届く宇宙線が増加するとあったが、太陽活動は何によって規定されているのか?太陽系の外から来る宇宙線の量との関係はあるのか?
2.電磁場と放射線の関係は?
太陽活動が活発なときに、太陽風は地球の磁場があるために入って来られない。
一方、太陽活動が停滞すると、宇宙線は地球の磁場があるにも関わらず地球に入れる。
磁場と放射線の関係はどうなっているのか?

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